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【GT500】第5戦富士は今シーズン初の有観客開催。64号車Modulo NSX-GTは苦しみつつ13位でチェッカー【動画】

新型コロナウィルスの感染拡大を受け、レーススケジュールが大幅に変更された2020年シーズンのSUPER GT。開催サーキットは鈴鹿、富士、もてぎの3箇所のみとなったが、全8戦でのシリーズ開催には変更がなく、富士で4回、鈴鹿ともてぎで2回ずつのレースが開催される。

また前半4戦は一般の観客がサーキット内には入れない「無観客開催」となったが、シリーズ後半戦となる第5戦以降は入場者数に上限を設けつつも有観客での開催となった。そんな現地観戦を楽しむモータースポーツファンにとっては、今季の”開幕戦”となった第5戦が、2020年10月3日-4日、富士スピードウェイにて開催された。

64号車Modulo NSX-GTは、第3戦鈴鹿では圧巻のポールポジション、第4戦もてぎでも5番グリッドを獲得していただけに期待されたが、予選Q1は14番手。走行を担当した伊沢拓也選手によると、マシンの挙動は安定していたもののストレートスピードが伸びず、タイムアップが果たせなかったとのこと。

迎えた決勝、朝からグランドスタンドには久しぶりのモータースポーツ観戦を楽しむファンが集まった。ただしパドックへの入場は限定され、ピットウォークやグリッドウォークといったイベントは行われないものの、やはり現地で体感するスピードやサウンドは特別。とくに今季から新規定のFRレイアウトを採用したNSX-GTは、ホンダファンだけでなく多くの観客から注目を集めていた。

決勝当日の天候はくもり。レーススタート時刻の13時30分時点では、気温21度・路面温度29度という過ごしやすい天候となった。しかしチームは事前の予想よりも低い温度レンジとなったため、タイヤ選択に悩むこととなった。

14番グリッドからスタートした64号車Modulo NSX-GTは、前半スティントを伊沢拓也選手が担当。スタート直後の1コーナーからトップ争いのマシンが接触する波乱の幕開けとなったが、64号車はうまく切り抜け9番手までポジションを上げることに成功する。

その後はセーフティカー(SC)が出動し、数周にわたってレースを先導。4周目の終わりでSCがコースから外れると、5周目からレースが再開された。9番手からさらに上位進出を伺った伊沢選手だったが、10周を過ぎるころからペースが上がらず、徐々にポジションを落としてしまう。

今回の決勝レースは全66周で争われるが、64号車Modulo NSX-GTは28周目にピットインし、大津弘樹選手へとドライバーチェンジを行った。フレッシュタイヤを得た大津選手も、やはりロングランでのペースが上がらず、タイヤのピックアップ症状にも悩まされたため2度目のタイヤ交換を行い、13位でフィニッシュとなった。


中嶋 悟 総監督コメント
「本当に厳しいレースでした。ことごとく上手くいかないというか、いろいろなことを試しましたが、なかなか正解は見つからずという感じでした。終わってみれば収穫はたくさんありましたので、残り3戦に活かせるようにしていきたいと思います。最後になりましたが、今年初めての有観客開催ということで、たくさんのファンのみなさまの前でレースができたことは大変有難く感じています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします」


伊沢拓也選手コメント
「スタートはポジションを上げられたので、このままポイント争いをしたいと思っていましたが、その後のペースが想像以上に上がらず、結局そのまま他と戦えるスピードではなかったので、いろいろ試しながらのレースとなってしまいました。次戦は自分たちが得意とする鈴鹿でのレースです。今シーズンここまでうまくいきそうでいかないタイミングが多いので、なんとかすべてをかたちにしたいと思います」


大津弘樹選手コメント
「伊沢さんのペースが上がらなかったこともあり、違う種類のタイヤを履いてコースインしましたが、途中から真っ直ぐに走ることも難しい状況になり、そのまま走っても順位を落とすだけなので、次戦も見据えるかたちで2回のタイヤ交換を行ないました。最後は自己ベストも更新できましたし、チームが残り3戦にかける思いもひしひしと感じていますので、今回得たものを無駄にしないように次戦も頑張ります」

次戦の第6戦は、10月24-25日に三重県・鈴鹿サーキットにて開催される。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)