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【S耐】新型FK8ベースのシビックTCRがデビューウィン!!

2018年3月31日~4月1日、鈴鹿サーキットにてスーパー耐久シリーズの開幕戦が行われた。ST-XからST-Z、ST-TCR、ST-1、ST-2、ST-3、ST-4、ST-5という8つのクラスによって競われるスーパー耐久は、今シーズンより全クラス全車がピレリ製タイヤを使うワンメイクとなる。昨年までは全車がヨコハマ製タイヤを使用していたため、この新しいタイヤの特性をいかに早く掴むかが、シリーズ序盤のカギとなりそうだ。

ホンダ車が参戦しているのはST-TCR、ST-4、ST-5といったクラスだが、やはり注目はST-TCRクラス。昨年2017年シーズンはシビックTCRが参戦初年度にしてシリーズチャンピオンを獲得したが、今年は参戦マシンおよび体制を一新。ディフェンディングチャンピオンながら挑戦者としてのシーズンとなる。

そのシビックTCRは、ベースモデルとなるシビック・タイプRが新型へとフルモデルチェンジしたことに伴って、FK8ベースへのマシンへと一新。昨年のチャンピオンマシンであるシビックTCR(FK2型)は他チームから参戦し、昨年と同様にアウディRS3 LMS、フォルクスワーゲンGOLF TCRというライバルたちと戦うことになる。

2台の新型シビックTCRのうち、#97 Modulo CIVIC TCRはドライバー・ラインナップにも変化があった。昨年も同マシンをドライブした中野信治選手のほか、ジェントルマン・ドライバーの植松忠雄選手、そして大津弘樹選手、小林崇志選手というGT300参戦中のドライバーがステアリングを握る。

5時間耐久で行われた決勝レースは、12時20分にスタート。TCRクラスの予選トップは#19 BRP★Audi Mie RS3 LMS(HIROBON/YOSSY/篠原拓朗/奥村浩一組)で、予選クラス2位に約1秒の差をつけるスーパーラップを記録。しかし決勝ではスタート後すぐ、車体の右フロントを破損してレースを終えてしまう。

これでトップに立ったのは、レースは同じアウディRS3の#45 プリズマ☆イリヤ RS3 LMS。しかしタイヤトラブルのため予定外のピットインを余儀なくされ、トップ争いから脱落。

#97 Modulo CIVIC TCRは予選クラス3位ながら、上位陣のトラブルによりクラストップに浮上。さらに後方からは#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCR(Philippe Devesa/密山祥吾組)激しい追い上げをみせ、TCRクラスはこの2台によるバトルが展開された。

#97 Modulo CIVIC TCRと#10 Racinrline PERFORMANCE GOLF TCRの2台は、レース序盤から激しいバトルを展開し、ピットストップのたびに順位を入れ替えるほどの接近戦。しかしレースも終盤戦となったころ、今シーズンより導入されたフルコースイエローのタイミングでピットインをうまく消化できたこともあり、残り40分を切ったところでクラストップに浮上! そのままチェッカーフラッグを受け、見事に開幕戦で優勝を飾った。

前述のように、#97 Modulo CIVIC TCR(植松忠雄/中野信治/大津弘樹/小林崇志組)は新しいマシン、そして中野選手以外は新しいドライバーによるデビューウィンとあって喜びもひとしお。その中野信治選手は、昨年の最終戦に続いての2連勝で、さらに決勝レースが行われた4月1日は自身の誕生日でもあり、誕生日を優勝で祝うことができたのはレースキャリアでも初めてとのこと。

「バースデーウィンをすることができたのは初めてのことで、本当に嬉しいです。今週末はアウディ勢が有利かもしれないと思っていたのですが、チームのセットアップやピットのタイミングといった戦略がうまくハマり、4人のドライバーもひとつのミスもなく自分たちの仕事をこなしたことが、優勝に繋がったと思います」

そしてもうひとつの「初優勝」は、今季からスーパー耐久シリーズに参戦する大津弘樹選手だ。翌週にSUPER GTの開幕戦(岡山)を控えている大津選手にとって、ハコのレースで表彰台の頂点に立つのは初めて。表彰式のシャンパンファイトでは先輩ドライバーから祝福の洗礼(!?)を受けていた。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)