【Makeup】ネコも杓子もNSX-RかNA1初期なモデルカー業界ですが、タイプSのモデルカーもあるところにはある!

近現代の日本車におけるヴィンテージ期と称される1990年前後。バブル期の潤沢な開発資金の恩恵を受けた各自動車メーカーの威信作となる新型車が続々とリリースされた時分である。
我らがホンダのNSXを筆頭に、日産のR32型スカイラインやZ32型フェアレディZ、トヨタの初代セルシオやマツダのNA型ユーノス ロードスター他……いずれも現在は中古車市場において高額なお宝プライスを掲げており、その人気は不滅だ。

モデルカー市場でも、今、一番の売れ線はどちらかというと旧車/ヤングタイマー系がメインで、前述したヴィンテージ期に製造された日本車を題材とした製品が世界的にも引っ張りだこである。
もちろん初代NSXもその中に含まれている、というよりも最右翼的な存在で、1/64から1/12まで、毎月のように何らかの新規アイテムが登場している。しかし、悲しいかな、そこまで深くないのがモデルカーの世界で、初期型のNA1、1992年に登場したNA1型NSX-R、2002年に登場したNA2型NSX-Rがモチーフとされることがほとんどだ。

無論、モデルカー業界とてビジネスである。あまりにも掘り下げすぎてマニアックな題材を製品化したところで、それが売れるとは限らないし、一部の好事家を満足させて終わるだけの運命に過ぎないかもしれない。モノを売るというビジネスモデル上、“採算分岐点”というものも看過できず、特に、生産数が1度に数千、数万という単位になるダイキャスト製品であれば、ことさら最大公約数的な車種選定が必須となる。


いっぽうで金型を使用しないぶん、比較的イニシャルコストが安く、少量生産に適したレジン製モデルの世界ではかなりマニアックな仕様でも、単価こそ上がれど、採算分岐点に対するハードルは下がる。そんなレジン製モデルのアドヴァンテージを最大限活かし、さらには開発陣もクルマ好きというバックグラウンドも手伝って、他所では作り得ない、それでいて”実車好きも唸らせる”車種選定で人気を博しているのがメイクアップだ。

ここに紹介するのは、いかにも同社らしいく初代NSXタイプSという題材を選んだ1/43のモデルカーである。1990年に発売が開始されたNSXは、1997年にビッグマイナーチェンジを受けてMT車のエンジンが3.2リッターのC32B型へと変更される。その際に新規設定されたのがNSXタイプSだ。



NSXをベースに、サーキットユースも前提とした脚まわりやレスポンス鋭いエンジン、軽量化のために快適装備類を省くなど、超ハードな仕様がNSX-Rだ。1992年に発売されたNSX-R(NA1型)は、このビッグマイナーチェンジ前に生産を終了していたが、NSXタイプSはNSX-Rとは異なりストリートやワインディングなど、一般公道におけるスポーツ性や感応性を追求したグレード。快適性もしっかり確保されているため、実際に飾っておくのではなく乗って楽しみたいオーナー目線で見れば、ベスト・オブ・NSXとの誉も高いグレードでもある。


ただしルックス的には通常のNSXと大差がないため、モデル化される機会はほとんど無い(無かった)。メイクアップでは同社が得意とする実車取材を敢行、車両の3Dスキャンデータを元に、取材を担当したスタッフが実車の印象を数値的・感覚的に忠実にスケールダウンした原型を3D CADで設計した。


NSX タイプSならではの装備である、専用のMOMO製ステアリング、レカロ製の軽量フルバケットシート、チタン製シフトノブ、軽量メンテナンスリッド、そしてBBS製の鍛造メッシュホイールなどが事細かに再現されている。

ちなみにメイクアップでは写真で紹介したリトラクタブル式ヘッドライトのタイプSのほか、2001年以降の固定式ヘッドライト版、さらには知る人ぞ知る超硬派仕様、1997年のタイプS Zero!までをも商品化している。



実車ではカスタムオーダー・プラン専用カラーだったライムグリーンメタリックや、ニューイモラオレンジパールなどを含め種々あるので、お好みに合わせてベストなNSXタイプSを是非入手していただきたい。
■メイクアップ NSXタイプS 商品ページ一覧
https://www.makeupcoltd.co.jp/products/list?category_id=&name=Type+S+NA2