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【STEPWGN Modulo X #5】欧州車の乗り味を思わせる!

スポーティなミニバンなんてナンセンス、と言われていたのは昔のこと。いまや日本ではなく、フォルクスワーゲンなどヨーロッパのブランドもこの分野に参入しつつある。

ミニバンの走りはこの20年ぐらいで格段に良くなった。よって日本だけでなくヨーロッパでもファミリーカーとして使う人が増えてきた。となればスポーティなバージョンが欲しいと思うのは当然の流れだろう。

ステップワゴン・モデューロXに乗ってそんな状況を思い出したのは、このコンプリートカーがヨーロッパ車の方向性に近いと感じたからだ。

なによりもエンジンが効いている。ステップワゴンのガソリンエンジンモデルは、このクラスの国産ミニバンでは唯一、ヨーロッパでトレンドになっているダウンサイジングターボ・ユニットを積んでいる。街中重視という印象があるハイブリッド車と比べると、高速道路や郊外の道で真価を発揮することが分かる。

しかしスタンダードのステップワゴンは乗り心地を重視したシャシーなので、ターボエンジンの能力を引き出すような走り方ではソフトすぎると感じたこともある。その点がステップワゴン・モデューロXは違っていた。

専用設計された脚まわりは、速度を上げるにつれ焦点が合ってくるような印象。低速では硬いと感じた乗り心地は速度を上げるにつれ不満がなくなり、ステアリングはリニアになって、ロールもうまく抑え込まれており、安心してペースを上げていくことができた。

僕を含めてヨーロッパ車を選ぶ人の多くは、高速になるにつれ真価を発揮してくるような走り味に共感を抱いている。ステップワゴン・モデューロXの方向性はそれに近いと感じた。あとは、この走りに見合った専用構造のスポーティ仕様のシートがあれば、目指す世界観はさらにクリアになるはず。今後の進化に期待したい。

(PHOTO:Satoshi KAMIMURA 神村 聖/TEXT:Masayuki MORIGUCHI 森口将之)