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都市型SUVはスポーツチューンに注目!!

スタイリッシュな都市型SUVとして、日本国内でも人気モデルとなっているVEZEL(ヴェゼル)は、欧州や北米はもちろんアジア各国でも販売されている世界戦略車だ。といってもVEZELの名称が与えられるのは日本のみで、海外では「HR-V」の車名で販売されている。今回はタイで販売されているHR-VのModulo仕様について紹介する。

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タイ市場にHR-Vが導入されたのは2014年11月のことで、タイ国内のアユタヤ工場で生産されるいわば「国産車」だ。そのためか日本仕様のVEZELとは外観こそほぼ同じだが、その内容はだいぶ異なっている。ラインナップはガソリンエンジン車のみでハイブリッドの設定はなく、そのエンジンもよりトルクフルな1.8リッターのR18Aを搭載する。さらに駆動方式はFFのみとなっており、SUVというよりプレミアムカテゴリーのクロスオーバーという面が強調されている印象だ。

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そのHR-Vをベースに、Moduloのエアロパーツが装着された現車は、すでに紹介しているCIVICJAZZ同様、ホワイト×ブラックのカラーリングでまとめられている。今回の試乗場所であるクローズドスペースにパイロンを設置したコースを走ると、ノーマルサスペンションではさすがにロールの大きさを感じるものの、路面をしっかりと4輪で捉え続ける走りはかなり好印象。むしろ1.8リッターのトルクは直前に試乗した1.5リッターのJAZZと比較して明らかに大きく、ピックアップが鋭い加速感は「スポーツ」を強く感じさせる。

またModuloブランドのエアロパーツを装着したことで、より精悍さが増したフォルムも魅力的だ。日本仕様のヴェゼルはハイブリッドが人気の中心となっていて都会的でスマートなイメージだが、このHR-V Modulo仕様に乗ると、ガソリンエンジン車をベースにしてスポーティ性を前面に出したカスタムも楽しそうだと思わせてくれる。220km/hまで刻まれたスピードメーターもその気にさせてくれる。

CIVICとJAZZ、そしてHR-Vという3台のタイで販売されているホンダ車のModulo仕様に乗ってみて、あらためてホンダ車の持つ「走り」の魅力と、そしてスポーティさや精悍さをアップさせるModulo製品の存在感を再確認することができた。

実際のところ、タイのホンダ車オーナーにとってModuloは憧れのブランドとのことだが、それも納得の仕上がりと思えた。外観における変化だけでなく、間近で見ても質感の高さは明らか。車両本体だけでなく純正アクセサリーのModulo製品も、その多くがタイ国内で生産されているとのことだが、製品クオリティは日本国内生産とも変わらないレベルに達している。

ひとつひとつの製品に、ホンダ車を知り尽くした純正アクセサリー・ブランドとしてのプライドを感じさせるModuloは、もっと評価されていいブランドだ。日本仕様のVEZELにはRSというスポーツグレードが存在するが、いずれ『このHR-V(またはヴェゼル)をベースにしたModulo Xが販売されたら…』という大きな期待を抱かずにはいられない試乗だった。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)