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【INDY】佐藤琢磨選手は年間8位でシーズンを終える

季節は秋へと変わり、3月に開幕したインディカー・シリーズはいよいよ最終戦。シリーズ第17戦は、カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のソノマ・レースウェイを舞台に開催された。周辺にはワイナリーも広がる長閑な田園風景のなかにあるソノマ・レースウェイは、アップダウンに富んだレイアウトが特徴のロードコースだ。

今シーズン、インディ500で歴史的な優勝を遂げた佐藤琢磨選手は予選から好調ぶりをアピールし、所属するアンドレッティ・オートスポートの4人のドライバーではトップ、さらにホンダ・ユーザー勢のなかで最上位となる5番グリッドを獲得した。

迎えた決勝、空は鮮やかに晴れ上がり、気温も上昇。カリフォルニアらしい青空と強い日差しが照りつけるなか、午後3時30分に決勝レースがスタートした。5番グリッドからスタートした佐藤琢磨選手は、スタート直後にチームメイトであるアレキサンダー・ロッシとポジション争いを展開、その際にコースオフしたことでタイヤにトラブルが発生してしまう。リアタイヤが完全にバーストした状態でなんとかピットに辿りつくも、この間にかなりの距離をスロー走行したため、タイヤ交換を終えるとトップ集団からは周回遅れとなってしまう。残念ながら、この時点で勝負権が失われてしまった。

タイヤ交換後は上位のマシンとも変わらないペースで周回するも、終盤にはエンジントラブルが琢磨選手を襲い、残念ながらレースをリタイア。悔しい今シーズン最終戦となってしまった。しかし今シーズンの佐藤琢磨選手のリザルトは素晴らしく、予選ではシーズン終盤の5戦すべてでトップ6に入ったうえ、デトロイトのレース2とポコノではポールポジションを獲得。決勝レースではインディ500の優勝を筆頭に、合計4回のトップ5フィニッシュを記録。年間ランキングは自己ベストの8位となった。

 

いっぽうソノマのレースを引っ張ったのは、予選で1〜4位を独占したチーム・ペンスキー勢。今回ポールポジションを獲得し、ランキングトップで最終戦を迎えたジョセフ・ニューガーデン、昨年度チャンピオンのシモン・パジェノー、ベテランのエリオ・カストロネベスとウィル・パワー。4名のドライバーが4人ともシリーズチャンピオンの可能性を残すという『チーム内決戦』のなか、レースを制したのはシモン・パジェノーだった。

多くのチームやドライバーが3回ピットの4スティント作戦を採用するなか、唯一の4回ピット作戦を行ったパジェノー。誰よりも早いタイミングで最初のピットに入り、以後すべてのピット作業もノーミスというチーム力も手伝い、「ウサギさん作戦」で見事に優勝を飾った。

そしてポールポジションからスタートしたチームメイトのジョセフ・ニューガーデンは、レースを通じて上位を走り、最後はパジェノーを追いかける気配を漂わせつつも、ポジションキープの2位でフィニッシュ。これにより初のシリーズチャンピオンを獲得した。

 

なお、このレース終了から2日が経った9月19日、佐藤琢磨選手が2018年はアンドレッティ・オートスポートからレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングへ移籍することが発表された。同チームは琢磨選手が2012年に所属した、いわば”古巣”。当時は1台体制だったが、今回はチームオーナーであるボビー・レイホールの息子グレアム・レイホールと2台体制となる。佐藤琢磨選手のカーナンバーは16となる。

(TEXT:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)