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北米でNSX GT3を走らせるMSRチーム代表に聞く


日本国内ではスーパーGTのGT300クラスに参戦しているNSX GT3だが、その車名が示すように車両はFIA GT3規格に基づいた市販レーシングカーである。北米では市販車の販売チャンネルと同様、ACURA NSX GT3としてIMSAシリーズ・GTDクラスに参戦している。

このIMSA GTDクラスにおいて、2017年からNSX GT3を走らせているのがMSR(マイヤー・シャンク・レーシング)だ。元レーシングドライバーであるマイケル・シャンクが自身の名を冠したチームを興し、2018年4月にジム・マイヤー氏を共同オーナーに迎えたことで、チーム名をマイヤー・シャンク・レーシング(MSR)へ改称した。

現在はIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTデイトナ(GTD)クラスに、86号車と93号車の2台のACURA NSX GT3を走らせている。そのチーム代表であるマイケル・シャンク氏に、NSX GT3やキャサリン・レッグについて尋ねた。

今年でIMSA GTDクラスは参戦2年目になる。その前は、13年間続けてプロトタイプで戦っていた。マシンはもちろん、レースでの作戦などもプロトタイプとGTDでは異なるが、レースに臨む私たちの姿勢は変わらない。

自分たちのレースに向けた準備には、自分たち独自のやり方があり、それをNSXでも行なってる。GTマシンでもプロトタイプでも、インディカーであっても同じ基準を適用している。その基準が正しいものであるから、私たちはどのカテゴリーでも高い競争力を発揮できている。

IMSA GTDクラスには、10メーカー近くが参加している。これだけ多くのメーカーが参戦できるのは凄い。カテゴリー、シリーズともに何から何まで素晴らしいが、バランス・オブ・パフォーマンス(BoP)だけは最悪だ。IMSAは大量のデータを収集し、本当に様々な部分の数字を操作して性能を調整している。しかし、その結果、時としてまったく理論的でない結論が導き出されることがあるからだ。

自分たちは性能を上げてもらえる立場にあるのに、どうして逆に下げられなきゃならないのか……ということが起こる。私たちはデトロイトで1-2フィニッシュしたが、そうしたらすぐに10kg増やされた。自分としては、BoPについては考え過ぎて睡眠不足にならないよう注意している。自分たちの力が及ばないことに頭を悩ませても仕方がないからだ。

そのためには、自分たちのやれることをキッチリやらないといけない。与えられた状況で能力を最大限発揮すること。BoPの数字はレース毎に変更されるため、レースの度にマシンの持っている力をすべて引っ張り出すことを目指している。

2018年2月に行われたロレックス・デイトナ24時間レースにおいて、86号車のNSX GT3(キャサリン・レッグ/アルバロ・パレンテ/トレント・ハインドマン/A.J.アルメディンガー)はGTDクラス3位を獲得した

NSX GT3のプログラムは、立ち上がりこそ少し遅かったが、1年目からマシンのパフォーマンスは高く、2年目になってさらに進歩している。1シーズンを戦ったことで、私たちのチームはマシンについての理解が深まった。どのコースに行ってもより速く走れるようになっているおかげで、今年はチャンピオンを狙える位置につけている。

市販モデルのアキュラNSXは素晴らしいクルマで、私も1台買ってオーナーとなった。私自身がアキュラNSXのビッグ・サポーターなんだ。現在世に出ているスーパーカーのうち、ベストと言える1台がNSXだと思う。私の地元オハイオで作られているということも誇りに感じている。NSXが作られているパフォーマンス・マニュファクチャリング・ファシリティは世界最高のレベルにあるものだろうし、働いている人たちがまた最高なんだ。あの人たちこそ私がNSXを買った理由だ。

最後に私たちのドライバーについて話そう。去年から2年続けてドライブしているのがキャサリン・レッグだ。彼女は本当に驚くべき頑張りを見せている。今シーズンは現在(ライム・ロック戦の前)、ポイントリーダーと3ポイント差の2番手につけている。彼女は、私たちがやってくれと頼んだことはすべてこなしてくれる。

キャサリンは確かに女性ドライバーだが、私は彼女をそう見てはいない。私たちの望む結果をもたらしてくれる、優れたプロフェッショナルドライバーだと捉えている。GTマシンでロードコースを走らせたら、現在世界でベストのひとりだ。アグレッシブに走りながら、相手のアタックを巧みに封じ込めるバトルができるドライバーだ。

(interview&text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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