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【動画】ストリートで人気を集めたFTR

アメリカで人気のオートバイレースに、ダート(土)の路面に作られたオーバル形状のコースで競われる『ダートトラック(フラットトラック)』と呼ばれるレースがある。コーナリング中に思いっきり前後のタイヤをスライドさせ、イン側の足をステップから外して路面をコスりつけるように走る写真を、一度は見たことがあるのではないだろうか。

そのフラットトラックレースで活躍するマシンをイメージして製作されたのが、1986年に登場したFTR250だ。頭文字をとって名付けられた車名からは同レースのレーサーレプリカを想像するけれど、その内容はむしろストリートでの扱いやすさを求めたもの。

軽量・低重心・スリムな車体に応答性の良いシンプルな4ストローク単気筒エンジンを搭載するというコンセプトで、キック式/セルモーター式の両仕様が用意された。しかし1980年代後半は高出力のバイクが人気を集めたレーサーレプリカ・ブームの真っ最中で、FTR250は商業的に成功したとはいえず1989年までに生産を終えている。

そのFTRの車名が突如として復活したのは2000年のこと。「スカチューン」と呼ばれるストリート仕様のオートバイが街にあふれた時期に「FTR223」として再登場した。

約11年ぶりに復活したFTRは、同イメージのスタイリングながらフレーム形状もセミダブルクレードル形状に一新、エンジンもSL230系の223ccに変更されセルモーター式のみとなるなど、より「ストリートでの扱いやすさ」を重視した内容となっている。

2000年に発売が開始されたFTR223は丸目ヘッドライトとなったほかフレーム形状なども異なっている

2000年に発売が開始されたFTR223。丸目ヘッドライトとなったほかハンドル角やフレーム形状など多くの部分が新設計となっている


低・中速域での応答性のよい単気筒エンジンを、ホイールベースが短く低重心・低シート高の車体に搭載。さらに切れ角の大きなハンドルを組み合わせたことで女性ライダーからの支持も高まり、今度は一躍人気モデルとなった。幾度ものマイナーチェンジを受けロングセラーモデルとなったが、2016年に生産を終了した。

(text:Yoshiaki AOYAMA 青山義明)