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「レースは家族で楽しむもの」をライムロックで再確認

ホンダ・インディ・トロントとホンダ・インディ200アット・ミッドオハイオの間の週末、コネチカット州のライムロック・パークにIMSAのGTレースを取材しに行ってきた。

オハイオ州クリーブランドからインターステイト80でペンシルベニア州へ。州境を越えたら、よくもまぁこれだけ手付かずの自然が残っているもんだ……という山中を延々と進む。これがアパラチア山脈ってヤツですよ。

ニューヨーク州は、地元産品のプロモーション用にこういう店を州道沿いに出している

来月半ばに来るポコノ・レースウェイに届く前に、インターステイト81で北上して、山間のウィルクス・ベアという小さな町で1泊。翌朝はインターステイト84に乗り換えて東に進み、北上する州道に降りてニューヨーク州へと入った。そして、州境を越えてコネチカットへ。ナビのおかげで楽々目指すサーキットに到着できた。ドライブ時間のトータルは9時間ほど。

ライムロック・パークのメインゲートを示すサイン。さすがに小さすぎないか!? 見逃しちゃうよ

ライムロックパークに来るのは、多分1992年以来だから……25年ぶり。あのころは「山ん中の小さなコース」ぐらいの認識だったけど、今回行って「綺麗なところだなぁ」と大いに気に入った。コースだけじゃなく、あたり一帯が「いい雰囲気」なんだよね。

一車線、なぜか屋根つきの橋も、サーキットの近所で発見

周囲には川が流れ、湖や池も多い。豊かな自然の中に1950年代半ばにオープンしたコース。その時以来、休息日の日曜にはレースを行わない慣習がある。現在、州法では日曜のレース開催もOKになってるんだけど、地元民の意向によりその伝統が守られている。

サーキットの近くにあった鉄道の駅舎(?)

冬は寒くて住めないと思うけど、夏が快適そう。この週末がまさにそういう天候だった。きっと秋も景色が美しいだろう。釣りとかもかなりやれそう。大物トラウトがいそう。これがニューイングランド地方だ。

海沿いもまたいいんだよね、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、メイン州とか。ロード・アイランド州は行ったことがないけど。あと山中のバーモント州も足を踏み入れたことがない。

泊まりは車で90分ほどかかるハートフォードって都会。サーキットの近くには村が点々とあるだけなので。サーキット往復の道も景色がとても良かった。そんな自然愛好派じゃないんだけどねぇ、私。

インフィールドは小高い丘になっていて、その斜面が観客席に。折り畳み椅子、飲み物満載のクーラーボックス持参のファン多し

ライムロックパークはファン・フレンドリー。丘の斜面を使った観戦エリアが実によくできている。多くのファンが折りたたみの椅子などなど観戦グッズを持参していた。

日除けつき、カップホルダーつき、マガジンラックまで備わったレース観戦用折り畳みチェア。価格は70ドルぐらいと意外に安いらしい

「日除けの大きなテントは、他の人の視界を遮らないよう、この線の上のみ設置OK」……といったルールもしっかり守られてて微笑ましかった。

老夫婦もいれば、子供連れも多い。アメリカでは、レースとは家族で楽しむもの。それを他のサーキット以上に強く感じさせられたライムロック・パークだった。

丘のてっぺんにはローカル・ビール工場の出店。近ごろ流行りのIPAもあった

ローカル・ブルワリーが自家製ビールを売っていて、観戦エリアの上のパーキングでは愛車の自慢大会が開催され……と、清々しい青空の下、こぢんまりしたサーキットでみんながのんびりとした週末を過ごしておりました。

アメリカのスポーツカーレースでは、期間中にオーナーズミーティングが開催されることが多い。メーカーあるいはブランド毎に駐車スペースが用意されてることが多いんだけど、さすがアメリカン・スポーツの雄であるコルベットはどこでも多くの台数が集まる


1974年モデルの911カレラもコンペティション仕様とロード・バージョンが並んでました


ポルシェ・クラブ・オブ・アメリカ(PCA)のコーラル(駐車スペース)中央には、997を挟んで綺麗な356Aロードスターが2台並べられた


イギリス車も少なめだけど来場。いわゆる「Big Healey」ですね。どちらもコンディションは驚異的に良好

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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