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【インディ500あれこれ】決勝前日は街をパレード

全米最大のレースイベントと呼ばれる「インディ500」は、その運営スケールもデカく、そして長い。インディ500が開催されるのは毎年5月第4週の週末と決まっているけれど、かつては5月初旬からルーキープログラムやテスト走行などインディ500のためのスケジュールが約1ヶ月に渡って組まれていました。

そのためインディ500が開催される5月を「マンス・オブ・メイ(month of May)」と呼ぶのだけれど、現在ではインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースを使用した「インディGP」が5月上旬に開催されることもあり、インディ500のスケジュールは約2週間へと短くなっているけれど、全米のレースファンそして地元インディアナポリスの市民にとって、5月が特別な月であることに変わりはありません。

インディアナポリスに集まったファンや市民にとって、決勝レースはもちろんですが同じくらい楽しみにされているのが、レース前日に行われるパレードです。一般的なレースでは決勝の前日に予選が行われスターティンググリッドが決定しますが、インディ500では1週間前に予選が終了しグリッドを決定。決勝レース前にチェック走行が許されるのは、金曜日の「Carb Day(カーブデイ)」が最後。

土曜日はマシンの走行は一切行われず、代わりにドライバーはファンサービスに徹します。土曜日の早朝からスピードウェイのパドックで行われるサイン会は、すべてのドライバーが出席。さらにこの日は入場無料とあって、大勢のファンがスピードウェイを訪れます。そしてお昼にはサイン会が終了すると、ドライバーは市街中心部のダウンタウンへと移動。これも恒例の「インディ500フェスティバル・パレード」が開催されるのです。

 

パレードでは様々なフロートが登場し、歴代ウィナーだけでなくアーティストやスポーツ選手なども参加。チアリーダーやマーチングバンドには地元の学生も多数参加するなど、まさにお祭りといった雰囲気です。市街地での開催ですから、これも観戦は無料。有料のスタンド席もあるけれど、無料スペースもたくさん用意されているのでたっぷり楽しめます。

 

そしてパレードのメインイベントが、スターティンググリッドと同じように3台×11列に並んだオープンカーによるドライバーズ・パレード。シボレー・カマロ・コンバーティブルはそれぞれドライバー名のステッカーが貼られ、各車にドライバーが乗り込みます。このとき家族やガールフレンドを同乗させることができるのは、いかにもアメリカならではですね。

そうして最後のイベントが終わると、街にはいよいよレースムードが高まってきます。スピードウェイの周辺駐車場では、キャンプに興じすでに酔っ払っているファンも多く、これから始まる年に1度のお祭りを迎える準備が整ってくるのです。

(TEXT:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)