【動画】インディカー・シリーズ第15戦、佐藤琢磨選手が今シーズン２勝目を挙げる！
2019年8月24日、イリノイ州マディソンにあるワールドワイド・テクノロジー・レースウェイにおいてNTTインディカー・シリーズ第15戦の決勝レースが行われ、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのNo.30 Mi-Jack/パナソニック・ダラーラ・ホンダに乗る佐藤琢磨選手が今季2勝目を挙げた。
ワールドワイド・テクノロジー・レースウェイでは自己ベストの5番グリッドからスタートした佐藤琢磨選手は、オープニングラップで3ワイドの中央に挟み込まれる形となったうえ、ライアン・ハンター-レイ（アンドレッティ・オートスポート）と軽く接触した影響もあり、このラップの終わりには13番手まで後退してしまう。さらに最初のピットストップを終えた時点で、最後尾へと順位を下げてしまった。
しかしチームは諦めず粘りの走りを続け、イエローコーションやピットストップのタイミングにも助けられたことおかげで、ここでピットストップを行なった佐藤琢磨選手は188周目に全台を抜いてトップに浮上。そして190周目、セバスチャン・ブルデー（デイルコイン・レーシング）がクラッシュしてイエローコーションとなる。
この時点でトップの佐藤琢磨選手と同一周回を走っていたのは、トニー・カナーン（AJフォイト・レーシング）、エド・カーペンター（エド・カーペンター・レーシング）、ジョセフ・ニューガーデン（チーム・ペンスキー）の４台のみ。そして佐藤琢磨選手がトップのまま、205周目にレースは再開された。
グリーンフラッグとなったあとも、佐藤琢磨選手は2番手のカナーンを次第に引き離していったが、3番手を走っていたエド・カーペンターが猛チャージ。チェッカーまで残り4周の時点でトニー・カナーンをパスして２位に浮上すると、さらにトップの佐藤琢磨選手へと接近する。
ふたりのバトルはファイナルラップまで続いたが、佐藤琢磨選手は0.0399秒差でエド・カーペンター選手を抑えて優勝を飾った。
佐藤琢磨選手のインディカー・シリーズ優勝は、今回が通算5回目。今シーズン第3戦バーバーにおいてポール・トゥ・フィニッシュを達成しており、シーズン2勝目。佐藤琢磨選手がシーズン中に2度以上優勝したのは今回が初めてとなる。ドライバーズポイントも通算382点に伸ばし、ポイントランキングは6番手に浮上した。
次戦の第16戦ポートランドは9月1日に決勝レースが行われる。佐藤琢磨選手は昨年2018年に優勝を果たしたコースであり、初のシーズン3勝目、そして2年連続優勝をかけて挑むこととなる。
佐藤琢磨選手コメント
「僕をサポートしてくださっている皆さんになんとお礼を申し上げればいいのか、言葉が見つかりません。難しいことがあった次のレースだったので、本当に特別な気持ちです。ここに来て予選を力強く戦うことができたことについて、チームを誇りに思っています。レースは難しいスタートとなりました。僕は2台に挟まれ、ポジションを落としました。最初のスティントも難しい展開でした。僕たちは落ち着いて自分たちの仕事をこなし、自分たちを信じ、チャンスを掴み取りました」
「そして僕たちは反撃しました。続くふたつのスティントではペースもよく、必要とされていた燃料のセーブにも成功します。そして、あのイエローが出ました。たしかに、あれは僕たちにとって幸運だったと思います。この勝利は、僕を支えてくれたチームのおかげです。彼らのために優勝できて、本当に嬉しく思っています。とても、とても、幸せな気分です」
「最後のリスタートは遅かったかもしれませんが、コンスタントなスピードでした。集団をコントロールするために、使えるアドバンテージはすべて使わなければいけなかったのです。その後は、鮮やかにリードを広げていったといっていいでしょう。レースを盛り上げたのは、タイヤのデグラデーションでした。最後の20周でトニーと僕は同じように苦しみましたが、エドは本当に素晴らしいスピードで追い上げてきました。最後の5ラップはとても苦しみました。僕は絶対にマシーンをフィニッシュラインに持ち込みたかったのですが、なんとかそれを成し遂げました」
（インディ500を除けば、今回の優勝がもっとも嬉しかったのでは？ との質問に対して）
「それは間違いありませんね。ポールポジションから優勝したバーバーも特別な一戦でした。週末を完全に制覇したという点でチームが果たした役割は大きく、大きな満足感を味わいました。でも、いまご指摘があったとおり、インディ500を除けばこの優勝は本当に特別です。とても感激しています。僕に、信じられないくらいの力を授けてくれました」
「続く2レースも、とてもエキサイティングな戦いになるでしょう。チャンピオン争いも刺激に満ちたものになるはずです。できれば、シーズンが終わるまでにもう少し順位が上がるといいですね。チームのサポートは信じられないくらい素晴らしいものでした。本当に嬉しいです。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの一員であることを誇りに思います」
（text：Kentaro SABASHI 佐橋健太郎）