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ローカルに人気の、伝統あるステーキハウスで大満足!!

アメリカで美味しい料理といえば、なんと言ってもステーキ、ハンバーガー、アイスクリームだろう。今年は、そのなかでもステーキを結構食べてる。メキシカンの次に多いと思う。

全米に展開しているステーキ・チェーンのレポートを、シーズンの初めの頃から結構して来た。お値段抑えめの店限定で。まだ行けてないのはローン・スターぐらいかな。見つけたら行こうと思ってるんだけど、経営苦戦中なのか、近ごろ看板を見ていない。

ルース・クリス、モートン、フレミングといった全米に展開している高級店は確実に美味しいし、サービスも上々。御予算に余裕のある方々は是非どうぞ。この夏に友人の誕生日を祝おうとフレミングに行ったんだけど、アメリカ人もそういう使い方の人が多いようで、同じ晩に誕生会をしている人たちが何組もいた。

古さが滲み出ている店の外観。見てくれにお金をかけない、つまり味とサービスで勝負ってことなんでしょう。ネオンがまた古くていい。まさか創業時のものってことはないとは思うけど

今回行ったのは、オハイオ州の中っくらいの都市アクロンにある、地元ではかなり有名な『ダイヤモンド・グリル』というお店。アクロンはグッドイヤーもファイアストンもBFグッドリッチも本拠地としていた、ゴムの街だ。

さらにアクロンは、ソープ・ボックス・ダービー全米大会の決勝を行なう街でもある。また今年が最後になっちゃったけど、ブリヂストン・インヴィテーショナルっていうゴルフのビッグ・トーナメントが長年開催されてきた街でもある。そんなアクロンのダウンタウンの外れに、『ダイヤモンド・グリル』はある。

創業は1941年と古く、店先のネオンがアール・デコ調。ドアを開けると、今時のゴージャスなインテアリアではないけれど、雰囲気があるダイニング・ルームが広がり、店の中ほどには照明が暗めのイイカンジのバーが。ウェイトレスのユニフォームが白いシャツに黒のタイト・スカートという組み合わせも、店の雰囲気に似合っている。

25年ぐらい前、常連さんと一緒に来たことがあって、テーブルに着いた途端、「そこはタイガー・ウッズが座った席だぞ」と言われたのを思い出す。ファイアストン・カントリー・クラブが舞台のブリヂストン・インヴィテーショナルは、タイガーが8勝もしているトーナメント。タイガーは今年もここへステーキを食べに来たんだろうか……。

ステーキのサイズはデカイけど、大味じゃありません。オニオンリングついてるなら、ホーム・フライ(向こうのお皿)にしなかったのに。先に教えて欲しかった

ダイヤモンド・グリルで驚くのは、クレジット・カードが使えないところ。今でも頑なにキャッシュのみで商売をしている。我々の奥のテーブルに着いた紳士3人組は、メインのオーダーをする前にそれに気づいてアタフタ。もうパンとか食べちゃってたからね。

それでもウェイトレスさんは優しく対応して、近くにあるATMの場所を説明してたけど、なぜか彼らは何も食べずに撤退……。あぁ、もったいない! というのも、このお店の骨つきリブアイは、僕が今まで食べてきたステーキの中で一番!っていうぐらいに美味しかったから。

近ごろ流行りのドライ・エイジドじゃなく、ウェット・エイジドという熟成法を採用してるって話だ。ミディアム・レアで焼いてもらったが、柔らかくて風味も味も最高だった。

前菜に頼んだシュリンプ・カクテル。ソースは店のオリジナルです。エビは大きめで、こちらも美味

ステーキを頼む人には、パンとサラダが付いてくる。ステーキの横にはオニオン・リングとクレソンが添えられ、もう一品頼めるサイドはホーム・フライ(じゃがいも)を選んだ。アメリカらしく、どれもが凄い量。

「前菜のシュリンプ・カクテルは頼むべきじゃなかった」というのは、毎度やらかしているミス。でも、オリジナルのソースが適度なスパイシーさで、大きめのシュリンプも美味しかったから、お腹パンパンで帰路に着いた。

友人がワイン持ち込みを提案。「美味しい肉に合うフランスのワインを」と。10ドル払うことで持ち込みOKとは、地元民のための店らしいところ

お値段は、高級全米チェーン店より少しお安めといったところ。フレミングでは断られた、ワイン持ち込みも10ドル払えばオーケーで、デカンタージュはバーテン(ソムリエ?)さんがやってくれた。昔ながらのアメリカ、この国ならではのアット・ホーム感が味わえて大満足のディナーだった。

この手の店は、探せばかなりあると思う。ネットでかなりの情報が集められる時代だし。インディアナポリスのダウンタウンにあるセイント・エルモは地元でもレース界でも有名なステーキハウスだ。隣りがルース・クリスなのに大繁盛してるぐらいね。

(text:Hiko AMANO 天野雅彦)
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