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【徹底解説】新型アコードがついに日本上陸! 5ドアクーペ風ボディに2モーター式ハイブリッドを搭載した上級セダン

ホンダを代表するミドルサイズ・セダンとして、世界中で販売されているアコード。現行モデルは2020年2月に日本国内市場への導入が予定されているが、販売開始に先立ち、新型アコードのメディア・プレビューが開催された。

今回、モデルラインナップやスペックなどは発表されたが、発売時期の詳細な日程や販売価格について現時点では未定とのこと。2020年1月に開催された東京オートサロンの会場にて展示車両を見たという方も多いと思われるが、実車はじつに伸びやかなフォルムと上質な室内空間を持つ上級セダンに仕上がっている。そんな新型アコードの詳細を紹介しよう。

アコードの初代モデルが登場したのは1976年で、現行モデルは10世代め。初代モデルの発売当初から海外市場へ積極的に輸出が行われ、とくに北米市場は現在に至るまで最大のマーケットとなっている。そのため現行モデルも北米市場(アメリカ&カナダ)では2017年秋より発売が開始されており、2018年には中国市場、2019年にはタイ市場にも導入されている。

事実上の”本国”である北米仕様では、1.5リッター・ターボや2リッター・ターボも用意されるが、日本仕様のパワートレインは先代モデルと同様にハイブリッドのみ。グレードはEXのみの1本勝負だ。ハイブリッド・システムはステップワゴンやオデッセイと同様、2リッター4気筒に2モーターを組み合わせたものだが、システム名称は新たに「e:HEV」と呼称される。

トランクフードの運転席側には控えめに「e:HEV」のエンブレムが備わる

そんな10世代めアコードは、『ABSOLUTE CONFIDENCE(アブソリュート・コンフィデンス)』なる開発コンセプトを掲げ、乗る人それぞれが自信を持って自己表現できる、次世代のベンチマークセダンを目指したとのこと。

実際にそのボディを目前にしてみると、ほとんどの人が「デカッ」と驚くことだろう。ボディサイズは全長4900×全幅1860×全高1450mmで、先代に比べると全幅こそ10mm拡げられているものの、全長は45mm短く、全高も15mm低くなっている。

それでも大きさを感じるのは、先代から55mmも延長された2830mmのホイールベースと、Aピラーをボディ後方に寄せたことでロングノーズを強調したフォルムのせいだろうか。逆にボディ後半は、なだらかに降りてくるルーフラインや「ダイナミック・カーブ」と呼ばれるサイドのキャラクターラインにより、5ドアクーペのような佇まいを見せる。

先代モデルの424リッターから573リッターへと大幅ない容量アップを実現したトランクルーム。ゴルフバッグも4つを楽々と収納

全長が短く、ホイールベースは延長されたものの、新型アコードの荷室容量は大幅にアップしている。一新されたシャシーや薄型燃料タンク、新設計のリアサスペンションなどにより、トランク容量は573リッターを確保した。さらにトランクスルー機構も装備している。

コンサートホールをイメージして開発したというインテリアは、さらに上質感が向上。インパネのスイッチ類は直感的な操作がしやすい形状や色合いを求めたほか、ステアリング形状についても上級セダンらしい落ち着きとスポーティさを感じさせる握り心地を追求したという。ステアリング背後にはパドルシフトも備えられている。

センターパネルには4ポジションのシフトスイッチのほか、より燃費を重視するECONスイッチ、ピュアEV走行モードスイッチ、そしてスポーツ/ノーマル/コンフォートという3つの走行モードを切り替えるスイッチが備わる。

フロントシートは先代モデルからひとまわり大型化され、座面はワイドに、背もたれ部分は125mm高く設定された。またサイドサポートも形状や素材を見直すことにより、座り心地とホールド性をともに向上させている。

ホイールベースが延長されたことにより、後席乗員の膝まわりに大きな余裕が生まれたリアシート。背もたれの角度はやや寝かされ、高さを50mm延長したことで快適性やプライバシー性を向上。後席用シートヒーターは座面だけでなく背もたれ部分も暖めるようになるなど、「おもてなし」も高められた。

パワートレインは2リッター4気筒に2モーターを組み合わせたi-MMD。エンジン最高出力は145PS/6200rpm、同じく最大トルクは17.8kg-m/3500rpmを発揮する。走行用モーターの最高出力は184PS/5000-6000rpmで、同じく最大トルクは32.1kg-m/0-2000rpm。燃料消費率はWLTCモードが22.8km/リッター、JC08モードが30.0km/リッターとのこと。

タイヤサイズは235/45R18で、撮影車両にはブリヂストンREGNO GR-ELが装着されていた。これは銘柄とサイズともに、先代アコード(ハイブリッド)と同じ。手裏剣のようなフェイスデザインを持つホイールは、中空構造のレゾネーター(消音装置)が装着され、走行時の静粛性向上に寄与している。

ボディカラーは全5色で、写真のルナシルバー・メタリック、ブリリアントスポーティブルー・メタリックのほか、プラチナホワイト・パール、クリスタルブラック・パール、パッションレッド・パールが用意される。インテリアカラーはブラックのほか、明るい印象のアイボリーも設定される。

なお本記事のタイトルに「日本上陸!」とあるように、新型アコードは海外の工場で生産され日本市場へ運ばれる”輸入車”である。世界戦略車であるアコードの生産は世界各地で行われているが、右ハンドルモデルはタイのアユタヤ工場で生産されるとのこと。もちろん日本仕様は右ハンドル/右ウインカーである。

前述のように、新型アコードの詳細な発売時期や車両価格については未発表。ただし先代モデルがLXとEXの2グレード展開だったのに対し、新型では上位モデルのEXのみとなること、また車格が1ランク上がったような内外装の仕立てから考えても車両価格のアップは避けられなさそうだが、実際にステアリングを握ることができる日が待ち遠しい。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)

2020年、令和の時代に『デートカー』が復活か!?
新型アコードに往年の名装備がパワーアップして帰ってきた!!

ホンダが発売していたスペシャルティ・クーペ、プレリュードといえばこの装備を思い浮かべる人も多いだろう。助手席の背もたれを運転席側からも倒すことのできるリクライニング・レバーのことである。気になる女性を助手席に乗せてドライブに出かけ、夜景のキレイな場所でクルマを停めて助手席シートを一気に倒し……なんていう使いかたをメーカーの開発陣が想定していたかどうかは不明だが、クルマ好きのあいだでは「スケベレバー(ノブ)」とも呼ばれた装備が新型アコードで復活! 今回は助手席の前後スライド&リクライニング調節を運転席側からも電動で行うことができる。倒すにはちょっと時間がかかるかもしれないが、女性の驚く顔を少しだけ長く見られると思えば悪くない!?