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ホンダ唯一のピックアップトラック「リッジライン」は2021年モデルでフロントマスクを一新!! 大幅に迫力アップ

自動車大国アメリカは、世界でもっともピックアップが似合う国だ。広大な国土には、市街地からちょっと走れば無数の遊び場がある。だから週末になると、幹線道路はたくさんの遊び道具を積んだピックアップやSUVが列を成す。そんなアメリカとカナダでのみ販売されているホンダ車がリッジラインだ。2021年モデルではフロントフェイスが一新される。

LEDを採用したヘッドライトは、外側部分をL字状のデイライトとすることで先進性を強調。バンパー下部分もプロテクター風にデザインされ、アウトドアテイストを強めている

日本国内では軽自動車やミニバンが販売の主力となっているホンダだが、アメリカおよびカナダの北米市場では、ミドルセダンのアコードや、同じくミドルクラスSUVのCR-Vが販売の主力。とくにSUVはHR-V(日本名ヴェゼル)、CR-V、パスポート、パイロットの4モデルが販売され、高級ブランドのアキュラから発売されるRDXやMDXも含めれば合計6車種のラインナップとなる。

2021年モデルはフロントグリルが天地方向に拡大されたほか、メッシュ形状を大型化したことでワイルドな印象となった

それだけ多くの車種を用意しているのも、アメリカではSUVの人気が急上昇しているため。2019年でいうと、新車全体の販売台数のうち約48%をSUVが占める。新車販売のおよそ半数だ。そして独立した荷台を持つピックアップトラックも伝統的に人気があり、同じく約18%を占める。この2カテゴリーで約66%となるため、各メーカーが基本シャシーを共有するピックアップ&SUVの兄弟車をラインナップしている。

テールゲートは最大300ポンド(約136kg)の重量を支えられるため、250ccクラスのオフロードバイクを2台並列で載せることができる。2021年モデルではリアバンパー形状も変更され、全車が左右2本出しマフラー装着となった

ホンダ車では唯一となるピックアップトラック「リッジライン」もその例に漏れず、基本設計はパイロットと共通。初代モデルは2005年に登場し、約11年に渡って生産された。現行モデルは2016年に登場した2代目で、角ばった初代モデルからボディデザインを一新、フロントノーズの長い『ピックアップらしい』フォルムとなった。

現行モデルで印象的なのはリアの荷台(ベッド)部分の処理で、初代モデルではキャビン部分から繋がったデアインで『モノコックボディ』をアピールしていたが、現行モデルではあえてキャラクターラインを設定し、ベッドが独立しているオーソドックスなピックアップらしく見せる処理がなされている。

特徴的なブロンズカラーのアルミホイールは、HPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)とのコラボレーションによるセットオプション。そのほかボディサイドのグラフィックやメッキモールなどの加飾が含まれている

2021年モデルでは、フロントまわりを中心に外観デザインをアップデート。これまでの左右ヘッドライトを繋ぐメッキガーニッシュを廃止し、フロントグリルを大型化。また前後フェンダーには樹脂製の大型プロテクターが装着され、高いオフロード走破性能を想起させるデザインとなった。

搭載されるエンジンは、SUVのパイロットやミニバンの北米版オデッセイと同じ3.5リッターV型6気筒SOHC。パイロットやパスポート、オデッセイなど北米ホンダ車に広く搭載されるユニットで、扱いやすさとパワフルさを両立している。

ピックアップトラックとは思えない、乗用車的なインテリアがリッジラインの特徴。シフトスイッチはボタン式となった

最高出力は280hpで、トランスミッションは9速ATが組み合わされる。駆動方式は4WDのほか、FFモデルも用意。4WD車は電子制御システム「i-VTM4」を装着し、ノーマル/スノー/サンド/マッドという4種類の走行モードを選択できる。

インパネデザインはSUVのパイロットなどと同様で、トランスミッションは9速ATが組み合わされる。シフトセレクターはレバー式からボタン式に改められた。もちろん先進安全支援システムのホンダセンシングを全車に標準装備する

グレードは標準モデルのスポーツのほか、RTL、RTL-E、そして従来モデルでも人気の高かったブラックエディションまで全4種類。上位2グレードには、左右後輪への駆動力を電子制御するトルクベクタリング機構が標準装備される。

こちらはマイナーチェンジ前の現行リッジライン。2021年モデルではモールが上方へと移動されグリル自体も大型化。前後バンパー形状も変更され、フロントバンパーからタイヤとホイールの周りに空気を通し、エアカーテンを形成して空力性能を向上。走行安定性や燃費の向上を実現した

北米ホンダで企画・開発が行われ、生産も現地で行われるリッジラインは、これまで北米地域以外での販売実績はない。日本国内へも正規導入される可能性は少ないだろう。とはいえFF車ベースのピックアップトラックという、他メーカーの競合車とは一線を画す『ホンダらしさ』を強く感じさせるモデルだけに、ぜひ実車を体験してみたい1台だ。

(text:Kentaro SABASHI 佐橋健太郎)