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【GT500】富士では序盤に見せ場を作るも、悔しいリタイア

すっかりゴールデンウィークの風物詩となった、スーパーGT第2戦・富士ラウンド。名峰富士山の麓で行われるこのレースは、季節に関係なく天候に影響されることが多いが、今回もまた様々なスケジュールが変更されるレースとなった。

今回、富士スピードウェイで開催されるスーパーGT第2戦のレース距離は500km。110周という長丁場であるため、各チームには2度のピットインが義務付けられ、そのピットインの際には必ずドライバーチェンジも行わなくてはならない。

つまり最低でも3スティントで、ドライバーは連続走行ができないため、スタートの第1スティントを担当したドライバーがゴールの第3スティントを走ることになる。

予選が行われた5月3日木曜日、前夜に降った雨は上がったものの、富士スピードウェイ全域は濃霧に覆われ、サポートレースを含む全ての走行がキャンセル。スーパーGTの公式練習も中止となった。

正午を過ぎると空は明るくなり、急遽30分のプラクティスが設けられた。その後に行われた予選は、通常のQ1・Q2のノックアウトではなく、20分間の一般的な予選タイム計測方式に変更となった。

予選に挑む#64 Epson Modulo NSX-GT。こちらはマットブラックのModuloホイールを装着する

ホンダ勢は予想以上に上がらない路面温度にも苦しみ、#16 MOTUL MUGEN NSX-GTの6位が最上位グリッド。ベルトラン・バゲットが予選アタックを担当した#64 Epson Modulo NSX-GTは12位。そのほか、#100 RAYBRIG NSX-GTが11位、#8 ARTA NSX-GTが13位、開幕戦で優勝した#17 KEIHIN NSX-GTは14位となった。

決勝のグリッドガールはModulo Smileの生田ちむちゃんが担当。34号車のグリッドとコスチュームが一部異なっているのがわかるだろうか

スタートはベルトラン・バゲット選手が担当。前日の予選より気温・路面温度とも上昇しており、これがタイヤにもマッチ。レース序盤は大きな混乱などなくクリーンに進行したが、そんななか前を行くライバルたちを次々とパス。一時は7位にまで順位を上げる。

しかし第1スティントも中盤に入る12周を越えたあたりからタイヤのグリップが低下し始め、ブリヂストン製タイヤを履くホンダNSX-GT勢を抑えることができず、先行を許してしまう。

その後は10位まで順位を下げてしまい、32周目にピットインして松浦孝亮選手にドライバーチェンジ。タイヤは4本とも交換し、フレッシュな状態で上位のマシンを追撃していたが、47周目にヘアピンでGT300クラスのマシンをオーバーテイクする際、2台は接触。#64 Epson Modulo NSX-GTはスピンを喫してしまう。

懸命にコース復帰を試みる松浦選手だったが、クラッチトラブルによりマシンは走行することができなくなり、残念ながらリタイアとなってしまった。

中嶋 悟総監督
レース序盤はすばらしい走りを見せてくれましたが、第1スティントの後半はちょっと苦しくなってきました。ただ3スティントある長丁場なので、ここから巻き返しをと考えていた矢先にレースアクシデントに見舞われてしまいました。チームにとっても久しぶりのリタイアだし、気持ちを切り替えてやっていきます。次戦は昨年に良い思いをした鈴鹿なので、またみんなで喜べるようなレースがしたいと思います。

ベルトラン・バゲット選手
予選ではちょっと苦しんだけれど、決勝レースはスタートもうまくいき、序盤は本当に楽しく走ることができました。7位までポジションを上げられたことは良かったけれど、タイヤグリップが落ちていったあとは、コースのなかに留まっているのがやっとという状態でした。でも、こういうレースもあります。次戦の鈴鹿では良いレースをします。

松浦孝亮選手
今回は天候により走行時間が少なくなったことも響き、タイヤとクルマとのマッチングがうまくできませんでした。天候の条件はみんな一緒ですが、やはりGT500で唯一のタイヤということは、今日みたいなレースでは苦戦に繋がってしまいます。予選で我々より後方にいたホンダのチームがポイントを獲得しているのは悔しいですが、まだ課題は多いので鈴鹿へ向けてチームと準備したいと思います。

そのほかのホンダ勢は、#8 ARTA NSX-GTの8位が最上位。#100 RAYBRIG NSX-GTが9位で続き、#17 KEIHIN NSX-GTは11位。#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは14位となった。

次戦スーパーGT第3戦は、5月19-20日に鈴鹿サーキットにて行われる。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)