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フロントサスはダブルウィッシュボーン! アキュラの新型MDXは走りっぷりの良さも追求したラグジュアリーSUVだ

ホンダが北米市場を中心に展開する高級車ブランド「ACURA(アキュラ)」は、ミドルサイズSUVの新型『MDX』の生産をオハイオ州イーストリバティの工場にて開始した。2021年2月より、2022年モデルとして販売が開始される。

アメリカの総新車販売台数のうち、今や約49%を占めるというSUVカテゴリー。それだけに各社とも多くの車種をラインナップしており、ホンダはアキュラ・ブランドでMDXとRDX、ホンダ・ブランドでHR-V(ヴェゼル)、CR-V、パスポート、パイロットと合計6車種を展開している。

オハイオ州イーストリバティの工場で生産される新型MDX。アソシエート(従業員)が生産車両のロールアウトを祝福

そのうちMDXは、アキュラのフラッグシップに位置するモデルだ。初代モデルの登場は2001年であり、一時は日本市場にも導入されたことを記憶している人も多いだろう。2代目以降は北米市場をメインマーケットに販売が続けられた。

アキュラMDXの歴代モデル。左端の初代は、日本市場にもホンダMDXとして販売された

アメリカではミドルサイズに分類される、取り回しに優れたボディに3列シートを備えるMDXは、累計100万台以上の販売台数を記録。アメリカ市場でもっとも売れた3列シートを持つ高級SUVであり、アキュラ・ブランドの総販売台数のうち約3分の1を占めるというベストセラー車である。

フロントにダブルウィッシュボーン式サスペンションを備える新型シャシーを採用したことが何よりのニュースだろう。フロントにエンジンを横置き搭載するFF系シャシーにおいて、フロントサスペンションにダブルウィッシュボーンを採用する例はアキュラRLX(日本名レジェンド)と同様だが、新型MDXは別物の新設計シャシーを採用。

ボディサイズは全長・全幅ともにひとまわり拡大され、ホイールベースは従来モデルから約76mm延長され、走行安定性の拡大および室内空間の拡大に貢献している。搭載される3.5リッターV6エンジンには変更はないが、トランスミッションは10速ATへと変更されるなど、ラグジュアリー性だけでなくスポーツ性も感じさせる大幅な進化を遂げている。

外観では、アキュラのアイデンティティでもある「ダイヤモンドペンダゴングリル」を中心とした直線基調のデザインを採用。グリルの左右には、これもアキュラのファミリーフェイスである「ジュエルアイ」4連LEDヘッドライトが装着される。

タイヤはグレードによって19インチと20インチを設定。20インチのアルミホイールにはノイズリデューシング機能も与えられる。組み合わされるタイヤはブリヂストンのALENZAで、サイズは255/50R20。ロードノイズを17%減らすトレッドパターンを採用した専用開発品だ。

室内では「プレジションコクピット」と名付けられたデジタルインパネを採用。フルデジタルのドライバーズメーターや、ワイドなフルHDセンターディスプレイ、プレミアムオーディオ、LEDアンビエント照明付きオーディオシステムなどで構成される。ルート66や鈴鹿サーキットなど、世界中の24の道やサーキットをテーマにしたイルミネーションも選ぶことができる。

新開発となったフロントスポーツシートは、12wayの電動調整機構や、3wayシートヒーター、3ポジションメモリーを備えた新世代のスポーツシート。アキュラでは「ファーストクラスの快適性を備える」と胸を張る自信作だ。

2列目シートは3名乗員だが、中央の座席は取り外し可能として機能性を向上。頭上空間もたっぷりと確保され、さらにパノラマムーンルーフにより3列シートの乗員全員に明るい光をもたらすとのこと。

インテリアカラーは、パッケージに応じてエボニー/パーチメント/グレイストーン/エスプレッソなどが用意される。テクノロジーパッケージでは、コントラストステッチ入りのミラノレザーシートが標準装備。アドバンスパッケージでは、3列すべてのシートにコントラストパイピングが施される。

新型MDXのグレードは、MDX/MDXテクノロジーパッケージ/MDX A-Spec/MDXアドバンスパッケージの4種類。駆動方式はSH-AWDだが、MDX/MDXテクノロジーパッケージのみ、SH-AWDのほかFFモデルも設定される。車両本体価格(MSRP)は4万6900ドル〜6万650ドルとなっている。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)