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2020年モデルのNSXに新色インディイエロー・パールⅡが新設定!(その2)

2020年モデルのNSXにおいて新たに設定されたボディカラー、インディイエロー・パールⅡ。その名称の末尾に「Ⅱ」と付けられているとおり、以前に元祖であるインディイエロー・パールというカラーが存在しており、先代NSXや同じくホンダのピュアスポーツであるS2000に採用されていた。

ただ少しややこしいことに、ホンダの「インディイエロー・パール」には、じつは2種類のカラーが存在する。カラーコードでいうと[Y52P]のインディイエロー・パールと、そして[Y65P]のニューインディイエロー・パールだ。

1990年に登場したNSX。発売初期からイエローのボディカラーは設定されていた。こちらはインディイエロー・パール

NSXの場合、リトラクタブル式ヘッドライトを採用した前期型よりインディイエロー・パールが設定され、固定式ヘッドライトとなった2001年以降にも継続設定。最終モデルとなる2003年10月のマイナーチェンジにて、ニューインディイエロー・パールへと変更されている。

2003年式NSX-T。固定ヘッドライトになってからの後期モデルは、ニューインディイエローパールが設定された

今回は2020年モデルのNSXを撮影するにあたり、2003年式NSX-Tも同時に撮影することができた。2003年式はNSXのモデルライフにおいて最終期にあたるが、前述のように製造時期によって「インディイエロー・パール」そして「ニューインディイエロー・パール」の2種類が存在する。

光の当たりかたで、2台のボディカラーは確かに近似性を感じさせる。撮影車両NSX-Tのボディカラーはインディイエロー・パールのようだ

新旧2台のNSXを並べてみると、あらためて初代NSXのコンパクトさに驚かされる。2台の共通項はV6エンジンをミッドシップに搭載するという点だけだが、それも初代NSXは横置き搭載の後輪駆動、現行NSXではツインターボ化され縦置き搭載し全輪駆動と、基本レイアウトは大きく異なる。

1990年9月に発売された初代NSXは、1992年にNSX−Rを追加。そして1995年3月には、主に北米市場からのリクエストに応える形で脱着式トップを備える「タイプT(NSX-T)」もラインナップに登場した。

日本国内専用モデルだったNSX-Rはやがて生産を終了したものの、北米市場を中心に人気を集めたNSX-TはNSXにおけるもうひとつの「柱」となり、結果的にNSXのモデルライフ終了まで生産が継続された。

取り外したルーフはエンジンリッドの上に前後の向きを入れ替えて収納する。収納時はカバーに覆われるため、外側からルーフは見えない

NSX-Tの特徴である脱着式ルーフは、運転席および助手席の斜め上方(ルーフ内側)にあるレバーを90度回転させることでロックを解除し、外すことができる。NSX-Tはリアガラス下のエンジンリッドが二重構造となっており、外したルーフは前後の向きを入れ替えて二重構造のリッドの間に収納する。

なおNSXのラインナップで、ルーフトップとピラーが標準で同色となるのはNSX-Tのみ。ベースモデルおよびNSXタイプS、NSX-Rはブラックペイントのルーフおよびピラーが標準で、オプションのカスタムオーダープランによりボディ同色とすることができた。

エアバッグ付きのステアリング中央にはHマークが備わる。現在使用されているデザインと異なり、直線基調であることに時代を感じる

1997年2月のマイナーチェンジで、MTモデルは型色名がNA2となり3.2リッターV型6気筒DOHC VTECエンジンと6速MTを搭載。NSX-Tも同様の変更を受けた。その後、2001年12月のマイナーチェンジで固定式ヘッドライトの採用や前後バンパー形状の変更など、外観デザインが大きく変更されている。

電動開閉式ほど手軽ではないものの、ワンタッチでルーフを脱着できオープンエアが楽しめるNSX-Tは、NSXにもうひとつの魅力を与えたといっていい。オープントップ化における重量増を最小限に抑えながら、トランクスペースもまったく犠牲にすることなく実用性を確保している点は、初代NSXに受け継がれるポリシーを感じさせる。

3.2リッター化されたC32Bエンジンはすべて「赤ヘッド」。エンジンルームに備わるA字型アームはNSX-Tの専用装備だ

しかし日本国内におけるNSX-Tは販売台数が多くなく、現在の中古車市場においてもタマ数は少ない。オープンエアを楽しめるグレードという性質上もあってATモデルが中心で、今回の撮影車両のように固定式ヘッドライトの後期型、それも3.2リッターV6を搭載したMTモデルとなると極端にレアな車種となっている。

タイヤサイズはF:215/40R17、R:255/40R17。新デザインのホイールはBBSと共同開発されたもの

そんなNSX-Tを含む初代NSXの全モデルは、2005年に生産を終了。15年に渡るモデルライフで、日本国内市場へは約7500台が販売された。

ところで2001年以降のNSX後期モデルでは、パール塗装は15万円(税別)のオプションカラーとなっていた。インディイエロー・パールはもちろん、2003年10月のマイナーチェンジで設定されたニューインディイエロー・パールも価格は同様である。いっぽう新型NSXのインディイエロー・パールⅡは8万8000円(税込)であるため、価格差は約2倍だ。

2001年式以降のNSX-T(MTモデル)の車両価格は1025万7000円。それに対する+15万円と、新型NSXの車両価格2420万円に対する+8万8000円。このように並べて考えると、初代NSXに用意されたインディイエロー・パールの高級色っぷりに驚かされる。

とはいえ新型NSXには、その上をいく+69万3000円というオプションカラー(バレンシアレッド・パールおよびヌーベルブルー・パール)があるのだけど……

(photo&text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)

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