Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. MOTORSPORTS
  3. 【S耐】Modulo CIVIC TCRの勢い止まらず、開幕2連勝!!

【S耐】Modulo CIVIC TCRの勢い止まらず、開幕2連勝!!

今年のGWの開幕とともに、ピレリ・スーパー耐久シリーズ2018の第2戦が宮城県のスポーツランドSUGOにて開催された。

現在、スーパー耐久はST-X、-TCR、-1〜5の7クラスにて開催されているため参戦台数がとても多く、サーキットによってはピット設備の数が足りなかったり、また参戦台数の増加により車両クラス間の速度差が安全面での課題ともなっている。

第2戦SUGOでは全クラス合計で54台ものエントリーがあったため、グループ2(ST-4と-5クラス)が4/28に予選&決勝を行うワンデー開催、グループ1(ST-X、-TCR、-1〜3クラス)が土曜日に予選、日曜日に決勝を行うスケジュールでの開催となった。

なお決勝レース時間はいずれも3時間で、各チームとも3名ないし2名がステアリングを握る。

左からCドライバーの大津弘樹選手、Aドライバーの植松忠雄選手、そして今回はアドバイザーに徹した小林崇志選手

97号車Modulo CIVIC TCRのドライバーは、開幕戦と同様に植松忠雄/中野信治/大津弘樹の3選手。今回、小林崇志選手はドライバー登録はされていないもののチームには帯同しており、セッティングや戦略面でのアドバイスを行った。

まるで初夏のような日差しが照りつけた4月28日、Aドライバー(植松忠雄選手)とBドライバー(中野信治選手)の合算タイムで決められる予選において、#97 Modulo CIVIC TCRはクラス5番手を記録。開幕戦の時点で、もともと一発の速さではライバルチームが優勢ではあるものの、今回は前戦での優勝によるウェイトハンデが+25kgとなったことで、マシンのハンドリングや加減速にも影響を与えていそうだ。

走行を終え話し合う中野信治選手と植松忠雄選手。コックピットでは大津弘樹選手が走行に備えている

とはいえ走行を終えたドライバー2人の表情は明るく、また予選グリッドには関係ないものの、Cドライバー予選では大津弘樹選手がトップタイムを記録するなど好調さをアピール。翌日の決勝に向けて、後方から追い上げて上位進出を狙う。

ローリングスタートにより3時間のレースがスタート。予選クラストップの98号車Floral CIVIC TCRを先頭に1コーナーへ進入

4月29日に行われたグループ1決勝は、前日よりさらに気温・路面温度ともに高まり、初夏というより夏を思わせるコンディション。3時間のレース時間において天気が崩れる心配はなさそうだが、ときおり1コーナー方向から強い横風が吹き、ストレートでは強い向かい風となるなかでレースがスタートした。

8台のマシンが出場したST-TCRは、CIVIC TCRが3台(FK8型が2台、FK2型が1台)と、アウディRS3 LMSが4台、そしてVWゴルフGTI TCRが1台というラインナップ。予選でクラス5番手となった97号車は、スタートドライバーを植松忠雄選手が担当した。

レース序盤はスタートから20分ほどで2台の車両がコース脇に停止したこともあり、コース全区間で追い越し禁止&50km/h制限となるフルコースイエロー(FCY)となるなど混乱もあったが、植松選手はステディな走り着実に順位を上げていく。ついにはクラストップに立ち、40周を走行したところで中野信治選手へとドライバーチェンジを行った。

実はこのドライバーチェンジには、今回のレースにアドバイザーとして参加していた小林選手のアイディアがあった。当初は植松選手→大津選手→中野選手の順で走行を予定していたが、すでにクラストップの位置まで上がることができていたため、今後のFCYが出る可能性を考えると中野選手を第2スティントに起用した方がいいと判断。

スタンバイをしていた大津選手は引き続きピット待機となったが、中野選手が走行している間も小林選手が大津選手に声をかけ続けるなど、ドライバー心理を理解しているからこその動きでチームを支えた。

中野選手は39周を走ると、大津選手へとドライバーチェンジ。ピットインのタイミングにより、直後にライバルを従える展開となったが、大津選手は落ち着いた走りで後続との差をジリジリと広げていく。

そして3時間のレースを無事に走りきり、見事にクラストップチェッカー! 終わってみれば、レース序盤にクラストップを奪った後はその座を譲らず、後続に約15秒の差をつけて優勝! 開幕戦に続いて2連勝を飾った。

これまで決勝レースで強さを見せている97号車Modulo CIVIC TCR。第3戦は6月2日〜3日に行われる『富士SUPER TEC 24時間レース』となる。基本的にスプリントレース用の規格であるTCRマシンにとって、24時間耐久は未知の領域。さらに97号車は第2戦の優勝によりウェイトハンデが計+50kgとなり、タイヤやブレーキへの負荷も高まるため、これまで以上に白熱したレースとなることは間違いない。

僚友の98号車とも激しいバトルを展開。予選でクラストップを獲得した98号車だったが、マシントラブルもありクラス5位でフィニッシュ

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)