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ぜひ日本でもやってほしい「MT車ドライビング講習会」


よく「自動車大国」と語られることの多いアメリカ。なんせ国土が広いから、人々の暮らしにクルマは不可欠のものであるけれど、そのニュアンスは欧州とは大きく異なる。

アメリカのほとんどの都市において、街中は基本的にまっすぐと直角の交差点で構成されており、ちょっと隣の州まで出かけるとなると日帰りでは厳しいほどのロングドライブになる。それだけにゆったり快適に走れるオートマチック・トランスミッション(AT)搭載車が販売の主力となっている。

もちろんアメリカにおいても、欧州製高級スポーツカーだったり、シボレー・コルベットZR-1やZ06、ダッジ・バイパーといった『一部の高価格帯車両』を購入できる愛好するクルマ好きはマニュアル・トランスミッション(MT)車を所有しているが、それだけにむしろMT車を運転できることは、ひとつのステータスになっているような雰囲気もある。

そんなアメリカにおいて、もっとMT車の運転の楽しさを知ってもらおうというイベントをホンダが計画。現行車だけでなく、自社のエポックメイキングな車両を試乗車として用意し、53ものメディアとSNSなど大勢のフォロワーを抱えるインフルエンサーを招待。MT車の運転を楽しんでもらおうという「Shifting Gears」なる講習会が開催された。

会場となったのは、ロサンゼルス郊外北部にあるサン・ガブリエル・マウンテン。まずMT車の運転に慣れていない初心者は、駐車場の広いスペースにパイロンを並べた低速のコース(オーバル状に往復するだけだが)で操作方法を学び、比較的経験のあるドライバーは会場からほど近いワインディング「エンゼルス・クレスト・ハイウェイ」でMT車を走らせた。


素晴らしいロケーションで新車のMT車を走らせられるというだけでも楽しそうなイベントなのに、ホンダが用意した車種がまた興味深いクルマばかり。現行車種のアコードやフィット、シビックセダン、クーペ、ハッチバック(なんとタイプRも!)はもちろん、アメリカにおけるホンダの成功を決定づけたといっていい初代シビックCVCCや、プレリュードSHといったヘリテージ物件、さらには超ピュアスポーツのS2000CRまでが用意された。

ところでアメリカというと、冒頭に記したようにAT車ばかりというイメージがあるが、じつは2018年現在、ホンダの新車ラインナップにおけるMT車の割合は日本市場よりアメリカ市場のほうがはるかに多い。

車種を列記していくと、フィットが3グレード(LX、スポーツ、EX)に用意されているほか、シビックセダンおよびクーペはLX、EX-Tの2グレードにMT車を設定。シビックハッチバックも同じくLXとスポーツにMT車がある。

このほかシビックには、スポーツグレードのSiがセダンとクーペに設定され、さらにシビック・タイプRがある。SiとタイプRはMT車のみのラインナップだ。

日本仕様のヴェゼルとは異なり、1.8リッターガソリンのみのラインナップとなるHR-V。6MTとの組み合わせはなかなか楽しそうだ

そのほかアコードにはスポーツ1.5Tと2.0TにMT車が存在し、アーバンSUVのHR-V(日本名ヴェゼル)にも、LXとEXという2グレードでMTが選べる(FF車のみに設定)。アメリカはAT車ばかりというイメージはすっかり過去のもの。むしろ日本よりはるかにMT車は多い。

もちろん、3ペダルとシフトレバーで操るオーソドックスなMT車だけがスポーツカーというわけではないけれど、全身を使って自分がクルマを御して走るという楽しさは、MT車だけでしか味わえない。そしてその楽しさを、知らないで過ごしてしまうのは余りにもったいない。

きっとそんな想いから始まった今回のShifting Gearsを、参加者は心ゆくまで楽しんだ。イベントの内容は、上記の動画でも紹介されているので、ぜひご覧いただきたい。そしてもうひとつ、Shifting Gearsの告知ビジュアルも実にスタイリッシュなので紹介しよう。

 

今回のShifting Gearsは、自動車メディアやフォロワー数の多いインフルエンサーが対象であったが、彼らにMT車を運転する楽しさを体験してもらい、その面白さを発信することで『クルマって楽しい』という想いをより多くの人々に再発見してもらおうという狙いがある。ぜひ日本でも開催を期待したいイベントだ。

「Shifting Gears」を運営した北米ホンダのスタッフたち。こんなロケーションでMT車を思う存分走らせられるなんて、実にうらやましい

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)