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700kmの試乗で「ホンダセンシング」の実力を確認(2)

ステップワゴンの高速走行はじつに安心感があります。「わくわくゲート」という凝ったリヤゲートを実現するためにボディがしっかりと作られているのは、どっしりしたフィーリングを生み出していますし、乗り心地も上々。ビシッとした直進安定性も実感できます。

しかし、ステアリング右側にあるスイッチを押してLKASを作動させると、最初は違和感を覚えることがありました。この手のレーンキープアシスト機能は、白線を認識して車線の中央を走るというイメージもありますが、ホンダのLKASはそうではありません。とくにコーナーでは、車線の中でアウト・イン・アウトのラインを取っているような振る舞いを見せます。

  

とはいえ、そのライン取りに慣れてくると、ホンダらしさを感じる要素になってくるから不思議なもの。LKASのアシストと自分自身のステアリングさばきがシンクロすることで、ステップワゴンの持つスポーツ性を引き出している気分が味わえるのは不思議な感覚です。

ACCについては基本的には問題のない仕上がりですが、気になるのは先行車の速度が落ちてきたときのリニアリティ。ブレーキランプなどを認識していないので仕方がないことですが、先行車が減速する素振りを見せても、ミリ波レーダーで減速を検知するまでは速度を維持しようとするので、自車の減速が若干遅れるような印象があります。そのため状況によってはググッとブレーキをかける感触もあったりするのです。

先行車が加速したときのリニアリティも控えめ。今回の試乗では基本的に「ECON」をオンにしていたこともありますが、再加速がモッサリ気味で、アクセルを踏んであげないと先行車に差を広げられるシーンが何度かありました。ECONをオフにすれば加速のリニアリティが増しますから、ACC作動時のドライバビリティを求めるならECONオフがオススメといえます。

(photo&text:Shinya YAMAMOTO 山本晋也)