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【ホンダアクセス】注目の新型N-ONEでレースに参戦! K-CLIMBが目指すのは軽自動車最速のヒルクライムレーサー

ホンダの新世代軽自動車として誕生したNシリーズのうち、もっともスポーティな性格を与えられたのがN-ONEだ。初代モデルが登場したのは2012年11月のこと。丸型ヘッドライトを中心としたファニーフェイスと、キビキビした走りっぷりが人気を集めて約8年間も販売されるロングセラーとなった。

そして2020年11月にフルモデルチェンジを受け、第二世代となる新型モデルが登場。新型N-ONEにおける最大の注目は、ターボエンジンを搭載するスポーティグレード「RS」に、待望の6速MT車が設定されたこと。スポーティなFF軽2BOXというキャラクターが、さらに強調されている。

そんな新型N-ONE RSの6MT車をベースに、ホンダ車用純正アクセサリーの開発・販売を手がけるホンダアクセスがコンセプトモデルを制作した。『K-CLIMB(ケイクライム)』と名付けられた車両は、なんとレース参戦を視野に入れて開発が行われたという。

N-ONEでレース参戦というと、ワンメイクレースの「N-ONEオーナーズカップ」を連想するが、今回のK-CLIMBが参戦を目指すのは山登りのタイムを競い合うヒルクライムレースだ。

ボディサイドに装着された前後のオーバーフェンダーはABS素材で新規に製作。片側+15mmの拡大幅を実現している

とはいえ”一般ユーザーがチューニングの参考にできるマシン作り”を念頭に開発が行われており、バンパーやロールケージなどワンオフ製作品は多いものの、ボディ本体への大幅な加工は行われていない。

ボディを切った貼った…して1品モノのショーカーを製作するのではなく、ベース車両の部品を交換、あるいは追加装着することで仕上げられるなど、ユーザー目線を意識した手法が採られている。エンジンや駆動系もノーマルのままだ。

Hエンブレムやナンバープレートを片側に移動させるデザインは、’83年に登場したシティ・ターボⅡを彷彿とさせる(シティ・ターボⅡの場合は反対の助手席側へオフセットさせていた)。バンパーには、そのシティ・ターボⅡの愛称だった「ブルドッグ」の文字も記される

フロントまわりでは、カーボン素材を採用した新形状のフロントグリルやバンパーを装着。ヘッドライトやフォグライトの位置は変更されていないが、ベース車両ではグリル中央に備わるHエンブレムやナンバープレートを運転席側に寄せることで開口部の面積を拡大。ラジエターやタービン本体に走行風を導き、冷却性能を向上させている。

ボンネットは純正形状のままカーボン製へと変更。持っただけで驚くほどの軽さを体感できる。N-ONE RSの車両重量は840kg(6MT車)と決して軽くはないため、運動性能向上に際して最初に掲げられたのが軽量化の推進だという。

HKS製車高調整式サスペンションの装着により、約20ミリのローダウンを実現。ホイールはN-ONE Modulo X純正の15インチだ

リアまわりでは、ブラックに塗装された大型テールゲートスポイラーやフロントと同じくカーボン素材で形成されたリアバンパーを装着。マフラーのレイアウトをセンター二本出しに変更しているため、バンパー形状も合わせてデザインされている。

HKS製センター2本出しマフラーを装着。外観上は従来型N-ONEからの変化は少ないが、排気系のレイアウトが異なるため先代モデル用マフラーは装着不可。ラウンドテールのマフラーが新規に製作された

いっぽう室内には、ワンオフ製作されたロールケージを装着。乗車定員は4名で変わらず、リアシートの収納機能もそのまま活かされている。ボディへの装着はボルト留めで、ダッシュボード非貫通式とされたのも、一般ユーザーの気持ちに立ったパーツ設計とのこと。

またシート本体は純正をそのまま使用するが、シンプソン製の4点式シートベルトが追加装着されている。

今回発表されたK-CLIMBは『あくまでもコンセプトモデル』とのことだが、製作にあたってはホンダアクセスのコンプリートカー「Modulo X」シリーズの開発で培われた”実効空力”コンセプト、そして”四輪で舵を切る”という脚まわりのエッセンスが取り入れられた。

開発にあたっては、パワーじゃない楽しさや、思い通り曲がる・軽の底力を魅せるといったフレーズも掲げられるなど、そこにはレース車両の製作を超えた「何か」を期待させる。

かつてホンダアクセスがコンセプトモデルとして発表した「S660 Neo Classic Concept」は、一般ユーザーからの市販化を熱望する声が後押しとなって商品化が実現した。このK-CLIMBも同様に、ぜひ”夢の実現”を期待したい!

(photo:Akio HIRANO 平野 陽 text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)
(取材協力:ホンダアクセス TEL:0120-663521 www.honda.co.jp/ACCESS/

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