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【海外試乗】2017 パイロット ELITE

2016年秋、アメリカ・ラスベガスで開催されるSEMAショー取材に飛んだホンダスタイル編集部。その前にロサンゼルスでいくつか取材の予定を組んでおり、ロサンゼルスからラスベガスまでは約4〜5時間の長距離移動。そこで現地での移動には、ホンダの最新SUV・パイロットを相棒とした。

日本国内市場では先日にCR-Vが販売終了となり、VEZELのみとなってしまったホンダのSUV。しかしアメリカの自動車市場においては、SUVはもはや生活必需品というような傾向もあって、ホンダ・ブランドでHR-V、CR-V、パイロットの3台。アキュラ・ブランドではRDXとMDXという、ホンダ&アキュラで計5台をラインナップしている。さらにピックアップのリッジラインが存在するのだから、アメリカの独特な自動車文化を感じさせられる。

さてこのパイロット、現行モデルは通算3世代目にあたる。初代(2002-2008)と2世代め(2008-2015)の後を受け、2015年より発売が開始された。北米での区分的にはインターミディ=中型SUVとなるが、全長4940×全幅1996×全高1772mmはさすがのビッグサイズ。日本国内の都市部では確実にもてあます大きさだろう。

2016 Honda Pilot Elite 2017 Honda Pilot Elite

しかしそのボディサイズゆえ、3列シートを持つ室内はさすがに広大。運転席はもちろん、2&3列目のいずれでも空間的な余裕はたっぷり。シートの肉厚も豊富で、後席に乗車した同行カメラマンの感想も「快適そのもの」とのこと。頭上に用意されたエンターテイメントシステムやダブルサンルーフなど、居住性の高さはラグジュアリーSUVに匹敵する。

2017 Honda Pilot Elite 2017 Honda Pilot Elite

エンジンは3.5リッターの直噴V6 SOHC i-VTECで、最高出力284PS/最大トルク355Nmを発揮。このELITEでは9速DCTが組み合わされる。そのためセレクターレバーは存在せず、レジェンドやNSXなどでお馴染みのボタン式。パドルシフトは装備されていない。走り出してみると、意外にも下からドンとトルクが出る感じではなく、エンジン回転の上昇から一呼吸おいて車体が加速していく感じ。このあたり、DCTの制御もかなり従来のATに近くなってきた印象。

2016 Honda Pilot 2016 Honda Pilot Elite

もちろん力強さに物足りなさなんてあるハズもなく、右足にちょっと力を込めれば、フリーウェイの制限速度である70マイル(約112km/h)にはあっというまに到達する。ステアリングの右側に用意されたクルーズコントロールをセットすれば、レーンキープシステムや前走車追従機能のおかげもあり、ラスベガスまでのロングドライブも極めて快適。実際のところ、日本国内で乗るにはボディサイズが気になるけれど、それでもこれだけ魅力あるホンダ製SUVの存在を知る機会が少ないというのは残念に思う。

TEXT:Kentaro SABASHI(佐橋健太郎)