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【21SEMA】1.5リッターVTECターボは220馬力! 車両重量1111kgを達成したシビックSiレースカーが登場【動画】

アメリカホンダは、2021年11月に開催された世界最大の自動車用アフターマーケット・パーツショー『SEMAショー』に2台のシビックSiレースカーを出展した。1台はHPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)製作によるHPD Civic Si Race Car Prototype、そしてもう1台が「Team Honda Research West Civic Si Race Car」である。

Team Honda Research West(チームホンダ・リサーチウェスト/THR-W)は、1996年に設立された社内チーム。スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ(SCCA)や、ナショナル・オート・スポーツ・アソシエーション(NASA)などのレースに参戦し、モータースポーツの現場で得られた様々な知見を市販車の設計開発にフィードバックすることで、エンジニアリングを向上させることを目的に活動している。

そんなチームホンダ・リサーチウェストは、2021年12月に開催される「サンダーヒル25時間耐久レース」に、このシビックSiレーシングカーで参戦する。

ベースとなっているのは新型シビックSiで、外観では大型フロントリップスポイラーやエアダム、そしてリアウイングが装着された。左右のエアアウトレットが追加されたボンネットはSEIBON製カーボンフードで、トランクもSEIBON製カーボンリッドへと変更された。さらにバハデザイン製のLEDドライビングライトも追加された。

室内には、FIA基準のロールケージとバケットシート、6点式シートベルト、ウィンドウネット、そのほか消火システムやクイックリリース機能付きのステアリングが装着された。

サスペンションは、KW製2way EXRレーシング車高調ダンパーとH&R製スプリングの組み合わせ。さらに脚まわりにはRV6製リアロアアーム、トーリンク、リアスタビライザーが導入されている。タイヤ&ホイールは純正の18インチからダウンサイズとなり、Titan7製17インチ×9.5J鍛造ホイールに、245/40R17サイズのコンチネンタル製タイヤを組み合わせる。

ホイールの隙間から覗くブレーキは、Paragon製の対向4ポットレーシングキャリパーと、2ピース式フローティングローターで強化された。ブレーキパッドはPAGID製のRSL1を採用。世界格式の耐久レースで多く使用されているブレーキパッドで、MOTUL製ブレーキフルード、THR-W自製のブレーキダクトも装備する。

エンジンは1.5リッター直列4気筒VTECターボをベースに、THR-W自製カスタムインテーク、KOYO製の48mmコアアルミレーシングラジエター、オイルクーラーを採用。HONDATA製のレーシングスペックECUで制御される。

さらにレーシングダウンパイプとフロントパイプ、Ticon製チタンエキゾースト、M Factory製カスタムギアセット、Hasport製レーシングエンジンマウント、高性能バッテリーを採用。

エンジンオイルやトランスミッションフルード、エンジンクーラントはMOTUL製レーシングスペックを採用するなどのチューニングにより、最高出力は220hp/最大トルクは33.2kg-mを発揮する。

排気量は変わらないものの、ノーマルのシビックSiは最高出力200hp/最大トルク26.5kg-mであるのに対して、パワーは20hp/トルクは6.7kg-mも引き上げられた。いっぽうで車両重量はベースモデルから200kg以上も軽量化され、わずか1111kgに抑えられた。この数値を見るだけでも、シビックSiレースカーの高いパフォーマンスが想像できる。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)