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【2019PPIHC】パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの予選が終了

今回で97回目を数え、2019年6月30日(日)が決勝となる「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」が開幕した。

パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、アメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇るパイクスピークという山を舞台に1916年から開催されているヒルクライムレース。競技に使われるコースは、パイクスピーク頂上に向かう山岳道路「パイクスピーク・ハイウェイ」の一部である。

【動画】北米ACURAが今年もパイクスピークに参戦。マシンは625hpのNSXほか

そのスタート地点は標高2862m。約20km先のゴールとなる頂上までに156のコーナーを持ち、その標高差は約1500mとなる。ゴール付近では酸素が薄く、エンジンの出力は約30%低下するといわれている。

今年のパイクスピークは6月24日(月)の車検日から公式スケジュールはスタートし、25日(火)からの3日間にわたって練習走行&予選が行われた。この練習走行及び予選は、その20kmの競技区間をボトム、ミドル、アッパーの3つのセクションに分け、エントラントも2輪部門と4輪部門を2つにグループ分けした合計3グループが、それぞれのセクションを入れ替えながら走行を行うこととなる。

この走行セッションは、日の出前の午前5時半から、このパイクスピーク・ハイウェイの営業が始まる30分前の午前8時半までの3時間の走行時間となる。この時間に一台ずつがアタックをし、全車がセクションのゴール地点に上がったら、セクションのスタート地点まで一斉に降り、そこから再びワンカー・アタックを繰り返す。ちなみにボトムセクションの走行は、そのまま予選セッションともなって、このボトムでのトップタイムを出したものから決勝レースの進行が決められる。

今年もロビンソン・ブラザーズが率いるホンダの社内チーム、さらにはホンダエンジンを搭載したオープンホイールマシン、そして日本でも記録を作ったシビックのタイムアタッカーまで、パイクスピークへ挑戦している。

まず、今年の予選トップタイムを出したのが、アンリミテッド・ディビジョンのロビン・シュート選手(#49 2018年式 Wolf TSC-Honda)。タイムは3分31秒047である。そして、ピレリワールドチャレンジに出場しているTLX GTを持ち込んでいるピーター・カニンガム選手(#42 2019年式 Acura TLX GT)が3分51秒770で予選3番手を記録した。

昨年オーストラリアで開催されているWTAC(World Time Attack Challenge)に参戦、その後今年2月に筑波サーキットで開催されたタイムアタックイベント「GOODRIDE presents Attack Tsukuba 2019」において筑波のFF最速レコード(53秒071)を樹立したカナダのウイリアム・オゥーヤン選手(2012年式 Vibrant Civic)は、予選セッション時にパワステが壊れ、残念ながらタイムに結び付かず4分17秒876で16番手スタートとなった。

そして過去6年にわたりパイクスピークへ参戦を続けている、ホンダR&Dのメンバーを中心とした社内チームは、今年もジェームズ・ロビンソン選手(#902 2019年式 Acura NSX)、そしてニック・ロビンソン選手(#173 2017年式 Acura NSX)のロビンソン兄弟を中心に、4台体制で参戦する。

ロビンソン兄弟はともにタイムアタック1クラスに参戦するが、兄のニック選手が駆るNSXは基本的にはノーマルの2016年式NSXで予選13番手(4分16秒154)。一方、ジェームス選手のNSXは、大幅な軽量化と、エアロパーツを更新している。このジェームス選手は9番手(4分5秒847)。

昨年RDXでこのパイクスピークに初参戦を果たしたジョーダン・ギター選手(#735 2019年式 Acura MDX)はMDXで参戦(5分6秒462/予選47番手)。そしてRDXにはスティーブン・オロナ選手(#722 2019年式 Acura RDX)が乗り込み4分58秒957で43番手からスタートする。

ホンダは2013年から常にオフィシャルペースカーを提供しているが、今回もアキュラNSXが登場。こちらには、これまでパイクスピークで6度のタイトルを獲得し、現在もタイムアタック2プロダクションクラスの記録保持者(10分26秒896/2016年/2014年式ポルシェ911ターボS)であるデイビッド・ドナー氏が乗り込むこととなる。

チームのすべての車両は、昨年からカラーリングを一新。今回もアキュラのヘッドデザイナーのデイブ・メリック氏がデザインしたカラーリングが施されている。

(photo&text:Yoshiaki AOYAMA 青山義明)