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【TAS20】ミニバンの可能性をさらに拡げるKACHATTO-WAGON (カチャットワゴン)は、ミニバイクレーサーにも最適!?

ホンダ車の純正アクセサリーを開発・販売するホンダアクセスは、2020年1月に千葉県・幕張メッセで開催された「東京オートサロン2020」において、『KACHATTO-WAGON(カチャットワゴン)』を出展した。

このカチャットワゴンは、現行ステップワゴンをベースに、新たなミニバンの可能性を提案したコンセプトモデル。現時点での市販予定はなく、あくまでも提案型モデルではあるが、家族向けのミニバンにトランスポーター的な使いかたを組み合わせた1台として、多くの来場者から注目を集めていた。

カチャットワゴンの開発にあたり、原点となったのは『もし助手席のスペースに車いすを載せられたら、ミニバンの使い方がもっと楽しく広がるんじゃないだろうか?』というもの。現行ステップワゴンには、車いすを使用されている方がそのまま乗車できる福祉車両が用意されており、G・Honda SENSINGおよびSPADA・Honda SENSINGの2モデルが販売されている。

この福祉車両の2モデルは、車いすを載せられるように車両後方にスロープが備えられており、テールゲートは下方から開く通常タイプ。車いすを載せる際は、スロープを登って2列目シートの位置に固定する。

今回のカチャットワゴンは『MULTI PURPOSE SLOPE VEHICLE(多用途スロープ車両)』をコンセプトに掲げ、車いすを載せる場所を2列目シートの位置ではなく、本来は助手席のあるスペースまぜ前方に固定することで、車両後半のスペースを自由に活用できる空間とした。

車内を見てみると、まず印象的なのが運転席以外のフロアがフラットに改造されていること。車いす使用者が車両後方から乗り込み、そのまま助手席スペースまで車内を移動できるよう、フロア部分は完全にフラットな設計とされた。運転席後方には脱着式のシートが装着され、その3列目シート部分にはホンダのミニバイク・CRF50Fが搭載されている。

そのほか車内の雰囲気は、ベースとなっているG・Honda SENSINGと大きな違いはない。助手席部分のフロアには、車いすを固定するためのステー他が用意されている。

なお搭載する車いすについてだが、下記写真にも操作部が見えているように自走可能な電動タイプの車いすを想定しており、通常の福祉車両では搭載されるウインチは備えていない。そのぶん、車内空間を最大限に活用しているとのこと。

車いすを使用する人も一緒にアウトドアスポーツを楽しめるなど、様々な使いかたが想像できる『カチャットワゴン』だが、現在のところ市販に向けては様々なハードルがあるとのこと。しかしミニバンの福祉車両が持つ可能性をさらに拡げてくれる1台だけに、ぜひ今後の展開に期待したいモデルだ。

ところでホンダアクセスがステップワゴンをベースにした車載キットといえば、2008年に発売された「ミニバイクトランスポーターキット」を思い浮かべる人もいることだろう。

RG1〜4型のステップワゴンに対応する「ミニバイクトランスポーターキット」は、ミニバイクを積載するためにたたんだ2&3列目シートとホイールハウスを覆うカバー、荷室フロア用マット、テールゲートプロテクター、1列目シートと荷室スペースを分けるセパレーションカーテン、そして専用エンブレムがキットとなっており、ミニバイクレースを楽しむユーザーに好評を博した。

さらにオプションパーツとして、テールゲートを開けた状態でプライベート空間を作り上げるテールゲートタープ、そしてミニバイクを積載する際に使用し、折りたためば脚立や椅子としても使用できるアルミ製マルチパーパスラダーレールが用意されていた。

このミニバイクトランスポーターキットは、すでに販売終了製品となってしまっているが、大きな荷室を持つ現行ステップワゴンの新たな可能性を引き出す製品として、ぜひリニューアルを期待したいキットだ。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)