【TAS25】一家に一台ほしい! 本物フォーミュラマシンを転用したシミュレーター「ホンダeMS SIM-01」【販売熱望】

2025年1月10日〜12日の3日間、千葉県・幕張メッセにて「東京オートサロン2025」が開催された。チューニング&カスタムカーの祭典として、日本国内だけでなく世界中のクルマ好きから多くの来場者が訪れるビッグイベントだが、近年は実車だけでなくeモータースポーツに関する展示やコンテンツが増えてきている。
今回、シビック タイプR レーシングブラックパッケージや新型プレリュードのコンセプトモデルが展示されたホンダブースにも、eモータースポーツのシミュレーター「ホンダeMS SIM-01」が設置された。

特徴的なのはその筐体で、なんとフォーミュラ車両のノーズ部分にモニターを設置し、プレイヤーはコックピットに乗り込んで操作を行うというもの。じつは本物レーシングカーのボディを再利用して制作されたもので、かつての鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)、現在はホンダ・レーシング・スクール鈴鹿(HRS Suzuka)と呼ばれる育成プログラムで使用されていた車両がベースとなっている。
現在のスーパーフォーミュラやSUPER GTに参戦する多くのホンダ系ドライバーが、鈴鹿サーキットを走り込んで腕を磨いた車両が世代交代により入れ替えとなる際、廃棄される予定だったものを転用したもの。

使用していた車両そのものを一部カットして制作されているだけに、筐体へ乗り込むにもコツが必要だが、そのぶんドライビングポジションも実車そのもの! 体験した来場者からも「想像していた以上にタイト」「こんなに寝ているような姿勢だとは思わなかった」「実際に自宅に欲しい!」という声が聞かれていた。



ホンダのモータースポーツ活動を担うホンダ レーシング(HRC)では、eモータースポーツ大会「Honda Racing eMS」を主催するなど、バーチャルモータースポーツの世界にも積極的。「ホンダeMS SIM-01」もHRCが自ら制作したもので、現在はこの1基のみが存在するという。
そこで市販の可能性をスタッフに尋ねてみたところ、「現時点で具体的な話はまったくないが、販売できたらいいなとは考えています」とのことだった。ベースとなっている旧SRS-F車両は15台ほど確保しているそうなので、今回の反響次第では本当に市販されるかも?
前述のようにもともとはSRS-Fでの教習用車両であるため、なかには現在のトップドライバーたちが若手時代につけてしまったキズが残っている個体もあるとのこと。ぜひ今後の展開にも注目したい!
(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)