Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. MOTORSPORTS
  3. 【GT500】大波乱のレースとなった第2戦(富士)、64号車Modulo NSX-GTは11番手でフィニッシュ

【GT500】大波乱のレースとなった第2戦(富士)、64号車Modulo NSX-GTは11番手でフィニッシュ

============================
2022 SUPER GT 第2戦(富士スピードウェイ)
#64 Modulo NSX-GT
予選:13位
決勝:11位
============================
毎年恒例、ゴールデンウィークに開催されるSUPER GT第2戦が今年も開催された。ここ数年は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、観客も人数制限を行いながらの開催となっていたが、今大会は予選・決勝の2日間でのべ7万3千人の観客が来場するなど、以前の日常が戻りつつあることを感じさせた。

今年のSUPER GT第2戦は『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』として開催。例年であればレース距離は500kmだが、今回は50km短縮され450km/100周で争われる。

ピット作業の義務回数は2回と定められているが、ピットイン時の必須作業は給油のみ。つまりタイヤ交換やドライバー交代は行わず、スティントを連続して走行することもルール上は可能となっている。

「ひとりのドライバーの走行時間が、全体の2/3を超えてはいけない」という規定周回数は定められているものの、チームにとっては幅広い作戦立案が可能となり、タイヤチョイスや給油タイミングなど各チームの戦略にも注目が集まった。

レース序盤で接触発生! しかし安定した走行を続ける

グリッドボードを掲げる、2022 Moduloスマイルの新 唯(あらたゆい)ちゃん

決勝レースが行われた5月4日(水・祝)も天候は晴れ。前日の予選より気温・路面温度ともに上昇し、お昼すぎには汗ばむほどの陽気に。レーススタート時刻の14時30分にはやや涼しさを感じるほどとなったが、気温20度/路面温度33度というコンディションのもと、100周の決勝レースがスタートした。

64号車Modulo NSX-GTのスタートドライバーは伊沢拓也選手が担当。ローリングスタート直後はスタート時の隊列どおりスムーズに走行していたものの、2周を終えて3周目へ入った直後から各所でバトルが展開される。

64号車を含めた12〜15番手を走行していた4台のマシンが、1コーナーへの攻防で急接近! いわゆる「3ワイド」状態となってマシンが軽く接触するも(レーシングアクシデント)、3台ともに無事に走行を続けた。

この接触の影響もあって、64号車は一時最後尾まで順位を落としてしまうが、伊沢選手はマシンを労わりつつポジションを奪還。39周を走りきったところでピットインし、大津弘樹選手へとドライバーチェンジを行った。

この時点で伊沢選手はレース距離(100周)の1/3以上を走行したため、残り周回数すべてを大津選手が走行することが可能。通常ルーティンでいえば、残り1回のピットイン義務では給油のみを行うスプラッシュ&ゴーの作戦も可能となる。はたして大津選手が2スティント連続走行を行うのかも注目された。

しかしレースは、このあと波乱の展開に。43周目、100Rの出口からヘアピンへと向かうあいだで、GT300クラスの車両が大クラッシュ。マシンは大破してしまい、即座にFCY(フルコースイエロー)が宣言される。その後、クラッシュ車両や散乱したパーツの回収などのためセーフティカー(SC)による先導走行に切り替わる。

SC走行中に、オフィシャルによって破損したタイヤバリアの修復作業が続くなか、49周目に赤旗が提示されレースは中断。タイヤバリアの修復作業を終え、16時25分にSC先導のもとレースが再開された。全車がタイヤを暖めつつ、53周目にSCがコースから外れてグリーンシグナルとなると、1コーナーで2台のマシンがオーバーラン。

その数周後にトップ争いは3台の隊列となり、58周を終えるホームストレートで大きなアクシデントが発生してしまう。トップを走行していた車両が、マシントラブルによりスロー走行をしていたGT300車両を直前でかわしたため、トップ車両のすぐ後方を走っていた2位のマシンはブラインドから目の前に急にGT300車両が現れた形となり、回避運動をしたものの避けきれずに激しくクラッシュを喫してしまう。

3番手、4番手を走っていた車両は間一髪のところで回避できたものの、2位の車両は観客席側のガードレールに回転しながら当たったあと、コースを横断するほどの大クラッシュ。幸いにもドライバーは無事だったものの、レースは再び赤旗が提示され2度目の中断となった。

クラッシュのため破損したガードレールを修復したあと、18時10分にSC先導でレースは再開。しかし日没制限時間により、18時20分にSC先導のままチェッカーフラッグとなった。

中盤以降は非常に荒れたレースとなったが、64号車Modulo NSX-GTは13番手でチェッカー。その後、上位のマシンにペナルティが与えられたため順位はふたつ繰り上がり、正式結果では11位となった。ホンダ勢では8号車ARTA NSX-GTが3番手で最上位チェッカーとなっていたが、同様の理由により優勝となった。

ただしトップ車両の周回数は62周で、レース距離(100周)の75%に達してないため、規定により獲得ポイントは半分となる。次戦の第3戦は、Modulo Nakajima Racingが得意とする三重県・鈴鹿サーキットで、5月28~29日に行われる。


中嶋 悟 総監督コメント
「大変なレースで何とも言いようがない感じです。 1回目のピットストップを行い、これから追い上げると思っていたところだったので、自分たちのレースについても言いようがない内容となってしまいました。次戦の鈴鹿がすぐに迫っていることもあり、気持ちを切り替えて臨みたいと思います。長時間になり大変な中だったと思いますが、最後までたくさんのご声援をありがとうございました」


伊沢拓也選手コメント
「スタート直後の接触で最後尾に下がってしまいましたが、すぐにポジションを取り戻すことができました。その後のペースは、まだ満足するレベルには足りていませんが、大きなグリップダウンがなかったので、そこはポジティブにとらえています。今回のレースは非常に荒れた展開となりました。ポイント獲得に届かず残念でしたが、期待が持てる内容にもなりました。鈴鹿ではさらにいいレースをしたいと思います。長丁場のなか、最後まで応援ありがとうございました」


大津弘樹選手コメント
「僕のスティントでは赤旗中断が続き、最後はSC先導での周回だったので、あまりレースをしたという感触はないのですが、伊沢選手のスティントでは、思っていたよりいいパフォーマンスが出せたと感じました。とはいえ、上位陣と比べるとまだまだアベレージを上げないといけないことも分かったレースでした。今回のような長いレース距離の大会はまだあるので、今日の経験を次に生かしていきたいです。次戦の鈴鹿は、ここ2年間チームとしても相性がいいサーキットです。予選からポールポジションを狙い、決勝も力強く戦っていきたいです。インターバルは短いですが、そのなかで出来る限りの準備をして臨みたいと思います」

(text:Honda Style Web)