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2019年モデルのNSX GT3 Evo、ついに発表!!

ホンダの北米におけるモータースポーツ活動を担当しているACURAモータースポーツは、IMSAウェザーテック・チャンピオンシリーズの最終戦が行われているジョージア州アトランタにおいて、NSX GT3 Evoを発表した。

NSX GT3とは、市販モデルのNSXをベースに国際レーシングカー規格であるGT3のレギュレーションに則って制作された市販レーシングカー。アメリカのIMSAシリーズには2016年からACURA NSX GT3として参戦しており、今年2018年は女性ドライバーのキャサリン・レッグがシリーズ2位という成績を残している。

市販モデルのNSXは世界戦略車であるため、ホンダ・ブランドとしてもNSX GT3は販売されており、2017年にはスパでHONDA NSX GT3を発表。その後、マカオで開催されたFIA GTワールドカップでレースデビューを飾った。

2018年には、日本のトップカテゴリーであるSUPER GTにも、#34 Modulo KENWOOD NSX GT3と、#777 CARGUY ADA NSX GT3という2台のマシンが参戦している。

今回、発表されたNSX GT3 Evoは、その車名のとおり進化型のエボリューションモデル。車体外装のエアロパーツだけでなく、エンジンの補機類などにも変更が加えられている。すでにNSX GT3を購入したチームやオーナーには、これらをアップデートパーツとして販売することも予定されており、「Evo化」が可能とのこと。

そんなNSX GT3 Evoだが、外観におけるもっとも大きな変化は、フロントボンネットの左右にエアアウトレットが新設されたこと。さらにフロントの左右フェンダー上にも、タイヤハウス内の空気を輩出するためのルーバーダクトが新設されている。

リアまわりでは、バンパーの左右にダクトが設けられたほか、ディフューザーにも改良が施されたとのこと。これらの改良により冷却効率の改善を目指している。

エンジン自体は3.5リッターV6ツインターボに変更はないが、補機類ではターボチャージャーが新しくなり、スロットルレスポンスやブーストコントロール、またSUPER GTでも課題となっていた燃費効率を向上。空力性能の向上とあわせ、トップスピードがアップしている。

そのほかブレーキまわりではABSのアップデートや、コックピットに装着されるBOSCH製ディスプレイとデータロギングユニットのアップグレードなどが行われている。

GT3マシンはBoPとの兼ね合いもあり、これらの改良がどれだけパフォーマンスを上げるか、またレース結果にどう影響するかの予想は難しいが、燃費やブレーキ性能の向上はレース戦略における自由度を高めることにも繋がるため、より実戦向きの改良ということができる。

NSX GT3の開発を担当するHPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)が、『過去2年間、世界中のレースシーンでNSX GT3を使用してきたカスタマーからの情報を分析して改良を行った』と語るだけに、その実力は注目だ。前述のように、このNSX GT3 Evoへはアップデートキットも用意されるようなので、SUPER GTでもその姿を見られることは間違いないなさそうだ。

2019 NSX GT3 Evo
SPECIFICATION
□全長×全幅:4612×2040mm
□ホイールベース:2630mm
□トレッド(F/R):1715/1687mm
□車両重量:1240kg
□エンジン形式:V型6気筒DOHCツインターボ
□総排気量:3501cc
□ボア×ストローク:91.0×90.0mm
□変速機:XTRAC製6速シーケンシャル
□サスペンション型式(F/R):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
□ショックアブソーバー:SACHS製5wayアジャスタブルダンパー
□ブレーキ(F):ブレンボ製6ポッドキャリパー+390×34mmローター
□ブレーキ(R):ブレンボ製4ポッドキャリパー+355×32mmローター
□ホイールサイズ(F/R):18×12/18×13

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)