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【S耐】#97 Modulo CIVIC TCR、復活の3位(2)

まさに秋晴れ!というような天気のもと、9月最初の週末に行われたスーパー耐久シリーズ・第5戦「FUJI SUPER TEC」。その決勝レースは、シリーズでもっとも長い10時間耐久で争われます。そのためスタート時間も早く、なんと朝7時58分53秒!に、戦いの火蓋は切って落とされました。

スタートドライバーを任されたのは、伊藤真一選手。スタート直後はクラス4位につけましたが、前を行くライバルの19号車、BRP Audi Mie RS3 LMSを交わして、クラス3位に浮上します。その後は終始安定したラップタイムを重ね、約1時間20分を消化したところで、第2スティントを担当する幸内秀憲選手の待つピットへ帰還します。

次にステアリングを任された幸内秀憲選手は、ドライバーチェンジを済ませコースに戻るとクラス5位へ順位を落としてしまうも、快進撃で2台のAUDIを交わし、クラス3位で道上 龍選手へステアリングを託しました。ここまでで約3時間が経過です。

そして道上選手がコースインをして間もなく、コース上に漏れ出たオイルの除去作業のためセーフティカーが出動します。セーフティカーを先導に、50台以上の車が低速走行。ランボルギーニやフェラーリなどのスーパーカーから、フィットやヴィッツまでが同じコース上に一直線に数珠繋ぎに並びます。

セーフティカー走行中はもちろん追い越し禁止。なので順位変動の心配はありませんが、これまでに築き上げたリードも解消。逆を言えば、前を行くライバルにも追いついたということでもあります。このセーフティカーは15分間に渡って走行し、そしてレース再開。97号車は素晴らしいペースで19号車を再び突き放していきます。10時間レースのほぼ折り返し地点にもなる4時間30分を経過したところで、中野信治選手へとバトンタッチしました。

ここまで大きなトラブルもアクシデントもなく、順調に走行をしてきた97号車と98号車。しかし、レースというものは最後まで何があるか分からない。そう易々と10時間耐久は勝たせてはくれない!と実感させられる後半戦となりました。

中野選手は1分54秒台の好タイムを次々と叩き出し、各チームのピット作戦の違いもあって、ついにクラス2位に浮上! 1時間を走行してピットに戻り、再び伊藤選手がステアリングを握ります。しかしコースイン後まもなく、無線から「接触した!」という伊藤選手の声が! 一瞬ピット内に緊張が走ります。

満身創痍で帰還した#97 Modulo CIVIC TCR。ダメージはラジエターにまで及び、修復作業に40分も要してしまいました。そしてレースも大詰め。残り3時間となったところで、再び伊藤選手がレース復帰。しかし、ライバル勢から大きく離されてしまいます。前を行く19号車とは22ラップ、そしてトップの10号車とは27ラップもリードを許してしまいました。一方、97号車と入れ違うようにして、98号車がピットイン。エンジントラブルにより一時レース中断を余儀なくされました。

その後、97号車は順調に周回を重ね、残り3時間となったレースを伊藤選手と幸内選手がそれぞれ1時間ずつ、道上選手と中野選手がそれぞれ30分ずつのスティントを担当し、4人で10時間を走り切りました。結果はクラス3位表彰台を獲得! 19ポイントを獲得し、ランキングは2位に浮上しました。いっぽう98号車は、残り数分となったところでレースに復帰。クラス4位でチェッカーを受け完走。16ポイントを獲得し、ランキングはトップを死守しました。

次戦は、いよいよ最終戦。泣いても笑ってもこれが今シーズン最後! そして、遂に年間チャンピオンが決定します! 98号車はチャンピオンに王手。このまま逃げ切ることができるのか…? そして、それを追う97号車。2台のModulo CIVIC TCRが直接対決となる最終戦は、10月15日に岡山国際サーキットで行われます。

(TEXT:Yuko ASHIZAWA 芦澤裕子)