Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. MOTORSPORTS
  3. 【リア’s レポート】SUPER GT Rd.4(SUGO)予選

【リア’s レポート】SUPER GT Rd.4(SUGO)予選

日本各地で毎週のようにモータースポーツレースが開催される夏、SUPER GT第4戦が7月22-23日にスポーツランドSUGOにて開催されました。ここスポーツランドSUGOは「魔物が棲む」と言われるくらい、何も起こらないレースなんてないサーキット。81周のレースは、誰も予想しようのない展開となったのです。

レースウィークの予報は雨。それが信じられないほどの日差しのなか迎えた予選日。朝から湿度も高く、公式練習が開始された9時の時点で気温は31℃まで上がりました。しかし朝に開催された併催レースの予選で、大きなアクシデントが発生。早くも波乱を予感させます。これにより、SUPER GTの公式練習も5分遅れでスタートしました。

午後に控える予選に向けて、タイヤのチョイスやマシンセッティングを見る各チームにとって貴重な1時間45分の公式練習。Moduloサポートチームの#64 EPSON Modulo NSX-GTはベルトラン・バゲット選手、#100 RAYBRIG NSX-GTは伊沢拓也選手が走行を開始。しかし走行開始から間もなく、#64は車両トラブルによりピットイン。メカニック総出で修復作業に取り掛かります。

#100は順調に走行周回数を重ね、セッション中盤ではトップタイムを叩き出すなど好調を感じさせます。予選シミュレーションもされる練習走行でトップタイムは目まぐるしく更新され、公式練習はホンダ・トヨタ・日産の3メーカーが僅差で入り混じるタイム結果で終了となりました。

SUPER GTは公式テストが事前に各サーキットで行われますが、いざレースが行われる時はテストと全く違うコンディションという事が多いのです。テストの時はドライコンディションで好調でも、レースは雨…なんて事も少なくなく、チームが悩まされる事も度々。そのため予選当日に行われる公式練習は有効に使いたい一番の時間。#64 EPSON Modulo NSX-GTもトラブルに見舞われ時間ロスはあったものの、優秀なチームメカニックの手により再びコースインし予選へ向けて調整を行う事ができました。

予選時間が迫り、高まる観客の期待とは裏腹に雲行きは怪しくなってきます。GT300の予選Q1が行われている最中に雨がパラつき始め、さらには雷も鳴り始めます。GT500のQ1が始まる頃には雨も止み、またGT300の予選が行われたことでレコードラインも乾いており、ドライコンディションでスタート。

ブリヂストン(BS)製タイヤを使用するチームが多いGT500のチームですが、その中でも予選の先陣を切ったのは、ダンロップ製タイヤを装着する#64 EPSON Modulo NSX-GTでした。その後にヨコハマタイヤを装着するチームが続き、タイヤメーカーによりコースインのタイミングが分かれます。そして残り6分の時点で全車がコースインとなりました。

#64 EPSON Modulo NSX-GTのQ1を担当したバゲット選手は、一時は3番手のタイムを叩き出すなど朝のトラブルを思わせない好調な走りを見せます。しかし#100 伊沢選手をはじめとする他NSX-GT勢の好調さもあり、惜しくも#64 EPSON Modulo NSX-GTは0.1秒という差でQ1突破ならず。しかしQ2に進出した8台のマシンのうち、NSX-GTが4台を占めるという結果は、ホンダ・ファンにとって期待が高まる結果となりました。

続く予選Q2は、直前に行われていたGT300のQ2中に発生した赤旗により15分遅れでスタート。またしても何かを予感させるような赤旗の続出に、緊張感も最高潮となるなかタイムアタック合戦が始まりました。4台のNSX-GTのうち、特に好調さを見せていたのは#100 山本尚貴選手。Q2進出車両のうち最後のアタックとなりましたが、ポールポジションにはわずかに届かず。グリッド2番手を獲得しました。

 

ポールポジションを獲得したのは、#8 ARTA NSX-GT。Q2ではコースレコードに迫る1分10秒915を記録しました。そのほか予選上位をNSX-GTが独占。決勝に向けて期待を感じさせずにはいられない結果となりました。

「正直、ここまで上手くいくとは予想していなかったので驚きました」
山本選手は予選後にそう語ってくれました。しかし、その驚きは4戦目を迎え熟成された今季のマシンとチーム力の自信へと変わったようでした。

「明日は、唯一のダンロップ製タイヤを履くチームというメリットを活かせると思います」
惜しくもQ1敗退となった#64 EPSON Modulo NSX-GTですが、松浦選手をはじめチームスタッフの雰囲気は良い感じです。というのも、翌日の決勝は雨予報。ウェットコンディションのスピードには手応えを感じているようでした。

2017 SUPER GT 第4戦(スポーツランドSUGO)予選結果
1位 #8 ARTA NSX-GT 野尻智紀/小林崇志 1’10.915
2位 #100 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴/伊沢拓也 1’11.469
3位 #17 KEIHIN NSX-GT 塚越広大/小暮卓史 1’11.491
4位 #19 WedsSport ADVAN LC500 関口雄飛/国本雄資 1’11.669
5位 #16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤英紀/中嶋大祐 1’11.739
10位 #64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦孝亮 1’12.269

(TEXT:Leah MIZUMURA 水村リア)