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【GT300】Modulo KENWOOD NSX GT3は14位で終幕


2018年11月10-11日の両日、今シーズンの最終戦となるSUPER GT第8戦がツインリンクもてぎにて開催された。例年同様、最終戦は全マシンがウェイトハンデ無しのガチンコ勝負。

さらに今回は、GT500クラスにおいて100号車RAYBRIG NSX-GTと8号車ARTA NSX-GTがシリーズチャンピオンの可能性を残して挑むとあって、予選日から大勢の観客がつめかけた。

11月10日の土曜日に行われた予選は、前日に降った雨もあがりドライコンディションの路面で行われた。気温も22度まで上がり、日中は半袖でも過ごせるほど。34号車Modulo KENWOOD NSX GT3は、予選Q1を道上 龍選手が担当し7番手タイムを記録。Q2は大津弘樹選手が担当するも、思いのほかタイムが伸ばせず9番手から決勝に臨むこととなった。

翌日の決勝も天候は晴れ。ただし気温は前日よりもやや低く、またチェッカーフラッグが振られる夕刻には気温の低下が予想されていたため、各チームともタイヤ選択やピット作戦に頭を悩ませることになった。

決勝レースを控えたグリッド上では、ホンダにとって久しぶりのGT500チャンピオン獲得が期待されるレースということもあり、本田技研工業の八郷社長をはじめ錚々たるメンバーが来訪。観衆の数も過去最高を記録するほどで、スタート前から盛り上がりはクライマックスに達しようとしていた。

そして栃木県警のGT-RとNSX、白バイに先導されてフォーメーションラップがスタート。その後、定刻どおりに250kmの決勝レースがスタートした。34号車のスタートドライバーは道上選手が担当。9番グリッドから大きな混乱もなくスタートするも、ペースが上がらない。

序盤からブレーキが思うように聞かないというトラブルに見舞われ、ストップ&ゴーのレイアウトであるツインリンクもてぎではコーナー進入の際に後方から攻めてくるマシンに対して防戦一方。ソフトタイヤのグリップも活かしきることができず、徐々にポジションを下げていってしまう。

苦しいスティントとなってしまった道上選手は、ほぼミニマムの周回数となる16周目にGT300勢のなかでもっとも早くピットイン。タイヤを4本とも交換するとともに、大津選手へとドライバー交代。26番手でコースへと復帰した。

第6戦SUGO、第7戦オートポリスと鬼神の追い上げを見せた大津選手だったが、道上選手の走行中から発生していたブレーキトラブルは変わることなく、思うようにペースを上げることができない。レース終盤はGT500だけでなくGT300勢にも成すすべなくポジションを下げてしまうこととなり、14位でチェッカーを受けた。

レースを終え、ピットに戻ってきた大津選手はとても悔しそうな表情。決してマシンとの相性が良いサーキットではないとはいえ、事前の公式テストで見えたセッティングの方向性や後半戦の好調さから、2戦連続となる表彰台を目標としていただけに悔しさの残るリザルトとなった。

とはいえ今季からチーム・Modulo DRAGO CORSEを結成し、日本国内に初お目見えとなるNSX GT3でGT300に初参戦した34号車Modulo KENWOOD GT3は、第5戦富士での大きなアクシデントを乗り越え、第6戦(SUGO)では4位、第7戦(オートポリス)では3位表彰台を獲得。今シーズンのポイントランキングは14位となったが、それ以上の大きなインパクトを残したといえるだろう。

まだ来季の参戦体制などは明らかになっていないが、2019年モデルからはNSX GT3も大きな飛躍を遂げ、NSX GT3 Evoへと進化。ターボチャージャーやABSにも手が加えられており、燃費やブレーキング時の安定性といった部分の改善がアナウンスされている。

今季、NSX GT3が武器としていたストレートスピードの高さに加え、これらが改善されることでさらなる戦闘力アップを達成できれば、表彰台の真ん中に立つ日も決して遠くはないだろう。今後も34号車Modulo KENWOOD GT3の活躍に期待したい。


道上 龍選手
「レース序盤は良いペースで走れていたのですが、途中からブレーキが効かなくなるトラブルが起こり、無理できない状況の中でポジションを落としてしまったのは残念でした。タイヤは懸念していたリアタイヤより、フロントが厳しい状況となり、予想外のバランスに苦戦することとなってしまい、思ったように対応できませんでした」
 
「今年は新規チームとしてGT300に参戦し、以前からお世話になっていた多くのスポンサー様からご支援を頂くことができました。こうしてまたSUPER GTに戻って来ることができ嬉しく思います。心より感謝しています。そのぶん結果に残さなければと強く思いながら過ごした一年でした。皆さんのおかげで表彰台に上ることもできました。チーム代表とドライバーを兼任するという形も、シーズンが進むにつれ両立がスムーズにできていたと思います。今後はもっと良い結果をお届けできるレースがしていきたいので、引き続きご支援頂けると嬉しいです」


大津弘樹選手
「担当した後半スティントは4輪を交換した後だったので、最初の4周頃まではグリップ感を感じて走行できていました。しかし徐々にリアタイヤがグリップを失っていくのを感じ、状況が難しくなってきていました。ブレーキのトラブルもあり、できる限り後方からのマシンをブロックしながら応戦しましたが、ポジションダウンしてしまうこともありました。GT500との混走をうまく使いバトルをすることもありましたが、全体的にはペースは良くなかったと思います」

「今シーズンの応援、本当にありがとうございました。自分にとって初めてのSUPER GT参戦でしたが、とても良い環境の中でレースをさせてもらえました。今年は吸収する年だと思って臨みましたが、とても伸び伸びとやらせていただき、たくさんのことを学んだ恵まれた年になりました。これからも引き続き応援よろしくお願いします」


チョン・ヨンフン監督
「予選を終えたあとの感触は悪くなく、今日の決勝前に行われた20分間のウォームアップ走行で使うタイヤの選択やピットインのタイミングなどの戦略が固まりました。今回はスタート直前のグリッドで大きな変更を行うことはなく、少しの調整だけを加えました。しかし道上選手のスティントでブレーキトラブルが発生し、ミニマムの周回数で大津選手に交代しました。前半はソフトタイヤでしたが想定していたよりも性能を発揮せず、大津選手のときは急きょミディアムタイヤに変更しました。できる限りのことをしましたが、決勝は悔しい結果となりました」

「今シーズンはたくさんのことがありましたが、最終戦を終えてみると選手の成長も著しく、チームとしてとても成長できた年になったのではないでしょうか。それだけに最終戦はもっといい結果で締めくくりたかったのですが、その目標は今後に持ち越して、引き続き良いチームを作っていきたいと思います」
 
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)