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【名車図鑑】「クリエイティブムーバー」第一弾、乗員全員の快適性を追求した初代オデッセイはミニバンブームの火付け役

2023年4月、ホンダは同年冬に「オデッセイ」の改良モデルを日本市場にて発売すると発表した。オデッセイは2021年に国内販売を終了しており、約2年ぶりの再導入となる。

そんなオデッセイの初代モデルが登場したのは、1994年のこと。生誕30周年のアニバーサリーイヤーを目前にした復活劇だが、そもそも初代オデッセイとはそのようなモデルだったのだろうか。

オデッセイ S(ヘザーミスト・メタリック)

2023年の現在、日本国内ではもっとも人気あるカテゴリーといえる「ミニバン」。6〜8名の乗車が可能な3列シートを備え、多人数が快適に移動することができるという点が最大の魅力だが、そのルーツを辿っていくと1980年代に遡る。

多人数での乗車が可能という点では、それ以前から1BOX車が存在していたものの、それらは商用バンをベースに乗用車化したモデルであり、ハンドリングや乗り心地といった点において乗用車とは差のあるものだった。そこで各自動車メーカーは、乗用車FFシャシーをベースに居住空間を拡大した2BOX形式の車両を開発していく。

それが現在のミニバンへと繋がるのだが、ホンダが1994年に発売した初代オデッセイは、まさに「乗用車ベースのミニバン」を代表する存在といえるだろう。

アコードのプラットフォームを大幅改良して開発されたオデッセイは、その生い立ちゆえに低く突き出たボンネットや四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション、そして通常のヒンジ式ドアといった特徴を備えており、結果として従来のミニバンとは一線を画すスタイリングやハンドリングを備えたモデルとして人気を集めた。

1990年代前半、ホンダは「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」を掲げた車種展開を行っており、初代オデッセイはその第1弾にあたる。ボディサイズは全長4750×全幅1770×全高1645(4WD車は1660)mmで、全車が3ナンバーサイズ。

なお初代ステップワゴンが登場するのは2年後の1996年で、こちらは全車5ナンバーサイズのうえ後席には片側スライドドアを採用するなど、同じ3列シートのクリエイティブ・ムーバーでも明確な差別化が図られていた。

初代オデッセイのグレードは3種類で、価格帯の上から順にL、S、Bとなっていた。いずれも室内には3列シートを備え、LとSには2列目シートをキャプテンタイプとした6人乗りも設定。7人乗りの場合は2列目シートが通常のベンチタイプとなる。

オデッセイLの室内。3列目シートの右側にはスペアタイヤが収納されていた
床をフラットにしてセンターウォークスルーを設け、車内はスムーズな座席間移動が可能

乗用車のシャシーをベースとしているためにフロアを低くすることができ、広い室内空間を実現。シート位置を高めに設置したハイ・アイポイント設計に加え、後列にいくほどヒップポイントとフロアを少しずつ高くした「シアターフロア」と呼ばれる設計としており、後席でも開放的な視界を実現している。

またシートアレンジも豊富で、8人乗り仕様車の場合は2&3列目シートをフラット化するだけでなく、2列目シートを折り畳んで前方へスライドすることで、3列目シートのリムジン的な使用も可能。3列目シートは左右一体型だが、後方へ回転する形で床下へ収納し、ラゲッジスペースを拡大することも可能となっていた。

エンジンはF22B型2.2リッター直列4気筒SOHCを搭載し、最高出力145PS/5600rpm、最大トルク20.0kg-m/4600rpmを発生。トランスミッションは4速ATが組み合わされた。

車両重量は最軽量のBグレード(FF)で1470kg、もっとも重いLグレードの7人乗り(4WD)のフルオプション装着車で1610kgとなっており、決してパワフルとはいえないものの実用十分な動力性能を実現していた。

初代オデッセイの車両価格はBグレードが179万5000円から、最上位グレードのLグレードが245万5000円(いずれも東京地区、FF車両)と身近な価格帯に設定されため、発売されるやいなや大ヒットモデルとなった。登場の翌年である1995年には、年間販売台数12万5590台、月平均にして1万台を超える販売台数を記録。現在のミニバンブームに続く火付け役となった。

1997年に登場したオデッセイ プレステージ。V6エンジンを搭載するためボンネットの厚みが増している

発売後は毎年のように改良やマイナーチェンジが行われたが、1997年8月にはエンジンをF22B型からF23A型へと変更。そして同年10月には、主に海外市場からの要望に応えるかたちでJ30A型3リッターV型6気筒エンジンも追加された。

このV6エンジン搭載車は「オデッセイ プレステージ」の車名となり、FFモデルのみが設定された。その後も特別仕様車の設定やマイナーチェンジが行われ好調なセールスを記録していたが、1999年12月にフルモデルチェンジを受け、第2世代へと引き継がれて初代オデッセイの販売が終了した。

(text:Honda Style Web)