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【GT500】今季初の450kmレースに挑んだModulo NSX-GT。序盤は苦しみながらも後半に見えた光明を次戦へ活かす

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2023 SUPER GT 第2戦(富士スピードウェイ)
#64 Modulo NSX-GT
予選:14位
決勝:14位
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ゴールデンウィークの恒例イベントとなった、SUPER GT第2戦(富士)。例年、高地らしく肌寒さを感じつつも新緑の季節らしい陽射しに恵まれることが多い大会だが、今年も好天に恵まれ大勢の観衆が訪れて開催された。

今季から太田格之進選手が加入し、伊沢拓也選手とコンビを組むModulo Nakajima Racingは、開幕戦(岡山)ではステディなレース運びを見せポイントを獲得。今回の第2戦は開幕戦の300kmから450kmへとレース距離が1.5倍となるが、ぜひとも入賞そして表彰台獲得をと、チームも気合十分で臨んだ。

予選日を迎えた富士スピードウェイは朝から青空が広がり、グランドスタンドの奥には富士山の姿もくっきりと見られた。サーキット内各所はもちろん、コース上でも午前中から公式練習、FCY(フルコースイエロー)練習、サーキットサファリ、ピットウォークといったイベントが行われ、大勢のファンで賑わった。

15時15分からノックアウト予選が行われ、GT300のQ1に続いてGT500の予選Q1がスタート。まずQ1を担当したのは太田格之進選手で、コースインしてじっくりとタイヤを暖めていく。その後タイムアタックに突入して、公式練習のべストラップである1分28秒827からコンマ9秒のアップとなる1分27秒912を記録したものの、14番手となりQ2進出はならなかった。

そして翌日5月4日の決勝日も、前日と同様の好天に恵まれた。ゴールデンウィーク中ともあり、4万8600人もの大観衆が見つめるなか、13時30分に100周(450km)の決勝レースがスタート! 64号車Modulo NSX-GTのスタートドライバーは、伊沢拓也選手が担当。今回の第2戦は450㎞というレース距離で争われ、最低2度の給油作業が義務づけられている。そのピット作業のタイミングにも注目が集まった。

スタートを担当した伊沢選手だが、タイヤの暖まりが思うように進まないのか、なかなかラップタイムを上げることができず、序盤は苦しいレース展開となる。それでも懸命にマシンを運び、レース距離の約3分の1を走り終えた34周目の終わりにピットイン。最初の給油を行い、太田選手へとドライバー交代を行った。

64号車Modulo NSX-GTは、一時は10番手まで順位を上げたものの、40周目を終えるころにはGT500車両が全車1回目のピットインを終えると、15位まで順位を下げてしまう。マシンを受け取った太田選手は、比較的走りやすい環境であったこともあり、自己ベストタイムを次々と更新する走りを見せながら周回を重ねていく。

そして約30周を走ると、65周目終わりに2度目のピットイン。タイヤ交換と給油作業を済ませると、ドライバー交代は行わずにコースへ復帰。太田選手はダブルスティントを敢行して前を行くライバルたちを必死に追いかけていく。

やがてレースも残り10周を切るころ、前を走るライバル車両にアクシデントが発生し、ひとつポジションを上げて14位となる。その後も64号車Modulo NSX-GTは大きなトラブルはなく450㎞を走り切り、そのまま14位でチェッカーフラッグを受けた。

中嶋 悟 総監督 コメント

「今回のレースは予選と決勝のスタートタイヤに選択したものがよくなかったようで、つらい内容になってしまいました。ただ、セカンド、サードスティントで使ったタイヤはトップグループと遜色ない速さで走ることができたので、これは大きな収穫でした。次の鈴鹿へ向けていいものが見つかったと思うので、次戦までにさらに理解を深めた上で臨めるよう準備を進めていきます。今大会もたくさんのご声援をありがとうございました」

伊沢拓也選手コメント

「僕が担当した第1スティントは予選で使用したタイヤを使うのですが、ラップタイムとしては速くなかったものの、タイヤのタレという部分では大きくは出なかったと感じています。太田選手のスティントではタイヤを変えたところ、とてもいいペースで2スティントとも走っていたので、次につながる内容のレースにはなったと思っています」

太田格之進選手コメント

「僕のスティントはすごくペースが良く、トップグループと遜色ないペースで走れましたしタイヤの保ちも良かったです。ただレースをスタートした時のタイヤのペースが思いのほか悪く、1スティント走る中で周りにマージンを築かれてしまいました。チームとして最善は尽くしましたが、タイヤ選択がうまくなかったです。次戦に向けて、そういったところも含めてしっかりとミーティングをして臨みたいです」

次戦の第3戦は、6月3-4日に三重県・鈴鹿サーキットで開催される。レース距離は今回と同じく450kmとなるが、Modulo Nakajima Racingとしては富士で得た良い感触を予選から体現したいところだ。

(text:Honda Style Web)