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【TAS20】21年目の進化論。開発者とオーナーの想いが結実した、ホンダアクセスのS2000用パーツがアツすぎる!!

クルマ好きにとって年始のお祭りともいえるビッグイベント、「東京オートサロン」が2020年1月10日に開幕。数々の魅力的なカスタムカーやニューモデルが発表・展示されるなか、ホンダの純正アクセサリーを開発・販売するホンダアクセスは、北Hall9にModuloブースを出展。数々の魅力的な車両を披露した。

なかでもオートサロンの開幕前から話題となっていたのが、『S2000 20th Anniversary Prototype(S2000 20thアニバーサリー・プロトタイプ)』である。

ベースとなったモデルはS2000の初期型であるAP1-100。この初期型を選択したのにも理由があった

1999年4月に販売が開始されたS2000は、途中いくどかのマイナーチェンジを重ねながら、2009年8月まで約10年に渡って生産されたFRオープンスポーツ。2019年には誕生から20周年を祝うイベントが大々的に行われ、今なお多くのオーナーから支持を集めるモデルだ。

そんなS2000も生産終了から10年が経過し、特に初期モデルを中心に供給が停止した純正パーツも少しずつ現れている。そこでホンダアクセスでは、このホンダの歴史に残る名車を今後も長く乗り続けることができるようにと、パーツ開発の企画がスタートした。

開発にあたっては『S2000オーナーが本当に求めているモノ』を具現化するため、S2000オーナーへのヒアリング取材が重ねられた。まさに作り手(メーカー)と市場(オーナー)、双方の『想い』を結実すべく開発された製品といえる。

ブース内の壁面には製品ラインナップのほか、開発プロセスが写真にて紹介されている

20th Anniversaryシリーズとして開発されたパーツは、フロントエアロバンパーやリアストレーキ、トランクスポイラーといったエアロパーツのほか、内装ではオーディオリッドやフロアカーペット、フットライト。さらにスポーツモデルならではの、Moduloスポーツサスペンションもラインナップされる。

詳細は2020年2月20日に発表予定とのことだが、いずれもS2000オーナーなら感涙モノの、オーナーにとってはドンズバの、開発者にとっては拘りが詰まった製品ばかり。ホンダスタイルwebでは、この開発者の想いが詰まった製品たちをどこよりも詳細に紹介しよう。

フロントバンパーは完全新形状のデザインを採用。グロスブラックにペイントされたバンパー下部には、ベースモデルと印象を同じくする逆台形の開口部を備え、その左右に前方からの風を斜め下方へ導くリブが設けられる。タイヤハウスへ向けてやや膨らむような形状とされているのは、操舵時にタイヤが車体外側へ出た際に、走行風を適切に流すためだという。

フロントノーズは、フェンダー上から延びる嶺のラインを生かしながら、空力性能を追求して約24mm延長されている。フロントナンバーが装着される高さ位置は、ベース車両と変わらない。

なお車検上における構造変更が必要となるのは、全長における変更範囲が±30mmを超える場合。つまり本製品は保安基準内の変更であり、車検にもしっかりと対応している。

バンパーにはエンブレムは同梱されず、オーナーはベース車両のエンブレムを流用する前提で開発されている。これはベース車両のバンパーと同等のまとまり感、存在感を楽しんでほしいというホンダアクセス開発陣の想いでもある。そのため展示車両でも、フロントエンブレムやヘッドライトを、あえて初期型AP1-100のものから交換せずに使用している。

ボディサイドには、リアのタイヤハウス前に整流効果を高めるストレーキが備わる。またトランク上には、ダックテール形状のリアスポイラーが装着される。これらはいずれもS2000の発売初期にホンダアクセスがラインナップしていた純正アクセサリーで、生産中止となって久しい現在でも高い人気を誇る製品。オーナーからの要望が多かったことに応えて再生産される。

ボディサイドや下部の空気の流れを整え、タイヤに直接当たることを防ぐことで直進安定性や燃費向上に寄与する

ダックテール形状のリアスポイラー。トランクへは穴を開けて装着する

純正形状のスポーツサスペンションは、以前にラインナップされていた製品を現代のタイヤに合わせた仕様へとリニューアル。ローダウン量は前後とも約10mmで、フロントのみ5段階の減衰力調整機構が備わる(リアは減衰力固定式)。

展示車両のホイールはYOKOHAMA RS-Dで、タイヤはYOKOHAMA ADVAN Sport V105。フロント:215/45R17、リア:245/40R17という、AP1-130型以降の純正サイズが組み合わされる。フェンダーに備わるウィンカーがAP1純正のオレンジとなっているのも、開発陣の拘りだ。

シートはAP1純正をそのまま使用するが、中央部分がアルカンターラ素材に張り替えた特別仕様。よく見ると「S2000 20th Anniversary」のロゴが刻まれている。こちらは残念ながらイベント展示用とのこと。


そしてAP1-100〜120型オーナーなら、思わず「おお!」と声を上げてしまいそうなのがフロアマットだ。AP1-130型以降で採用されたシート下まで続くロングタイプで、全年式のS2000に装着可能な仕様に再設計された。マット表面にはS2000 20th Anniversaryの特製エンブレムが装着されている。

オーディオリッドはAP1-130型以降と同形状ながら、ダッシュボードとイメージを揃えたブラック仕上げ。表面にはS2000のイラストと、下部に20周年のロゴが刻まれる。ワンプッシュでスムースに開閉が行える。

駐車時にソフトトップ部分を保護してくれる、ハーフタイプのボディカバーもリニューアル。カバー本体の形状には変更ないが、カバー表面の処理が進化したほか、収納バッグのデザインが変更された。以前はS2000のロゴが記されていたが、Hマークへと変更されている。

ブースの壁面に用意されたメッセージボード。開場からわずか数時間で、これだけ多くの言葉が寄せられていた

メッセージボードへのコメントは時間の経過とともに増え、3日目の午前中にはこの状態に

今回、S2000 20th Anniversary Prototypeが展示されているModuloブースには、壁面にメッセージボードが用意されている。そこにはパーツ開発を担当したホンダアクセスのメンバーからのメッセージが記され、さらに来場者がコメントを記すことができるスペースも設けられており、オートサロン開幕と同時に多くの人が感謝の言葉を寄せていた。

「このS2000 20th Anniversary Prototypeは、S2000を長く乗り続けて頂いているオーナーの皆様の気持ちに応えたいという、感謝の気持ちから始まったプロジェクトです。私たち開発メンバーもS2000というクルマが大好きで、同じように今度もずっと乗り続けたいと思っています。だから開発段階では多くのパーツを検討し、そのなかから厳選して決定しました」

パーツ開発のとりまとめ役を担ったホンダアクセス開発部の川村朋貴さん(上写真左端)は、開発メンバーの想いを代弁しつつ、こう話してくれた。オートサロン初日からModuloブースは多くの来場者で賑わい、S2000 20th Anniversary Prototypeの周囲には人垣が絶えることがなく、「楽しみに待っています」という声も多く聞かれた。

S2000というクルマを長く楽しみたいという想いがきっかけとなり、メーカーとユーザーという関係よりも、同じクルマを愛する同志のようなかたちから開発がスタートしたS2000 20th Anniversary Prototype。各製品の詳細は、S2000の車名と20周年プロジェクトを組み合わせた2020年2月20日に発表されるが、『お客様にとって現実味の薄い価格設定には絶対になりません』という嬉しい言葉も聞くことができた。

ホンダスポーツを象徴する車名である「エス」の名が与えられた歴史的なモデルの、登場から21年目に迎えたエボリューション。S2000のモデルライフ第2章ともいえる、20th Anniversary Prototypeのラインナップ判明が待ち遠しい。

ホンダアクセス 東京オートサロン2020 出展車両紹介サイト
www.honda.co.jp/ACCESS/events/autosalon2020/

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)