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【RS復活】現行フィットが今秋マイナーチェンジ。外観が一部変更され、待望のスポーティグレード「RS」が登場!

2022年8月5日、ホンダは2022年秋にマイナーモデルチェンジを予定している新型「FIT(フィット)」に関する情報を、ホームページで先行公開した。現行モデルのフィットは、2020年2月に発売された通算4世代めにあたるモデル。今回の新型フィットは、4代目モデルにとっては初のマイナーチェンジであり、なんといっても注目はスポーツグレードを代表する「RS」の名称が復活したことだ。

5グレード展開は変更なし。NESSが消滅、入れ替わりにRSが新設定

新型フィット e:HEV LUXE。フロントグリルやバンパー下部のデザインが変更された

第4世代フィットにとって初めてのマイナーモデルチェンジとなる今回は、全グレードでフロントグリルやバンパー形状の一部に変更を受け、外観の印象を進化させた。

グレード展開は全5種類で、BASIC、HOME、LUXE、そしてSUV風の専用外観を持つCROSSTARが設定される点は従来と変わらず。スポーティ志向だったNESSが消滅し、入れ替わるかたちで新たに「RS」が設定された。

「ロードセイリング」を意味するRSは、1973年式シビックに設定されたことを皮切りに、様々な車種に設定されてきたホンダの伝統的なスポーティグレード。フィットにおいては第2世代(GE型、GP型)、第3世代(GK型)に続いて3度目の登場。第4世代フィットにRSの名を関したモデルが設定されるのは初めてのことだ。

新型フィットの正式発表は今秋ということで、現在判明している情報は多くない。明らかになっているのはグレード展開および各モデルの外観画像、そして全グレードにe:HEVとガソリンエンジンという2種類のパワーユニットが用意されることだ。

2モーター式ハイブリッドシステムのe:HEVは、基本設計は従来と同様。モーター出力のアップとともにアクセルの応答性を向上させ、よりパワフルな走りを実現したという。駆動方式はFFのほか4WDも用意されているが、スポーティグレードのRSはFFのみとなる。

RSにMTは設定されない!? ボディカラーにもオレンジ系は見当たらず…

専用デザインのバンパーが特徴の「RS」は、ロアグリル開口部にエンブレムが装着される

ホンダファンにとって、もっとも気になるのは第4世代フィットに初登場となる「RS」だろう。RSは専用のフロントグリルや前後バンパー、リアスポイラーなどが採用され、ひとめでスポーティな印象を与えるデザインとされた。

RSのe:HEVは、減速セレクターやドライブモードスイッチが専用装備として与えられ、走りに拘るユーザーに応える内容となっている。

新型フィットRS(e:HEV車)のコックピットまわり。ステアリングは3本スポークタイプ

RSのe:HEV車については、先行情報公開サイトにてコックピットまわりの様子を見ることができる。ステアリングは3本形状のスポーツタイプとなるほか、イエローのステッチがステアリング、シート、そしてアームレストに施されている。

このアームレストは、純正アクセサリーとして用意されていた「アームレスト付センターコンソールボックス」とは異なる形状となっており、アームレスト前方にドリンクホルダーも用意されている。

第4世代フィットはコンソール中央部分にドリンクホルダーが用意されておらず、純正アクセサリーの「マルチコンソール」を設定することで対応していたが、前述の「アームレスト付センターコンソールボックス」との同時装着はできなかった。

CVT車やAT車の場合、ドライバーは左手がフリーとなるケースが多いだけに、アームレストとドリンクホルダーが同時装着できる今回の改良は実用面における隠れた大きな進化といえそうだ。

第二世代フィットに設定されたハイブリッドRS。IMAハイブリッドに6速MTを組み合わせていた

いっぽうでオモテだった大きな注目は、スポーティグレードを名乗るRSにMTの設定があるかどうかという点だ。先行情報公開サイトではMTの存在は明かされておらず、どうやらe:HEVは2ペダルのみとなるようだ。

かすかな望みはガソリンエンジン車だが、これまで第4世代フィットのガソリン車は全車が1.3リッターを搭載しており、スポーティな走りという印象は正直なところ高くない。2021年6月に登場した「Modulo X」がe:HEVのみとなっていたのが、その証といえるかもしれない。今回のマイナーチェンジにより、ガソリンエンジンは全車が1.5リッター化されるというウワサもあるが、はたしてどうなるだろうか。

もっともスポーティグレードのRSとはいえ、先代モデルであるGK5型の時代から、3ペダルMTの販売比率は決して高くはなかった。フィット全体の販売におけるRSの比率は10%以下で、MTはその半分に満たないため全体の約3%と言われていた。むしろRSが設定されたことについて、喜ぶべきなのかもしれない。

先代モデル、GK5型フィット3に設定されたRS(サンセットオレンジⅡ)

もうひとつ残念なのは、RSのアイデンティティとも言うべきオレンジ系のボディカラーが設定されていない点だ。

RSのボディカラーはプラチナホワイト・パール、プレミアムサンライトホワイト・パール、スレートグレー・パール、メテオロイドグレー・メタリック、クリスタルブラック・パール、そしてプレミアムクリスタルレッド・メタリックの計6色となっており、シビックRSをオマージュしたRS専用色の「サンセットオレンジⅡ」は設定ナシ。

タイプRよりも長い歴史を持つ「RS」だけに、そのブランドやアイデンティティについては大切にしてほしいと思うのがファン心理、オーナー心理と思うのだが…

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)

新型フィット スペシャルサイト
https://www.honda.co.jp/Fit/new/