【GT500】初夏のGW恒例の富士決戦。64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは3時間レースを13位でチェッカー

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2025 SUPER GT 第2戦(富士スピードウェイ)
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
予選:10位
決勝:13位
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国内最高峰のモータースポーツ、SUPER GTの2025年シーズンがいよいよ開幕! ホンダは昨季よりGT500クラスにシビック TYPE R-GTを投入したが、惜しくも初年度のタイトル獲得はならなかった。マシンの熟成も進んだ今季は、シリーズチャンピオン奪還に期待がかかる。

開幕戦から2週間のインターバルを挟み、もはやゴールデンウィークの恒例イベントとなった感のあるSUPER GTシリーズ第2戦は、5月3-4日に静岡県・富士スピードウェイにて開催された。
大会名が『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』となっているように、この第2戦は3時間という”セミ耐久”レース。開幕戦では1度のみだった義務ピットイン回数が第2戦では2回となり、ドライバー交代のタイミングやタイヤチョイスなど、各チームのレース戦略にも注目が集まった。開幕戦で9位となった64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTはサクセスウェイトも4kgと比較的軽く、表彰台獲得に期待がかかる。

搬入日の5月2日は大雨となったが、公式練習および予選が行われた5月3日土曜日の天候は快晴。初夏らしい過ごしやすい陽気となった。午前中の公式練習から64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは精力的に走行を重ね、1分27秒873を記録する。

午後を迎えて少しずつ気温・路面温度ともに下がりはじめるが、気温19度、路面温度30度という状況下で15時過ぎからGT500クラスの公式予選Q1が開始された。64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは、開幕戦と同じくQ1を大草りき選手が担当。大草選手は1分27秒072をマークし、7番手でQ1を突破する。この予選Q1は、トップから14番手までが1秒以内に収まるという、いかにもSUPER GTらしい大接戦となった。
続くQ2では、Q1で上位を占めたトヨタ勢を中心に1分26秒台の前半までタイムアップ。伊沢拓也選手も懸命にタイムアタックを行うも、1分27秒395で10番グリッドから翌日の決勝に挑むこととなった。

迎えた決勝日、富士スピードウェイは朝から青空が広がった。絶好の行楽日和でもあり、グランドスタンドをはじめ各コーナーに大勢のファンが来場するなか、3時間で争われる決勝レースのスタート時刻を迎えた。

64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーは伊沢拓也選手。スターティンググリッドでライバル車両にトラブルが発生したものの、大きな遅れはなく静岡県警によるパレードラップとフォーメーションラップを終え、セーフティカー(SC)先導でいよいよ3時間のレースがスタート!
スタート時の気温は24度、路面温度38度。いずれも前日よりも上昇したうえ、この日は午後になっても気温はさらに上昇。スタートから20分が経過した時点の気温は28度、路面温度は39度となったことも影響したか、伊沢選手は順調にスタートを切ったもののペースを上げることができない苦しい周回が続く。

ポジションを死守するべく懸命の走りを続けた伊沢選手ではあったが、スタートから30分が経過するころには14番手まで順位を下げてしまう。21周目にはGT300クラスの車両がターン1の立ち上がりでストップするというアクシデントが発生し、フルコースイエロー(FCY)が導入された。
伊沢選手はFCY解除後も粘り強い走りを見せ、38周目終わりにピットイン。12番手まで順位を挽回し、大草りき選手へとドライバー交代を行った。大草選手へドライバー交代を行ってもなかなかペースが上げられず苦しい展開が続き、3時間レースの折り返しとなる1時間30分が経過した時点で64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは13位を走行する。

その後もポジションをキープしつつ、残り1時間となるころ64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは2度目のピット作業を敢行。給油とタイヤ交換を行い、大草選手は交替せずにそのまま連続スティントを担当した。

時間の経過とともに気温・路面温度とも下がっていくなか、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは13番手でチェッカーフラッグを受け、3時間のレースをフィニッシュした。
第3戦は約1ヶ月半後の6月27-28日、6年ぶりの海外ラウンドとなるマレーシア(セパン・インターナショナル・サーキット)で開催される。
中嶋 悟 総監督 コメント

「3時間のレースを走り切ることはできましたが、いろいろな部分で少しずつ遅れを取っていると感じています。ドライバーは2人ともしっかりと役目を果たしてくれました。次戦のセパンに向けて、今回の反省点を生かせるよう準備をしていきたいと思います。今回もたくさんのご声援をありがとうございました」
伊沢拓也選手 コメント

「順位的には厳しいものになりましたが、今回は新しいタイヤを投入したりという挑戦のなかで、いいところも見つかったレースになったと感じています。ラップタイムは周りに比べて苦しかったものの、ピックアップやタイヤのフィーリングに関してはいいものも得られたので、今日の走りが次戦のセパンに繋がるものになればいいと思っています」
大草りき 選手 コメント

「前半の伊沢選手の様子から、結構厳しいだろうということは予想していました。僕が担当した2スティント目では、タイム的には周りに比べてそれほど劣ってはいなかったと思います」
「3スティント目に関しては、2スティント目とは違うタイヤをチョイスしたのですが、タイム的に厳しい状況で終わってしまい、悔しいレースになりました。今回は新しいものを投入していたので、これをトライアンドエラーととらえ、次戦はこれを超えるようなタイヤを作って結果を残したいと思います」
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)