【GT500】ホンダ、2026年型プレリュードGTプロトタイプを初披露!! CIVIC TYPE R-GTはわずか2年で参戦終了へ

ホンダのモータースポーツ活動を担うホンダ・レーシングは、2025年9月30日、2026年シーズンのSUPER GT・GT500クラスに参戦を予定している新型車両のプロトタイプを発表した。一部でウワサされていたとおり、ボディカウルのベースとなっているのは9月5日に発売されたばかりのハイブリッドクーペ、新型プレリュードである。

2025年シーズンのGT500クラスを戦っているCIVIC TYPE R-GTは、現行FL5型シビック タイプRをモチーフとした車両で、2024年シーズンから投入された。それまでのNSX-GTに変わるモデルとして期待されたが、初めて5ドアハッチバックをベースとしたボディということもあってか、ここまで強さを発揮しているとは言い難い。2024年の第4戦(富士)で勝利を挙げたものの、2025年は第6戦(SUGO)終了時まで優勝はない。

そして2026年のSUPER GTは、GT500クラスにおいて開幕前のエアロパーツ開発が解禁される。2026年シーズンの開幕以降は、2029年シーズン終了までエアロパーツ開発が凍結されるため、言い換えれば参戦車両を徹底的に鍛え上げて開発するタイミングとなる。それらの理由から、ボディ形状のベースがシビック・タイプRからプレリュードに変更される。
なおホンダのGT500車両は、2022-23年がNSX-GT(タイプSフェイス)、2024-25年がシビック タイプR、そして2026年からはプレリュードと、2年毎に大掛かりなスキンチェンジを行うこととなる。

すでに周知のとおり、GT500車両はメカニズム面で市販車と共有する部分はほとんどないレース専用車両。しかもホンダ、トヨタ、日産と共通のモノコックを使用しているため、参戦車両が変更されるといっても駆動方式やエンジンなどは変わらない。スタイリングにおいても、いわば『GT500車両規則で許された寸法内で、プレリュード(風)のボディデザインに仕立てていく』といった開発となる。

披露されたプレリュード GTプロトタイプは、市販車両の伸びやかなルーフラインを活かしつつ設計されており、ラッピングされていないカーボン地ということもあり、シンプルな面で構成されている印象を受ける。5ドア ハッチバックだったシビック タイプRとのサイドビューの違いは明らかで、いかにもハコのレーシングカーらしいスタイルといえる。ステアリングの位置は左で、右ドアにはマフラーの排気口がデザインされる点はCIVIC TYPE R-GTから変更はない。


シビック時代は5ドアの面影を残してスケーリングされたため、コンパクトで窮屈な印象だったドア部分も、プレリュードになったことでクーペ然とした姿に。またルーフからリヤにかけてのボディの急激な落ち込みやリヤのテールランプなども、市販車のプレリュードのスタイルをしっかりと踏襲している。

フロントマスクやボンネットまわりは、市販車両にはないインテークダクトやエアアウトレットが備わるほか、ホンダ(HRC)のワークスマシンである証として「赤バッジ」が与えられている。

このプレリュード GTが2026年シーズンのSUPER GTにおいて活躍することを期待すると同時に、はたして「赤バッジを纏うプレリュード」が市販車両にも設定されるのか、そちらにも期待したいところだ。
(TEXT:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)