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【動画】ホンダ独創の4駆システム『SH-AWD』が15周年!!

ホンダが2004年に発売したレジェンドに初搭載された4輪駆動システム「SH-AWD(Super Handling All-Wheel Drive)」は、今年で市販化から15周年を迎えた。そこでホンダそしてSH-AWD搭載車を数多くラインナップするアキュラは、SH-AWDの優れた性能と歴史を紹介するプロモーションムービーを製作、公開した。

ホンダおよびアキュラの各モデル向けに開発されたSH-AWDは、前後輪に駆動力を配分するだけでなく、後輪左右の駆動力を自在にコントロールする世界初のシステム。フロントに搭載されたエンジンからの動力は、プロペラシャフトを介して後輪へと伝えられるが、センターデフを持たず電磁クラッチにて左右後輪の駆動力を調整する。

日本国内向けモデルでは、2004年に登場した4代目レジェンドに初搭載。CFRP製プロペラシャフトを搭載したことでも話題となった。北米市場でもアキュラ・RLとして市販されている。

2007年モデルのアキュラMDX

その後はアキュラ・ブランドの各モデルを中心に搭載車種が拡大し、進化した第2世代のSH-AWDがMDX(2007-2015MY)、RDX(2007-2012MY)、TL(2009-2014MY)、そしてZDX(2010-2013MY)に採用された。

2015年モデルのアキュラTLX

SH-AWDはさらに進化を続け、第3世代のシステムが現行モデルのMDX(2016-)そしてTLX(2015-)に搭載。そして2019年モデルのアキュラRDXでは、さらにレスポンスを高めるなどした第4世代のSH-AWDが搭載されている。

2019年モデルのアキュラRDX A-Spec

このSH-AWDはフロントに搭載したエンジンからの動力をリアへと伝える機械式AWDの発展形だが、ハイブリッド・システムと組み合わせた電動式SH-AWDが『Sport Hybrid SH-AWD』である。

2014年モデルのアキュラRLX Sport Hybrid。日本では5代目レジェンドとして発売された

5代目レジェンド(アキュラRLX)に初搭載されたSport Hybrid SH-AWDは、フロントに横置き搭載されるエンジンにひとつ、リアには左右それぞれにモーターを内蔵するツインモーターユニット(TMU)を組み合わせる。フロントはエンジンあるいはモーター、リアはモーターのみを動力とするAWDシステムである。

2014年モデルのホンダ・レジェンド。車体中央にプロペラシャフトは存在せず、後輪の動力は左右のモーターが担当する

レジェンドに搭載されたSport Hybrid SH-AWDを、前後ひっくり返したと言っていいのがNSXに搭載されるシステムだ。NSXはエンジンを運転席背後にミッドシップマウントするため、リアをエンジン+モーター、フロントを左右に内蔵されたモーターが担当する。

2016年に発売された第二世代NSX。Sport Hybrid SH-AWDを搭載する

現在、SH-AWDはアキュラ・ブランドを中心に搭載されており、アキュラ6車種のうちILXを除く5車種にSH-AWDあるいはSport Hybrid SH-AWDが組み合わされる。そして2019年後半にも、SH-AWD搭載車は世界販売100万台を突破する見込みとのこと。

ただSport Hybrid SH-AWDを搭載するレジェンドやNSXを購入できる層は、車両価格的にも限られていると言わざるを得ない。そしてホンダの日本国内ラインナップには、SH-AWD搭載車が設定されておらず、その進化を味わうことができないのは残念なところ。

2007年1月~2013年10月まで販売されたエリシオン プレステージ

高級ミニバンのエリシオン・プレステージがもし存続していたら、SH-AWDとの組みあわせは非常に魅力的な気もするけれど……。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)