【GT500】スタートから順位を上げていた64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT、アクシデントにより無念のリタイア

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2025 SUPER GT 第6戦(スポーツランドSUGO)
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
予選:13位
決勝:リタイア
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2025年シーズンのSUPER GTも後半戦に突入。2025シーズンも残すところ3戦となり、ここのところ明るい材料が増えているModulo Nakajima Racingは、この3戦で何としても表彰台に上がりたいところ。第6戦の舞台は、テクニカルなコースレイアウトで毎年ドラマチックなレースが繰り広げられる、スポーツランドSUGO(宮城県)だ。

前戦の第5戦(鈴鹿)では、決勝レースを7位フィニッシュで終えた64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT。スタート順位の6位からはひとつ下げてしまったものの、レースウィーク全体を通して高い競争力をキープし、ドライバーの表情にも充実感が漂っていた。

そんな好調ムードのなかで臨んだ第6戦、公式練習と予選が行われる9月20日(土)は朝から小雨がぱらつく不安定な天候となった。あいにくの天候ながら、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは公式練習で1分10秒251と2番手のタイムを記録。トップタイムは17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTがマークした1分10秒240で、ホンダ勢が好調な出足となった。

その後、公式予選が始まる午後を迎えると天候は安定し、路面も徐々に乾いた部分が大きくなっていく。気温20度と秋の訪れを感じさせるなか、いよいよ予選Q1を迎える。64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTのステアリングを握るのは伊沢拓也選手だ。Q1開始直後はピットで待機しつつ、約2分が経過した頃にコースイン。

伊沢選手は丁寧にタイヤのウォーミングアップを行い、ほぼパーフェクトなアタックラップを見せたものの、路面状況の変化もあってかタイムは1分10秒493に留まってしまう。ライバルたちは上位6台が1分9秒台に突入するハイレベルなQ1となり、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは13番手でノックアウト。翌日の決勝レースで巻き返しを誓うこととなった。

そして迎えた9月21日(日)、決勝レース当日は前日の雨雲が過ぎ去り、すっきりとした青空が広がる秋らしい1日となった。84周で争われる決勝レース、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーは伊沢選手が担当する。

宮城県警の交通安全啓発活動のパレードラップ、フォーメーションラップとスタート進行が進み、いよいよ決勝レースがスタート! 前日の予選では13番手に留まった64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTだったが、伊沢選手はスタート直後から速いレースペースを保ち周回を重ねていく。積極的に前を走るライバルを追い詰め、10周が終わる頃には4台をパスし9番手まで順位を揚げた。

伊沢選手は11周めにも1台、その数周後にも1台とポジションを上げていく。19周目にアクシデント車両が発生し、フルコースイエロー(FCY)となるが、数周で解除となり、この後も伊沢は冷静に周回を続け、さらに前をパスする。

絶好調の64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは、29周目にピットインを行って大草りき選手へとドライバー交代。さらにタイヤ交換と給油を行ってピットアウト、伊沢からバトンを受けた大草も速いペースで走行し、38周目に1台、翌周にも1台をパスしてポジションを上げていく。

レースの半分を終える頃には6番手を走行していたが、GT300クラスの車両に起きたアクシデントにより2度目のFCY宣言が発令される。このFCYは47周目に解除となり、大草選手はさらに上位を狙って走行していたが、あまりにも不運なアクシデントが待っていた。

なんとGT300車両の複数台が接触、これにより弾かれたGT300クラスの車両が直後を走行していた64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTに向けて飛んでくる形となってしまう。ドライバーの大草選手も緊急回避を試みるが、あまりにも直前での出来事ゆえにかわすことができず、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTピットレーン入口のガードレールにクラッシュ! マシンは大破し、運転していた大草選手の容体も心配されたが、共通モノコックに守られたこともあり大きな怪我はなくサーキットにも安堵の空気が流れた。
こでレースを終えた。
中嶋 悟 監督 コメント

「アクシデントに巻き込まれてしまい、残念な結果となってしまいましたが、今シーズン一番のレースをしてくれたふたりのドライバーに感謝しています。残り2戦、自分たちの力を出し切って表彰台を目指していきたいと思います」
伊沢拓也選手 コメント

「昨日の予選を取り返そうと思って臨んだ決勝ですが、ここまで順位を上げられるとは思っていなかったので、想定以上にいい戦いができていました。不安はありましたが、僕ら以上に周りがつらい状況だったので、僕のスティントも、大草選手もアクシデントが起きるまでは素晴らしいレースができていました。彼のミスではなく、不運。大きなけががなくて良かったです」
「あとは結果で取り返すしかありません。メカニックの皆さんはオートポリスに向けて大変な作業になってきますが、この良かった内容をモチベーションに、皆で気持ちを切り替えて進んでいきたいと思います」
大草りき選手 コメント

「伊沢選手のスティントで周りよりもペースが良くいい形で走っていたので、僕もいけるだろうと序盤からプッシュしていきました。実際ポジションも上げていい走りはできていたと思いますが、アクシデントに巻き込まれてしまいました」
「減速はできていたので体へのダメージは大きくなく済みましたが、チームの皆さん、ダンロップの皆さんに申し訳なく思っています。クルマやタイヤの感触はとても良かったので、シーズン残り2戦、これを結果で示すことができるように頑張ります」
(TEXT:Honda Style Web)