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【GT500】冬らしい気温と路面温度が64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTを悩ませる。今季最終戦は13位でフィニッシュ

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2024 SUPER GT 第5戦(鈴鹿サーキット)
#64 Modulo  CIVIC TYPE R-GT
予選:14位
決勝:13位
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国内モータースポーツのトップカテゴリーであるSUPER GT。2024年シーズン、GT500クラスに参戦しているホンダ系チームは、参戦車両を長らく参戦してきたNSX-GTからCIVIC TYPE R-GTへと変更した。

ホンダアクセスがパートナーとして支えるModulo Nakajima Racingは、ベテランの伊沢拓也選手と、GT300からステップアップして今季からGT500デビューとなる大草りき選手のコンビで参戦。2024年シーズン最後のレースは、悪天候により順延となっていた第5戦。第8戦より開催日程が後ろとなったため「SUZUKA GT300km GRAND FINAL」と題して開催された。

例年どおり、全8戦が行われる今年のSUPER GT。当初に予定されていた最終戦・第8戦はすでに終了しているが、8月31日-9月1日に予定されていた第5戦が台風10号の影響により延期となり、12月7日-8日に鈴鹿サーキットで開催された。

開催日程としては第8戦よりうしろとなった第5戦は、シリーズ最終戦である「GRAND FINAL」の名称が付け加えられ、300kmのレース距離で争われた。約1ヶ月前に開催された第8戦では、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは2021年以来となるポールポジションを獲得して速さをアピールしたものの、決勝レースは10位となってレースペースに課題を感じさせた。

今回の第5戦は、晩秋を越えて本格的な冬の季節であり、どのチームもこれまで経験したことのない条件下でのレースとなる。それだけに天候や路面状況を予想できない部分が多く、各チームの総合力が問われるレースとなりそうだ。

そして迎えた12月7日、公式練習および公式予選が行われた。空から太陽の光が降り注ぐ絶好の天気にもかかわらず、風は冷たく気温・路面温度とも低いままの1日となった。公式練習では、GT500に参戦する全チームでもトップクラスとなる33周を走り込み、全体8番手となる1分44秒579を記録する。

今回の公式予選Q1は15分間。これまでのレースに比べて短い時間で行われたため、ベテランの伊沢拓也選手がアタックを担当。残り時間が約半分となった頃にコースインし、1分44秒987と13番手のタイムをマーク。

その後、GT300のQ2に続いて行われたGT500のQ2に向け、大草りき選手がコックピットに乗り込んでコースイン。Q1と同じく15分間で行われ、大草選手は1分44秒270と11番手の速さを見せる。両者の合算タイムにより、決勝レースは14番グリッドからスタートすることなった。

迎えた決勝レース当日、鈴鹿サーキットは朝から冬らしい厳しい寒さに見舞われた。気温が低いほうがエンジンパワーについては有利だが、いっぽうで路面温度が上がらないため、グリップ性能が発動する温度域までタイヤの暖めかたが難しくなる。

そのため決勝レースは、タイヤを十分に暖める時間を確保するべく、フォーメーションラップが1周追加されて51周回で争われた。64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーは、大草りき選手。大草選手はローリングスタート後に素晴らしいスタートダッシュを見せ、ポジションを3つ上げて11番手に浮上する。

しかし5周が過ぎるころには、後続の車両から猛プッシュを受けて防戦一方となってしまう。やがて14番手までポジションを下げてしまうと、10周目にはライバル車両にアクシデントが発生。このレース最初のフルコースイエロー(FCY)が発令された。

FCYはすぐに解除となり、レースは再開。大草選手は14番手のまま走行し、19周目にピットインを行って給油およびタイヤ交換、そして伊沢拓也選手へとドライバー交代を行った。

伊沢選手がコースに戻り、ライバル車両のピット作業がひととおり終わると64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは13番手を走行。ひとつでも上の順位をと、懸命な走りを見せた伊沢選手だがタイヤが想定より厳しい状況となってしまう、厳しい状況となってしまう。

レースは中盤以降もライバル車両にアクシデントが発生して2度目のFCYが発動されるが、伊沢選手は苦しい状況をなんとか凌ぎきってポジションをキープ。2024年最後のレースは13位でチェッカーを受けた。

中嶋 悟 総監督 コメント

「最終戦の予選、頑張った結果ですが14番手となりました。寒い時期の鈴鹿に合わせて準備をしてきましたが、マッチしていない部分があったようです。そのぶん、決勝レースではいいところをお見せしたかったですが、選択したタイヤが天候と思うようにマッチしなかった…というところです」

「今シーズン得たことを活かして、シーズンオフに様々なトライをして、来年に向けて頑張っていきます。異例の12月のレースとなり寒いなかでしたが、たくさんのご声援をありがとうございました。来シーズンもご声援をよろしくお願いします」

伊沢拓也選手 コメント

「自分たちのパフォーマンスは厳しいかなと思いながら戦う週末となりましたが、自分のスティントでは最後まで諦めずに走りました。結果として、今日のリザルトもランキングとしてもヨコハマタイヤ勢を上回って、ブリヂストン勢に続く位置で終えることができたのはひとつ良かったことだと思っています」

「今シーズン、常にいい結果を出すことはできませんでしたが、例えばもてぎラウンドでポールポジションを獲れたり、今までできなかったことができた部分もありました。ライバルは強いので壁は高いですが、一生懸命頑張ればその壁を越えられるかもしれないと思える瞬間がたくさんあった1年でした。僕自身としても自分のパフォーマンスを出し切れてシーズンを終えることができたので、これを来年に繋げたいと思っています。1年間、応援ありがとうございました」

大草りき選手 コメント

「今日のレースではスタートを担当させてもらいましたが、タイヤの温まりがいいのはもともと分かっていたので、スタートではある程度ガツガツ行こうと思っていました。混戦の中を切り抜けて、4、5台をオーバーテイクできたので、そこは良かったです。ただ、タイヤの摩耗が始まってきたぐらいからは周りとのペースの差が大きかったので、これは来年に向けての課題だと感じました」

「今シーズンはGT500のデビューイヤーでしたが、ポールポジションも経験させてもらえて、非常に充実した1年を過ごすことができました。それと同時にまだまだ頑張らなければならない部分も強く感じたので、それを克服できるように頑張ります。1年間応援ありがとうございました」