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インディカー第16戦、佐藤琢磨選手が待望の今季初優勝!!


佐藤琢磨選手(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が、またやってくれました! 2007年以来のインディカーレースとなった、グランプリ・オブ・ポートランド(オレゴン州)で予選20位から優勝!

実に見事な戦いっぷりでした。燃費セーブの作戦でまんまとトップに躍り出ると、終盤戦では強敵を相手に横綱相撲。貫禄すら感じさせるキャリア3勝目でした。

表彰式で優勝トロフィーを掲げる佐藤琢磨。2位はライアン・ハンターレイ、3位にはセバスチャン・ブルデーが入った

もう夏も終わり……といった雰囲気がサーキットに漂っていたのは、ポートランドがオレゴンとワシントンの州境という緯度の高いところにある街だから。それでもレースウィークエンドは3日間とも快晴に恵まれ、日中は心地よいレベルの暑さになっていました。

もう今シーズンも残り2戦のため、注目はどうしてもチャンピオン争いに行きがちですが、ポートランドでのレースはスタート直後の多重アクシデントも大きく影響し、チャンピオン候補たちはレースの主役とはなれませんでした。燃費とスピードを両立させ、レース展開を味方につける力と運が試されるレースとなり、琢磨が勝利を手に入れました。

ポイントリーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、1周目のアクシデントに巻き込まれて後方へ下がり、ポールポジションからトップを快走していたウィル・パワー・(チーム・ペンスキー)もギヤボックスのトラブルで失速。

レースはポイント2番手につけるアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)と、ポイント4番手でタイトルの可能性をまだ残すジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)の戦いになったのですが、レース中盤以降は、スタートから燃費セーブの作戦を徹底した面々が上位に進出。

ルーキーがコースサイドにストップしてしまったタイミングが絶妙で、そのタイミングを利用してピットストップが行われ、トップは琢磨、2番手がライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、3番手がセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)というオーダーに。ベテラン・ホンダドライバー3人によるバトルは、先頭を行く琢磨がその座を保ち切って勝利を飾りました。

「後方グリッドからのスタートだったので、何か人と違うことをしないと上位にはいけない」と燃費作戦で上位を狙う作戦をチームに提案。これが受け入れられて、琢磨は後方からのチャージにトライしました。長いフルコースコーションがないと2ストップは難しい。

スタートから燃費を強く意識して走ろうと意識していた琢磨は、1ラップ目にアクシデントが発生したことで、「これは絶対2ストップで行ける!」と確信。マシンのセッティングも良かったことで燃費良く、そして速く走ることができていた彼は、徐々にポジションを上げて行ったのです。

レース終盤、トップを走る琢磨選手の背後にライアン・ハンターレイが迫る。しかし琢磨選手は巧みにリードを保ち、チェッカーまで走りきった

レース経験豊富な琢磨は、必要な情報はピットとの無線交信で手に入れ、ゴールまでの筋書きを用意。ライバルたちの動向をチェックしつつ、勝利へと一歩一歩進んで行きました。最後はハンター-レイとの一騎打ちとなりましたが、残3ラップでのアタックで彼は琢磨を攻略することはできませんでした。

燃費セーブ、タイヤを労わる走り、それが見事に達成できていたからこそ、最後の最後が強敵とのバトルになったにも関わらず、琢磨は精神的な余裕を持って戦うことができていたようです。見事にレースをコントロール下に置いた勝利となっていたわけです。

「相手がドラフティングを使えないよう、1秒以上の差を保つよう走っていまいた。ライアン(・ハンター-レイ)が速く、ゴール前にアタックして来ることはわかってましたが、最後はミスない走りで逃げ切れました」と、琢磨は自ら書いたシナリオの通りに勝利を飾れて満足気でした。

最後にチャンピオン争いですが、スタート直後にアクシデントに巻き込まれたディクソンは、驚異的粘りで5位フィニッシュ! ロッシはスピードはありながら展開を味方につけられず、8位。ウィル・パワーとジョセフ・ニューガーデンのペンスキー勢は、最終戦で逆転タイトルを手に入れる可能性がほとんどなくなってしまいました。

2018年インディカー・シリーズ最終戦は、2週間後の9月14-15日にカリフォルニア州ソノマで開催されます。チャンピオンになるのはディクソンか、ロッシか。もちろん彼ら以外からウィナーが生まれる可能性も十分。琢磨の2連勝だって十分起こり得ます。期待しましょう!

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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