Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. MOTORSPORTS
  3. 【S耐】97号車Modulo CIVIC TCRは逆襲の2連勝! 2年連続シリーズチャンピオンは絶対に諦めない!!

【S耐】97号車Modulo CIVIC TCRは逆襲の2連勝! 2年連続シリーズチャンピオンは絶対に諦めない!!

全6戦で争われる、2019年のピレリ・スーパー耐久シリーズもいよいよ終盤戦を迎えた。第5戦の舞台はツインリンクもてぎ、5時間の耐久レースである。

昨シーズン、ST-TCRクラスのシリーズチャンピオンを獲得した97号車Modulo CIVIC TCRは、不運も重なって前半戦の3レースを不本意なかたちで終えてしまい、2年連続戴冠のチャンスは潰えたかに思えた、しかし第4戦オートポリスで復活の優勝! その勢いをそのままに、ツインリンクもてぎへと臨んだ。

しかしレースウィークの開幕を前に、Modulo CIVIC TCRに試練が訪れる。9月11日付けでTCR車両に関するBOP(Balance of Performance)が発表され、ホンダCIVICとアウディRS3の最低重量が変更された。なんとCIVICは、RS3より100kgも重い状態で残り2戦を戦わなければならない。シリーズチャンピオン争いのライバルに対して100kgの車両重量アップはかなり厳しいハンデだ。

そして迎えた予選、やはり車重増加の影響は大きく、CIVIC勢のスピードは伸びない。予選はAドライバーとBドライバーのタイムを合算して順位づけされるが、TCRクラスの予選トップ3をアウディRS3が独占。97号車Modulo CIVIC TCRは4位となった。

決勝レース日も晴天に恵まれ、夏を思わせる気温により路面温度も上昇。雨の心配はなさそうだが、ツインリンクもてぎはブレーキに厳しいサーキットであるだけに、5時間のレース距離を考えると序盤は無理をせず、マシンを労わりながらの走行が予想された。

そして午後12時4分、5時間の耐久レースがスタート。TCRクラスは、クラスポールを獲得した65号車Phenomen Mars Audi RS3 LMSを先頭に1コーナーへと飛び込んでいく。レース序盤は、3台のアウディRS3が順位を入れ替えながらTCRクラスをリードする。

97号車Modulo CIVIC TCRは、まずは自分たちのペースを保つことに注力し、10号車IDI GOLF GTI TCRにも先行を許し、TCRクラス5番手を走行する。

レースも2時間30分を過ぎ、折り返し地点を迎えるころには各チームとも2度目のピット作業を終えていたが、97号車は他車よりも2スティントめを長くとる作戦。すると約15分後、2時間45分経過時点で、2度目のFCY(フルコースイエロー)が導入される。ここで97号車はすかさずピットインし、2番手までポジションを上げる。

その後に97号車は3度目のピット作業を行い、大津弘樹選手にドライバーチェンジ。この時点でのTCRクラストップは、22号車のアウディRS3だ。2台のマッチレースという様相を呈するなか、大津選手はみごとに22号車を攻略してトップに浮上する。

その後も大津選手はスロットルを緩めることなく、4人のドライバーのうち最多の38周を走行して2戦連続のトップチェッカー。2位の22号車も同じ131周を周回したが、1分20秒以上の大差をつけるまさに圧勝だった。3位には33号車のアウディRS3が入っている。

この結果により、97号車のシリーズランキングは79ポイントとなり、2位に浮上した。しかしランキングトップの10号車が79.5ポイント、2位の97号車が79ポイント、そして同じく79ポイントで45号車が並び、4位の19号車が76.5ポイントとなっており、シリーズタイトルの行方は予想がつかない。

シリーズ後半の2連勝により、一気にシリーズランキングを上昇させた97号車Modulo CIVIC TCR。一時はがけっぷちまで追い込まれたシリーズチャンピオンも、手の届きそうな位置に見えてきた。

3メーカー4台のガチンコ勝負となるスーパー耐久の最終戦は、11月10日に岡山国際サーキットで開催される。97号車Modulo CIVIC TCRの、逆転でのシリーズチャンピオン獲得はなるだろうか!? 注目したい。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)