Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. MOTORSPORTS
  3. 【S耐】Modulo CIVIC TCRがデビュー戦で1-2!(2)

【S耐】Modulo CIVIC TCRがデビュー戦で1-2!(2)

スーパー耐久では、決勝レースが行われる前に45分間のピットウォークがあります。普段見ることができないピット内の様子を間近で見ることができたり、ドライバー達からサインをもらったり、一緒に撮影できるチャンスです。

そしてもうひとつのS耐の特徴として、スタート直前のグリッドまで一般のお客さんも下りることができるんです!こんなに近くまでレーシングカーに近寄ることができる機会はなかなかないですよね。これはやはり現地でレースを見る醍醐味のひとつでもあります。

グリッドに並ぶ97号車。3名のドライバーのもとへ、土屋圭市さんも激励に訪れた

そして定刻どおりスタートした決勝レース。9番グリッドからスタートした97号車、まず1番手でステアリングを握ったのは伊藤真一選手。オープニングラップで2つポジションアップして、クラス3位(総合7位)で1周目を終えると、その後もポジションを順調に上げていき、14周目のヘアピンで同クラスのAUDIをかわしてクラス1位、総合でも3位に浮上! そしてピットで待つ2番手走者の海老澤選手にバトンタッチします。

ピット作業を終えて海老澤選手がコース上に戻ると、なぜか後方にいたはずのライバル98号車が前方に! ピット作業でやや手間取ってしまったのが響き、順位が逆転。同じチーム内だからこそ絶対に負けたくない最強の相手に、海老澤選手の快走で1秒を切るまでに差を縮め、中野選手へ託します。

しかし97号車より早めのタイミングでピット作業を行った98号車は、3番手の加藤寛規選手がぐんぐんとペースアップ。コース上のトラフィックにも恵まれ、97号車の中野信治選手がピットアウトしたとき、98号車からは約30秒の差をつけられてしまいました。

約10年ぶりの国内レースという中野信治選手でしたが、かつてF1やインディカー・シリーズに参戦、近年ではル・マンを始めとする海外レースに挑むなど豊富な参戦経験を持つだけに、レース終盤で次々と自己ベストタイムを更新。惜しくもトップの98号車には届かなかったものの、後続車には1ラップ以上の大差をつけて2位でフィニッシュ。Modulo CIVIC TCRの1-2フィニッシュとなりました。

長いレースともなると、マシンの性能、平均ラップタイム、そしてチームメイトやチームメカニックとのチームワークが重要になってきます。今回のレースでST-1クラスのPorsche 991GT3 CupやBMW Z4M Coupeを差し置いてModulo CIVIC TCRが総合1-2フィニッシュを飾れたのは、やはりチーム力の賜物だったといえると言えるでしょう。

次戦は4月29-30日に宮城県・スポーツランドSUGOにて開催されます。最高のデビュー戦を終えた2台のシビック・タイプRは、今年のスーパー耐久シリーズで台風の目となる予感です!

(text:Yuko ASHIZAWA 芦澤裕子)