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【NAIAS18】シビックSiセダンはフェリオSiRの再来か!?

海外のモーターショー取材では、お目当てとなる「世界初披露のクルマ」はもちろんだけど、ふだん日本国内では目にすることのない現地仕様のモデルをじっくり見られることも楽しみのひとつ。2018年のデトロイト・ショー取材でのそれは、シビックSiセダンだった。

シビックSiといえば、今なお人気の高い三代目シビック「ワンダー」の時代に日本モデルに設定されたグレードで、当時は1.6リッターDOHCのZC型エンジンを搭載。そしてほぼ同時期に北米仕様シビックにもSiは設定されたが、こちらは1.5リッターSOHCを搭載していた。

その後、日本仕様シビックのスポーティグレードはSiR/SiRⅡ、さらにタイプRへと変更されていくが、北米仕様ではSiの名称が受け継がれ、現行シビックにも設定されている。

現行シビックSiは、先日のロサンセルス・オートショーにも出展されたSiクーペとSiセダンの2モデル。エンジンは1.5リッター直噴ターボで、両車ともエンジンスペックはまったくの同一。最高出力205hp/5700rpm、最大トルク192lb-ft/2100-5000rpmを発揮する。

ホイールベースと全幅はどちらも106.3インチで変わらないが、全長と全高はSiセダンの方がわずかに大きい。タイヤサイズも235/40R18で同一だ。

外観では前後バンパーがメッシュグリルの備わるダクト風デザインとなるほか、マフラーはセンター出しタイプを採用。テールエンド周囲にはクーペSiと同じく逆台形のメッキモールが備えられる。リアトランクにはウイングスポイラーも標準装備だ。

トランスミッションは6MTのみで、インテリアはブラックとレザーのコンビで統一。シートには前後ともレッドステッチが配される。フロントシートはヘッドレスト一体式のスポーツシートで、バックレストにはSiのロゴが刺繍される。スポーツタイプとはいえサイドサポートはそれほど大きくなく、ホールド性と市街地を中心とした快適性を両立させている。

「世界最速FF」を掲げたタイプRがサーキットを主戦場とするシビックなら、Siクーペ/Siセダンはさしずめ「ワインディング・ベストなシビック」といったところ。さらに4枚ドアと独立したトランクルームを備えるSiセダンの高い実用性については、改めて説明するまでもない。

シビックSiセダン/クーペの車両価格は、どちらも2万4100ドル〜(約266万9000円/1ドル=110.74円換算)。スポーツカー好きも満足できる、手の届きやすい価格帯のドライビングセダン。まるでかつてのシビック・フェリオを思わせるSiセダンは、現行シビックのベストバイモデルかも。アメリカのホンダ・ファンが羨ましいと思わずにはいられない1台だ。

(photo&text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)