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【GT500】64号車は3戦連続ポイント獲得ならず、11位でチェッカー

開幕から2戦続けて悪天候に見舞われてしまった、2019 SUPER GTシリーズ。しかし5月25日〜26日の両日、鈴鹿サーキットで行われた第3戦はようやく快晴に恵まれ、2日間とも夏の到来を感じさせるほどの暑さのもとでレースが開催された。

昨年から第3戦の舞台となっている鈴鹿サーキットだが、2017年までは「鈴鹿1000km」として8月下旬に開催されるのが恒例だった。その最後の鈴鹿1000kmで優勝を飾ったのが、64号車Modulo Epson NSX-GTを走らせるNAKAJIMA RACINGである。

第2戦の富士が開催されてから3週間後という短いインターバル期間ではあるが、第4戦はSUPER GT唯一の海外ラウンドであるタイ・ラウンドとなるため、シーズン前半の総決算とも位置付けられるレースだ。もちろんホンダ勢にとっては地元レースでもあり、これまで以上に必勝を期して臨む一戦となった。

ここまで2戦連続でポイントを獲得している64号車Modulo Epson NSX-GT。公式予選が行われた土曜日は、朝から夏を思わせる日差しに恵まれ、気温や路面温度が急上昇。予選が開始されるころには気温30度を超え、路面温度は50度に迫るほど。3月にテストを行っているが、そのときとはまったく異なる条件となった。

予選Q1を担当したのは、牧野任祐選手。ウォームアップを終え、走行開始から3周目にアタック開始。午前中に公式練習で記録したタイムを上回る1分48秒150をマークするも、ライバルたちのタイムアップ幅はさらに大きく、15位となった。

予選の走行を終えた牧野選手は、『なかなか安心して攻めることができない。上位のマシンとは差があるが、決勝レースへ向けできるかぎりのことをしてベストを尽くす』と語った。

そして迎えた決勝レースも、夏を思わせる好天に恵まれた。朝から気温はぐんぐんと上昇し、決勝レースがスタートした14時30分時点での気温は30度、路面温度は42度。この暑さのなか、どれだけタイヤ消耗を抑えられるかが勝負の分かれ目と予想された。

64号車のスタートドライバーは、ナレイン・カーティケヤン選手。15番グリッドからスタートしたナレイン選手は、前を追って周回を重ねていくが、予選タイムが示すようにライバルたちとの差が広がっていく苦しい展開となる。

いっぽう前方では、序盤から各所でバトルが展開されるなか、17周目の130Rで23号車がクラッシュ。セーフティカー(SC)が導入された。この時点で64号車は13番手で、決勝を走る各マシンの差はいちどリセットされた。

22周目の終わりにSCはコース外へ。そして23周目からリスタートとなり、ピットもオープン。するとその周の前後で各マシンが続々とピット作業を行い、64号車Modulo Epson NSX-GTもピットへ。ドライバーは牧野任祐選手に交代した。

13番手でコースに復帰した牧野選手は、積極的にプッシュしつつ周回を重ねる。レース後半にはストップする車両やペナルティを受けて順位を下げる車両が現れ、64号車は11番手まで浮上する。

しかしこのタイミングで、64号車Modulo Epson NSX-GTにもピット作業違反の裁定が下され、ピットスルーペナルティを課せられてしまう。ペナルティ消化後は12番手でコースに復帰し、ひとつでも上の順位を目指して追い上げを開始した。

レースも終盤を迎え、気温も路面温度も徐々に低下するなか、コース内各所で激しいバトルが展開。同時にタイヤのトラブルも相次ぎ、残り10周を切ったところで上位マシンにタイヤトラブルが発生し、64号車は11番手に浮上する。ポイント獲得まであと1歩に迫るが、惜しくも及ばず11位でチェッカーを受けた。


中嶋 悟 総監督コメント
「厳しいレースでした。チームの作業違反もあり、それも足を引っ張ることになってしまいドライバーには申し訳ないことをしてしまいました。次戦はGT唯一の海外戦となりますが、気を引き締めて全力で臨みたいと思います。暑い中、たくさんのご声援をいただき、本当にありがとうございました」


ナレイン・カーティケヤン選手コメント
「車両はレースでは少し良くなりましたが、ドライブスルーのペナルティーを受けてしまい、残念ながらポイント圏外でのフィニッシュでした。引き続き頑張って、次戦のタイに向けて改善していきたいと思います」


牧野任祐選手コメント
「満足には程遠い内容で、大きな課題がのしかかっていて辛いレースでした。今回も暑いレースでしたが、次戦のタイは更に暑くなり、かなり厳しいレースになると思います。今回駄目だったところを整理して、次に向けて頑張りたいと思います」

次戦第4戦は、SUPER GTで唯一の海外ラウンド。6月29日〜30日に、チャーン・インターナショナル・サーキットで行なわれる。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)