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インディカー第12戦トロント、スコット・ディクソンが制す

2018年のインディカー・シリーズにおいて、唯一のアメリカ国外での開催となるのが第12戦のトロントだ。

カナダ人はモータースポーツ好き。今年はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、ロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、ザカリー・クラマン・デメロ(デイルコイン・レーシング)とカナダ人ドライバーが3人も出場しているので、当然盛り上がり具合は上々。特にヒンチクリフとウィッケンズのふたりはトロント近郊の出身で、優勝を飾る可能性も高いので注目度はかなり高い。

トロントはミシガン州デトロイトからだと200マイル(約320km)強、ニューヨーク州バッファローからなら100マイル(約160km)ちょっとの位置にあるので、アメリカからクルマで国境を越えて観戦に訪れるファンも多い。

予選でポールポジションを獲得したのはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だった。金曜の2回のプラクティスではトップ5に入れていなかったが、直前に雨の降った予選は少々混乱が生じたが、難しい状況を逆に味方につけて今季4回目のポールポジションを獲得。昨年度チャンピオンの彼は、さらに実力を上げている。

しかし、優勝は予選2位だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が手に入れた。金曜のプラクティス2回両方でトップタイムをマークしていた彼は、予選は最後のアタック・ラップでミスを冒してタイム・ロス。マシンの仕上がり具合で実はライバル勢の一段上を行っていたようで、レースではスタートからニューガーデンのすぐ後ろを余裕を持って走行していた。

そのプレッシャーからか、ニューガーデンがリスタートでミスって後退すると、2位以下に大きな差をつけての圧勝を飾った。「マシンが速く、トップに立ってフレッシュな空気を浴びての走りで2位以下を突き放すことができた。チーム、そしてホンダと勝利を喜びたい」とディクソンは話した。

2位には、今年まだ勝利のない2016年シリーズ・チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が入った。今年2回目の2位。「勝てなかったけれど、いいレースを戦えた。残り5戦で勝ちたい」とパジェノーは話していた。

そして3位はロバート・ウィッケンズ。ルーキーイヤーに地元で表彰台は”あっぱれ”だ。そして、先輩チームメイトのジェイムズ・ヒンチクリフもすぐ後ろの4位でフィニッシュ。これにはトロントのファンも大喜びだった。

佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選前のプラクティス3でトップタイムを記録した。デトロイトでの5位フィニッシュ以来、マシンはどのコースでも戦闘力がかなり上がっている。予選は7位だったが、琢磨はスタート直後にパジェノーとロッシをパス。1回目のピットストップの後にニューガーデン、ディクソンの後ろの3番手までポジションアップして見せた。

しかし、リスタートで壁にヒットしたニューガーデンに進路を阻まれ、パジェノーとウィッケンズに先行され、他車との接触からかマシンにも不具合が出始め、67周目にニューガーデンと同じ最終コーナー外側の壁にヒットし、レースを終えた。リザルトとしては22位完走扱いとなった。

アイオワそしてトロントと連戦になったインディカー・シリーズだが、来週末はお休み。一週間のインターバルを挟んで舞台はアメリカ国内へと戻る。次戦の第13戦は、オハイオ州コロンバス近郊のロードコースで行われるホンダ・インディ200アット・ミッドオハイオだ。

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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