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【GT500】’18年の開幕戦はKEIHIN NSX-GTが完全制覇!

例年より早く桜前線が訪れ、もうサーキットへ向かう道すがらはすっかり葉桜となった4月7日(土)~8日(日)。岡山国際サーキットにおいて、2018年のSUPER GTシリーズ開幕戦が開催された。

暦の上では春をすぎ、もう新緑の季節だがレースウィークのサーキット周辺は真冬に逆もどり。駐車場に停められたクルマの上には、早朝には霜が降りるほど。日中の最高気温も一桁というコンディションのもとで行われた。

土曜日の午後3時5分から行われた公式予選Q1は、雨こそ降っていないものの気温・路面温度ともに低く、各チームともタイヤグリップに苦労する様子が見られた。そしてGT300のQ2を挟み、午後3時48分から行われたGT500の予選Q2は一転、ウェットコンディションに。

荒れ模様となった予選の結果、#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)がポールポジションを獲得。2番手には#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)が続き、NSX-GTがフロントローを独占した。

そのほか元F1シリーズチャンピオンのスーパーGTフル参戦で注目を集めている#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)が5位グリッドを獲得。#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐)は12位、#64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮)は13位グリッドから決勝レースに挑んだ。

翌日、決勝レースが行われた日曜日も天候は薄曇り。正午すぎには雨〜みぞれが降るほどだったが、スタート前になってようやく晴れ間がのぞき、気温は約12度まで上昇。フロントタイヤが暖まりにくく、本来のグリップを発揮するのには時間がかかるというNSX-GT勢にとっては厳しい条件のもと、午後2時40分に82周の決勝レースがスタートした。

ポールポジションからスタートした#17 KEIHIN NSX-GTは、小暮卓史選手が前半のスティントを担当。スタート直後、まだ暖まっておらず本来のグリップ性能を発揮していないタイヤで、後ろから猛追してくるレクサス勢やニッサン勢を抑えることに成功する。

ところで今年のSUPER GTは、スタート方式が昨年までと一部変更されている。ローリングスタートは同様だが、スタートラインを通過するまで2列での隊列を保つことや、ウェービング&急な加減速の禁止などが厳しくなっている。スタートラインの手前で前走車両を抜いたジャンプスタートとして、#23 MOTUL AUTECH GT-Rと#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rにドライブスルーペナルティが課せられた。

これによりトップを走る#17 KEIHIN NSX-GTはラクになったが、後方から追い上げてきたのが#100 RAYBRIG NSX-GTと#8 ARTA NSX-GTだ。同じブリヂストンタイヤを履く3台だが、後方から追い上げる2台はタイヤ無交換作戦を選択。ピット作業の時間を大幅に短縮し、順位を大きく上げてきた。

#8 ARTA NSX-GTはレース後半に向けてタイヤの消耗が激しく、ペースを上げることができないが、#100 RAYBRIG NSX-GTは前半スティントを担当したジェンソン・バトンがタイヤを労わりつつ走ったことで、後半を担当した山本尚貴選手は安定して速いタイムを重ねる。

いっぽう、通常通りにドライバー交代&タイヤ交換作業を終えた#17 KEIHIN NSX-GTは、フレッシュタイヤへと履き替えた塚越広大選手が先行する#100を猛追。2台は激しいバトルを展開する。軽い接触も厭わないバトルののち、山本選手は塚越選手に先行を許すも大きく離されることなく、レースは終盤へ向かう。

その後、#17 KEIHIN NSX-GTと#100 RAYBRIG NSX-GTは約1秒の差を保ちながら3番手以下を引き離していく。その後方からは昨年のシリーズチャンピオンである#1 KeePer TOM’S LC500が追い上げてくるが、2台のNSX-GTは82周を走り抜き、今年のSUPER GT開幕戦をワンツーフィニッシュで飾った。

2018 SUPER GT 第1戦(岡山)GT500決勝リザルト
1位 #17 KEIHIN NSX-GT 塚越広大/小暮卓史
2位 #100 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴/ジェンソン・バトン
3位 #1 KeePer TOM’S LC500 平川亮/N.キャシディ
4位 #6 WAKO’S 4CR LC500 大嶋和也/F.ローゼンクヴィスト
5位 #23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/R.クインタレッリ
6位 #24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星明誠
10位 #16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤英紀/中嶋大祐
11位 #8 ARTA NSX-GT 野尻智紀/伊沢拓也
15位 #64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦孝亮

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)