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【新型タイプR】シビック第二の故郷は、いまやタイプRにとって最大のマーケット。北米市場においてFL5型が初披露

日本車のスポーツモデルが高い人気を誇るアメリカでは、日本国内や欧州市場に導入される「タイプR」は、長きに渡って憧れと尊敬を集めるブランドだった。2017年には先代FK8型シビック タイプRがついに北米市場にて発売されるとすぐに大人気となり、北米市場はシビック タイプRにとって最大のマーケットとなった。そしてFL5型の新型シビック・タイプRも、発表されるやいなや各所で話題となるなど、高い注目を集めている。

2022年7月21日(アメリカ西海岸時刻7月20日)、ロサンゼルス郊外ホーソン市の民間空港のハンガーで行われた新型シビック・タイプRの発表イベント。場所が空港ということでホンダジェットも並んで展示された

2022年7月21日、新型シビック・タイプR(FL5)のワールドプレミアが行われた。先代FK8に続いて世界各地の市場で販売される新型シビック・タイプRだが、まずは日本、そして北米仕様車から発表となった。

発売50周年を記念してずらりと並ぶ歴代シビック、1973年に北米市場で発売が開始されてから、11代目の現行モデルまで累計1230万台以上が販売された北米ホンダの主力モデルだ

日本仕様の発表と同時刻に行われた北米仕様のリリースイベントは、カリフォルニア州ロサンゼルスの民間空港ハンガー内に特設会場を設けて行われた。

新型シビック・タイプRは、最高出力315hpを誇る。単位表記の都合で日本仕様の330PSとは異なっているが、実質的なパワーは同じだ。そして315hpという最高出力は、北米市場における歴代ホンダ・ブランドの車両ではトップランクとなる。

しかし北米のファンが、新型シビック・タイプRに熱い視線を送ったのは、このパフォーマンスによるものだけではない。1992年に発売されたNSX-Rから始まった「タイプR」のストーリーは今年で30年目を迎えるが、これまで北米市場ではほぼ縁がないと言っていい。

一時期、ACURAブランドのインテグラ(DC2型)にタイプRが設定されたものの、日本仕様とは異なりややソフトな仕立てとなっており、わずか数年で販売は終了した。以降、北米市場にはタイプRの名を冠したモデルは導入されず、北米エリアのホンダファンにとってタイプRはまさに憧れのモデルといえた。

そんなドリームカーのタイプRが初めて北米市場に導入されたのは、先代のFK8型シビック・タイプRから。シビックにとって北米市場は第二の故郷というべき巨大なマーケットであり、それゆえに「Si」という北米専売のスポーツグレードが用意されていたが、やはりタイプRの北米市場導入を期待する声は多かった。

北米市場へ初投入となった新型FL5は、「タイプR」を待ちに待っていたファンの大歓迎を受け、同市場での販売台数は約2万1000台を記録。販売国別でいうと世界ナンバーワンの売上となった。新型シビック・タイプRのお披露目イベントにも多くのメディアが詰めかけており、北米市場におけるタイプRの盛り上がりは、ますます加熱していきそうだ。

新型FL5のベースとなっている11代目シビックは、2022年度の北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した人気モデル。デザインも機能も充実した最新世代のシビックは、標準モデル、e:HEV、そしてタイプRというラインナップを持つ。

タイプRに搭載されるエンジンは、先代同様のK20C型2リッター4気筒ターボ。吸排気系を中心に手が入れられ、北米表記で315hpまでパワーアップ。レブマッチ機能付きの6速MTをはじめ、各種装備は日本仕様と違いはない。

車両価格(MSRP)は4万2895ドル。実際には、車両を購入するユーザーは「Destination Charge」と呼ばれるディーラーまでの輸送費や保険代を含めた価格を支払う必要があるため、4万3990ドル(約642万2540円/1ドル146円換算)となる。

(text:Kenny NAKAJIMA ケニー中嶋)