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ナイトレースのテキサス、ディクソンが今季2勝目を飾る

インディカー・シリーズは早くも第8戦を迎え、高速&ハイバンクの1.5マイル・オーバル、テキサス・モータースピードウェイにやってきた。

酷暑の日中に行われた予選では、チーム・ペンスキーが1-2-3。2連続ラップの平均220.613nmphをマークしたジョセフ・ニューガーデンがポールポジションで、2位はシモン・パジェノー、3位にウィル・パワーと続いた。インディ500同様にシボレー優勢か? というとそうでもなく、エド・カーペンター・レーシングの2台は14位、18位と不発だった。

ホンダ勢ではルーキーのロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が4位。5位にセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バッサー・サリバン)がつけた。

シボレーのトニー・カナーン(AJ・フォイト・レーシング)を挟み、7位がスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)で、8位はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、9位が佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、10位がライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)と、要するにペンスキーvsホンダ勢。


 
土曜日の夜7時45分過ぎ、それでも気温34度の中でレースはスタート。ニューガーデンがトップを保つ。しかし、それも束の間、タイヤが熱を持ち過ぎ、トレッドが剥離して緊急ピットイン。パワーも同じ症状で苦戦を強いられた。

パジェノー、パワーを抜いたウィッケンズがトップを走る。しかし、レースが進むに連れてディクソンの優位が明らかに。パワーはルーキー、ウィッケンズはカーペンターと絡んでクラッシュ、リタイア。ライバル勢の脱落もあり、ディクソンのリードはどんどん広がって行った。

ペンスキー勢3人の中から、パジェノーだけはタイヤトラブルを回避する策を発見。2番手に浮上して逆転優勝を狙ったが、4回もチャンピオンになっているディクソンがミスを犯すはずもなく、逆に差を広げて優勝。デトロイトGPのレース1でようやく今季1勝目を挙げたばかりだった彼が、翌週末には2勝目をマークして、一躍ポイントリーダーに躍り出た。

ディクソンの速さの秘密はプラクティス中に行ったタイヤのスクラビング。フルスピードで数周を走り、タイヤ内部の温度を一度十分に高め、トレッドの剥離が起こりにくくなる対策を施していたのだ。そして、ディクソン自身もピットストップ後など、タイヤを急激に温めないよう数ラップはペースを抑えて走る工夫をしていたという。

予選はシボレー=ペンスキーがトップ3を独占したが、レースではホンダユーザーのディクソンが優勝し、3、4、5、6、7、8、9位も占めて形勢大逆転。ホンダの勝ち星は5となってシボレーの4をひとつ上回っている。

3位はロッシ、4位はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が、5位がライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)で、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がスタートから14ポジションもアップして6位フィニッシュ。

佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が7位で、セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バッサー・サリバン)が8位。そして、9位がエド・ジョーンズ(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。

予選9位だった佐藤琢磨は、2スティント目に右リヤタイヤに大きなブリスターができて予定していなかった早めのピットストップ。不利に陥ったがペースは速く、レースの終盤になって土壇場でリードラップに復活。しかし、さらなるポジションアップは難しく、7位でのフィニッシュとなった。

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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