Honda好きが堪能できる、Hondaスピリッツ溢れる情報誌
  1. TOP
  2. MOTORSPORTS
  3. タイのホンダ車オーナーはアツい!! 「HONDA BANGKOK Owner’s Meeting」でクルマを操る楽しさを再発見

タイのホンダ車オーナーはアツい!! 「HONDA BANGKOK Owner’s Meeting」でクルマを操る楽しさを再発見

SUPER GT第4戦タイ・ラウンドの激闘を終えた翌日の7月1日、バンコクの玄関口であるスワンナプーム国際空港近くのサーキット「Motor Sport Park Suvarnabhumi」にて、タイのホンダ車オーナーを対象にした走行会イベントが行われた。

ここ数年、SUPER GTタイ・ラウンドに合わせて行われているイベントで、名称を「HONDA BANGKOK Owner’s Meeting」へと一新、会場もこれまでとは変更されての開催となった。

イベントの概要は、タイでホンダ車を所有しカスタマイズやチューニングを楽しむオーナーを対象に、「ドリキン」として現地でも圧倒的な人気を誇るModulo開発アドバイザーの土屋圭市氏や、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3をドライブする大津弘樹選手が、ドライビングレッスンや同乗走行を行うというもの。さらにModuloプリティの永原芽衣ちゃんや水瀬琴音ちゃんも参加し、イベントに華を添えてくれた。

会場となったMotor Sport Park Suvarnabhumiは、スワンナプーム国際空港からほど近い場所にあるミニサーキット。通常はカートコースやミニバイクが走行していることが多いそう。

日本車ディーラーの建物の背後にあって入り口はわかりづらいものの、パドックには各オーナーが所有する車両やレンタル用と思われる車両が2輪&カートともに多く保管されており、タイにおけるモータースポーツ熱の高まりを感じさせた。

コース自体はフラットで、管制エリアからは全体を一望できるようになっている。一般的なミニサーキットと同じく、走る車種によって様々なレイアウトを採用できるようになっていた。

今回は約60台の参加車を3グループに分け、コーナリング/スラローム/レーンチェンジという3つの走行エリアを交代で体験するという内容。コーナリングセッションの講師を土屋圭市氏、スラロームの講師を大津選手、そしてレーンチェンジはタイのレーシングドライバーであるAlongkorn Youngyuen選手の3名が担当した。

イベントは正午すぎから行われる予定だったが、午前10時を過ぎたころから参加車両が集まり始め、午前11時時点で20台ほどが到着。のんびりした印象の強いタイにおいて、これだけ早い時間帯から参加車両が集まるあたり、このイベントに対する現地の人気を感じさせた。

各グループは、いずれも講師が乗り込んだ車両にオーナーが運転する参加車両が追走するかたちでコースを走行。その後は講師役が見守るなかで単独走行を行ったり、また講師役の3名が助手席に乗って指南役となり、走行前後にアドバイスを送るというスタイルで行われた。

最初の先導走行では、講師が運転する車両から遅れをとるオーナーもしばしば見られたものの、何度も走行を重ねてアドバイスをもらうたびにペースが上がっていく様子は、コースサイドにいてもはっきりとわかるほど。ドライビングにおける上達の基礎は「我流を見直すこと」ということが、参加者にはよく伝わっていたようだった。

日中の日差しは強く、アスファルトの照り返しもあってコース上は汗が止まらないほどだったが、講師役の3名は笑顔を絶やさずアドバイスを送っており、これには参加者も感謝の言葉を送っていた。なかでも土屋氏は、「こういうイベントなんだから、どんどん走るべき」と語り、助手席に乗っての同乗走行では「もっと(アクセルを)踏め〜!って何度も言ったよ(笑)」と話してくれた。

そのようにイベントが盛り上がるなか、午後3時ころにタイ名物のスコールが来襲。大粒の雨により一転して数メートル先も見えないくらいとなり、イベントは一時中断。ブリーフィングルームにてドライバー&レースクイーンのトークショーとサイン会が行われた。

タイの人々にとっては、スコールはもう日常茶飯事といった雰囲気で和やかにトークショーはスタートし、Q&Aではモータスポーツやレースクイーンの日常に関わる質問もあって大盛り上がり! サイン会では、多くのオーナーが愛車の部品を外して持参し、サインを求める姿が印象的だった。

そして約30分ほどでスコールは過ぎ、暑かった日差しが戻るとコースの路面も乾いていく。そのため当初の予定どおり、土屋圭市氏や大津弘樹選手が運転する車両に乗っての同乗走行が行われた。

大津選手が、Moduloプリティのふたりを乗せてコースをドライブ! 会場中に歓声と悲鳴?が響き渡りました

先導車両としていた、タイ仕様の純正アクセサリーが装着されたシビックの運転席に土屋氏と大津選手が乗り込み、助手席や後席に参加者を乗せてハイペースでドライブすると、会場には歓声と悲鳴(!?)がこだました。走行後に車両から降りた方々は「クルマがこんな風に走るなんて!」と、一様に笑顔を見せていた。

そしてイベントの最後に行われたのが、「ドリフトキング」土屋圭市氏によるデモ走行である。使用された車両は、タイのオーナーが所有するS2000だ。

タイ市場にはS2000は導入されておらず、日本から輸入された車両をオーナーがチューニングしたという車両はF20CにHKS製スーパーチャージャーをドッキング。タイでは2台しかいないという過給機付きのS2000で、最高出力は300PSだという。

S2000それもチューニング車両にとっては決して広くはないコースながら、土屋氏はさすがの走りでドリフトを披露すると、コースの周囲を埋め尽くした参加者からは大歓声! 走行後も多くの参加者からサインを(車両に!)せがまれるなか、1台ずつ丁寧にダッシュボードにサインをし、写真撮影にも応じていた。

途中で雨による中断はあったが、イベントを通して「クルマは人を笑顔にする道具である」ことを改めて感じさせる1日となった。もちろんドライバーが使い方を誤れば、非常に悲しい事故を起こしてしまうことも事実。だからこそ、どんな事態にも対応できる高いスキルと、あわてない心構えが必要であり、それを体感できるプログラムには価値があると教えられた「HONDA BANGKOK Owner’s Meeting」だった。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)